バレンタインデー

今日はバレンタインデーであった。
だが、特にバレンタインデーらしきこともなく時間は過ぎていく。
はっきり言って、私もすっかり忘れていた。

だが、午後3時くらいに、ある一人の女性がチョコレートを配り始めた。
チロルチョコより小さいサイズのチョコレートではあるが、なんとなくうれしいものだ。
それに呼応するかのように、私と同じ部の「顔が左右対称の女性(人妻)」もチョコを配り始めた。
長さ20cmくらいの縦長のチョコレートだった。
このかたは、私を恐れているのか、私が怖い顔をしていたからか、なんだか恐る恐るチョコレートを渡してくれた。

あ、あのkabukiさん、バレンタインデーのチョコレートです…
「あ、ありがとうございます。私にもいただけるんですか。」
もちろんですっ!

私はこの女性をひどい目に合わせたりした覚えはなく、普段も用が無ければ話しかけないのだが、
なんだか極度に緊張していた。というかビビっていた。

そして、
「私とHさんからです」
と言われてチョコレートをもらったのだが、数分前に以下のような会話が交わされていたのを私は知っていた。

「Hさん、チョコレート配るんだけど、私とHさんからっていうことにして配るから」
「えっ。じゃあ、チョコレート代半分出します!いくらですか?」
「いいよ〜。そんなの。」
「いいえ!払います!」
「じゃあ〜…」

そもそもこの会話は私の正面で行われていたので聞こえて当然である。
とにかくありがたくいただいた。

ちなみに私は、会社でもらったチョコレートのお返しをしたことは一度も無いのだが、
世間的には「バレンタインデーは女性が会社内にチョコレートを配らねばならない」というのがあるのだろうか。
私は貰わなくてもちっとも構わないのだが、どうなのだろう。

ま、どうでもいいのだが。


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