魔のクリスマス

今年は…いや、今年もクリスマスだというのにちっとも楽しくなかった。
まず朝からずっと遠方の客先で仕事、夕方ころ終わって会社に戻る。
あの資料作って、あの人と軽く打ち合わせして、あの人に電話報告して。

まず、フェロモン社員Hから軽くジャブ。

「kabukiさ〜ん、今日クリスマスですよ。帰らないんですかぁ〜。」
「ほっといてくれ」
「待ってる人がいるんじゃないですかぁ〜」

待ってるのは猫くらいのもんだ。
が、なんとなく悔しかったのと、とりあえずやることは終わったため帰ることにした。

「kabukiさん!帰るんですねぇ〜」(ニヤリ!)
「(いちいちうるさいぞこの女)ああ、じゃあお先。」

帰りの電車はやけに混んでいた。
これからクリスマスを過ごすであろうカップルが山ほど居た。

幸せそうなやつらめ。
幸せ光線をさんざん浴び、駅を出たときには、かなり憂鬱な気分になっていた。
帰りにコンビニに寄る。

一応クリスマスだしケーキでも買うか…、と思い300円のケーキを買うと、おまけがついていた。
店員:「こちら、当店からのプレゼントになりまーす」
中身はクラッカーと笛(吹くとびろーんと伸びるやつ)だった。
どうしろと言うのか。

家に帰り、とりあえず笛を使って、猫と遊んでやった。
びろびろ。びろーん。
喜んでいるようだ。良かったな。

そういえば、飲み物を買うのを忘れた。
ケーキ用に紅茶でも買おうと、再び外に出て自販機で紅茶を買う。
戻り際、なんとなく郵便受けを見ると封筒が入っていた。

送り主は私が好意を寄せている女性だ。
開けるとクリスマスカード。
そして、静電気防止グッズ(手首に巻くごむ)が入っていた。
昨日電話したときには、
「クリスマスカード?ああ、でも、今から送っても間に合わないしねぇ」
とか言っていたのだ。

くそう、泣かせる演出しやがって。
…。

ちょっと自分の世界に入ってしまったようだ。すまない。
その後、あまりの感動に猫の上にぼと、とケーキを落としてしまったりしたが、
クリスマス気分は味わうことが出来た。

今年はこれでよしとするか…ということで、今回の日記を終わる。


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