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仏友会 たけながさんのご紹介

信じられない軽装備で国内を行く、無茶な自転車旅行日記「9349」を自サイトにて連載中。仏友会というおごそかなサイト名にマッチした、仏像、神社の鳥居、聖書などを独自の視点で扱ったコンテンツやお笑いをテーマとしたコンテンツあり。


野宿

※旅行中、泊まる場所がなくて外で寝ること。たけながさんの自転車旅行においてはごく普通のことのようだが…。
仏友会 たけながさんのコメント

 どうも。たけながです。

 野宿はねえ、やっぱりこわいですよ。

 なにが怖いって、人がこわい。
 真っ暗闇もこわい。

 だからだいたい俺の場合、人のあまり通らない、街灯のあるようなところに寝てます(明るいところでも平気で寝られるんで)。


 と、まずかぶきさんのなげかけに答えておいて。


 かぶきさんもけっこう野宿をしてると思ったんですけど。
 あれですね、あれなんですね、テント泊は野宿に含まない派なんですね。
 テント泊も立派な野宿だと思うんですけど。
 まあ、テント泊は別テーマとして残しておいて、テントを用いない、屋外での宿泊を、ここでは野宿と呼ぶということで。

 俺のは野宿というか、ビバークといったほうが近いですけど。


 そもそも俺は、夜に寝る、ということを考えてなかったですね。ひとばんじゅう寝ずに走って、昼間にちょっと眠ればそれでいいんじゃないか、みたいな。大阪から門司に行ったときなんて広島で一泊した以外、ほとんど寝てないですしね。

 俺の長距離自転車旅の嚆矢となる琵琶湖一周(1993年。17歳)ですが、このときは、俺、寝てないですね。朝に出発して翌日の夕方帰宅するまで一睡もしてません。

 最初の野宿は淡路島です(1994年)。おお、いつのまにか俺も野宿歴10年ですね。
 このときも、べつに野宿するつもりはなかった。
 だけど、島の南端まで行って、瀬戸大橋を自転車では渡れないことを知り、もう夜だったからフェリーも出ていず、見つけた民宿には断られ、とりあえず朝まで寝るにしろ寝ないにしろ時間をつぶさねば、と思って物置と化した廃マイクロバスで寝ころんだんです。

 というわけで、俺としても、野宿するのは、しかたなく、なんですよ、やっぱり。
 俺だって、やわらかくて適温な場所で裸同然で眠りたい。
 寝袋を持って旅をしているときでも、連続3日、というのはほとんどないです。やっぱり、宿に泊まりたくなるんです(ちょうど大きな街に到達したからというのもありますが)。


 でもまあ、特に好きではないけど、いろんなところで野宿をしてますね、俺。
 俺が泊まった野宿ポイントごとの、いいところわるいところを書き出しておきましょうか。


 まず一般的な、駅。業界ではステーションビバーク、STBというようです。
 巨大なターミナル駅とかではなく、改札を抜けるとすぐホーム、みたいなタイプですね。
 切符売り場と待合所がいっしょになっているような。

 俺も本を読んだりして知識はあります。
 STBは、
1>無人駅で、
2>終電後に寝る(荷物を広げるのも終電後)。
3>始発前に出発する。
 という暗黙のルールがあるようです。

 ちなみに俺が寝たことのある駅をリストアップしてみます。
 加治木駅(有人)、津奈木駅(無人)、肥前浜駅(たぶん無人)、大村駅(有人)、筑前深江駅(有人)、安登駅(無人)、那古船形駅(不明)くらいですね。すくない。
 ほとんどが九州を走ったときなのも驚きですが、有人駅に思いっきり寝てますね。マナー違反もいいところですけど、どこでも怒られなかったですね。
 ただ、ふだんの野宿だと5時とかに目覚めるのに、7時ごろ目覚めてまわりは通勤通学の人々、という感じでしたが。

 いいところはですね、なんとなく、安全そうですね。加治木駅で職質をうけたことからもわかるように、国家警察が警邏してます。安心です。
 自販機とか近いです。

 よくないところは、明るいことですかね。ふつうに照明が点いてますから、明るいところで眠るのが不得意な人には向かない。電灯つけっぱなしで寝られる人なら大丈夫。
 寝ているのを起こされ職質をされるのが不得意な人にも向かない。


 つづいては、バス待合所。
 最初に使ったのはどこだっけかな、高知県ですかね。木製の、壁にくっついたベンチでした。いまでも思い出せます。

 これはほんと、お薦めです。
 都会にお住まいの方はあまり見かけないでしょうけど、地方へ行くと、バス停があって、バス待合所があるんですよ。屋根と壁とベンチのついた。
 ほかにやっている人をあまり知らないので、マナーとかは知りませんけど、STBと同様だと思います。
 しかしたいてい、終バスはすげえ早いし、始発も遅めなので、けっこうゆっくりできます。
 待合所によっては、サッシ戸がついていたりして、風も防ぐことができます。
 待合所によっては、ベンチに座布団がしいてあったり、廃物なんでしょうソファとか置いてあったりします。寝やすいです。
 待合所付近にはたいてい街灯があるので、ほんのり明るい。
 なかにいても、ほぼ気づかれない。基本的にそういう地域では、夜中に徒歩の人や自転車の人はいなくて、自動車がたまに通るだけであり、自動車だってまさかバス待合所に人が寝ていると思わないだろうから気づきもしないでしょう。(もちろん自転車も待合所にいれます)
 もし悪い輩にからまれるようなことがあっても、そこはそれ、バス路線です、何分かに一回は自動車が通りますから、大丈夫なんじゃないでしょうか。(そもそも悪い輩が夜中に徒歩でバス停の前を通ることはないと思いますが)

 俺が思うに、いいとこだらけ。

 客観的に考えるなら、車が通るからうるさい、ってことでしょうか。これもまあ、ねむけりゃ寝られます。テレビつけっぱなしで寝られる人なら大丈夫。
 あと、ごくごく限られた待合所ですが、早朝、新聞を配りにきます。その地域に向けた新聞のタバを置きに来るんです。まあでも、怒られたことはないです。

 俺としては、おすすめですね。
 光が外にもれないようなら、火をおこしても大丈夫なんじゃないでしょうかね(自己責任で)。


 廃車、というのもあります。あります、というか他にやってる人を知らないですけど。俺も何回かしかないですけど。
 俺としては、これはもう、せっぱつまったときの非常手段、という感じです。
 昼間、シラフの時に廃車を見ても、泊まれそう、なんて思わないですもん。きたねえな、くらいで。

 しかし屋根のあるものがほかにない、雨が降ってきた、などの状況になると、廃車が一気に宿泊予定地リストの上位に食い込んでくるんですね。

 最初に使ったのは、淡路島の廃マイクロバス。見つかったら怒られるのかなあ、と思いつつ、どきどきして寝たおぼえがあります。
 それで、タガがひとつはずれたというか。
 そのあと和歌山で1回、九州で2回ありますね。

 利点は、人に気づかれにくい、ことですか。
 あと、密閉できるので雨風を防げます。
 シートは、やわらかくていいです。

 難点は、まあ、見つかったら怒られるでしょうね。

 俺も、九州が最後ってことは、1996年から使ってませんから、あまり、おすすめできるもんじゃないです。あくまで非常手段としてですね。


 あとは軒下ですか。
 屋根があるだけで風は通りますから、雨だけが防げますね。

 あまりないんですけど、静岡のあたりで1回あったかな。いちおう道路からは死角になるようなところを選んだほうがいいですね。

 あー、あずまや的なところなら何回かあるかな。
 ただ、道の駅のあずまやとかは、すでにテントが張られていたりしますね。早めの場所とりが必要なようです。(つうか、ふつうは夕方くらいからテントを張るものですからね)


 さいごは露天。

 とりあえずベンチがあるところで、寝る、というやつです。
 夏場に何度かやってます。今年(2004年)もやってます。砂浜とかでもありますね。

 とくに利点はないです(砂浜は波の音がうるさいです)。非常手段です。
 どうしても屋根のある所が見つからないとき、ジベタに寝るのは虫とかがいやなので、ベンチなどを必死で探す感じで。

 そういえば、俺は、草むらに寝たこともありますが、それもあくまで非常手段です。正真正銘の非常手段です。


 というか俺、非常手段をよく使ってますね。

 そう、やっぱり、「俺は朝まで寝ない」と思ってるからなんですね。朝まで眠くならずに走れるだろう、と楽観視しているからすぐ非常事態におちいるんですね。


 というわけで、野宿の経験のないみなさま、そしてかぶきさんは、バス待合所をぜひやっていただきたいな、と。

 そして、いくら夏の旅でも、薄手の寝袋くらいは必要だ、ということを、ことし学びました。お気をつけ下さい。


 忘れてました、次回のお題。

 「キャンプ」でお願いします。

 俺はあまりキャンプ経験がないんですけど、野宿なんかよりもずっと楽しいというか気持ちいいですよね。

 なんというか、夜に酒などを飲んで、さびし楽しい感じをじんわり味わう感じが、いいですね。

 では。

※たけながさん、ありがとうございました。次回のテーマは「キャンプ」でお送りいたします。

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