ゴールデンウィークということで、実家の大阪に帰ってきた。
実は、去年の夏も帰省していた。猫を連れて帰っていた。
猫というのは、人につかず、屋敷につく、などというだろう。
なんのこっちゃ。
つまり、あちこち連れまわしたりすると、例え飼い主が一緒でもめちゃめちゃ疲れてしまうから、
家で留守番させといた方がいい、という意味だ。多分。
それなのに無理やりつれて帰ったもんだから、見知らぬ場所に来て、めちゃめちゃおびえていた。
テレビの裏に引っ込んで出てこない。
ぷるぷる。
震えているようだ。
5時間ほどしてようやく出てきたが、ごはんを食って、また隠れてしまった。
そして、トイレがどこだかわからなかったんだろう。座布団の上でじょーっ。
そしてまたテレビの裏へ。
トイレはちゃんと用意してあったのだが、目を離すと座布団の上がおしっこまみれ。
計、5,6回、座布団が被害にあっていた。
あれから、約1年、そんなことはすっかり忘れて実家に到着する。
今回は、猫は留守番である。私1人で帰ってきたのである。
応接間に入り、荷物をおろして一息つく。
む。
そこには非常に嗅ぎなれた臭いがただよっていた。猫のおしっこ臭である。
さすがは猫のおしっこだけあって、1年近くたっても臭いは強烈だ。
両親は、鼻がおしっこ臭に対して最適化されてしまったのか、特ににおいについて言及することはなかった。
妹も一緒に住んでいるのだが、やはり特に何も言わない。
私の嗅覚が鋭すぎるんだろうか。この、鼻うがいで鍛えた、獣のごとき敏感な鼻が。
きた…と私は思った。きやがった。
実験材料が、向こうから手を振ってやってきやがった。
おしっこ臭に対して、無敵の効果を持つバイオミックスの実験ネタである。
バイオミックスをたくさん買いすぎて、どうしよう使い切れないぞと後悔し始めているところなのだ。
残念ながら、そんな状況は予想できず、バイオミックスを持ち帰るようなことはしていない。
そして今はもう、東京に戻ってきてしまっている。
では、バイオミックスを両親に送りつけ、試してもらうことにしよう。
どうやって切り出すかが問題だ。
「部屋臭いから、これで消臭してみて」とは、ちょっと言えない。いくら両親でも。
親しき仲にも礼儀ありなのである。
部屋の消臭剤に使ってみて、とでも言ってみようか。よし。
という訳で、自分の部屋以外のおしっこ臭にも試す実験を始める。
まずは、バイオミックスを実家に郵送だ。
実験開始まで若干時間がかかると思うが、続きはまた後日。
実家の母親に、バイオミックスを使ったかどうか聴いてみたところ、まだ使ってないという。「怖いから躊躇している」ということだ。母親は、バイオミックスに含まれる菌がもぞりもぞりと徘徊しているシーンを想像して恐怖しているそうだ。
私は思う。実はそれほど困ってない人に救いの手を差し伸べても、ありがた迷惑なことになりがちなのではないか。両親としては、ちょっと臭いはするけど別にいいかと思っているところに、息子から「これはいいよ〜実にいい!」とブツが送られてきても、めんどくさいもん送ってくんなよなぁと思うだけなのではないか。
「そのうち使う」とは言っていたが、きっと押入れの奥にしまってそのまま忘れてしまうに違いない。
とりあえず続くが、実験の再開は可能性が低いことを付け加えておこう。
≪続く≫
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