迷子属性を克服する
迷子属性を持つ男
 HOME
迷子
この道は、見たことあるようなないような。

ちょっと時間に余裕があるからと、いつもは通らないルートで東京御茶ノ水の本屋に向かっている。知り合いと合流するためだ。

とりあえず大きな道に出てみようと考えるが、なかなか出られない。まず、自分の位置が把握できないのだ。私の向いているこの方向は、果たして北か南か。目的地に近づいているのか、遠ざかっているのか。

時計を見る。

このまま迷わずにたどり着けばぎりぎり約束の19:00に間に合いそうだ。あたりは暗くなり、私の迷子属性はますます強さを増していた。

さっきも通ったような、初めて通るような道で、約束の五分前になる。もう、どうやったって間に合わない。

知り合いに電話する。ごめん、少し遅れそうだと。

あれだけ余裕があったのに、これは一体なんなんだ。私は自分の迷子の体を呪った。普通の人が皆持ってる、体内コンパスみたいなのが自分には欠けてるんだと思う。

いっそ、医者に「あなたは迷子体質です」と宣言された方がすっきりする。迷子手帳なんかをもらって、待ち合わせの時間に遅れてもそれを見せれば、「持病の迷子が…」と許してもらうことが出来るのだ。

タクシーをとめ、本屋まで行く。時間にして数分、距離は1kmもなかったかも知れない。そんな距離をタクシーで移動する悲しさ。無事に知り合いと合流したが、遅刻したことで少しギクシャクした感じ。

私が悪いのだ。私の、この迷子の体が悪いのだ。

私が、初めて通る道を一度で覚えることはまず、ない。特に誰かに案内してもらった道だと、絶対覚えない。地図を入念に何度も何度も見ながら目的地にたどりついた道も、2回目にはうろ覚えである。ひどい迷い方をすることもある。3回目になって、ようやく70%くらい覚える。だが、私の周りの人たちを見ると、ほとんどの人が1回行けば道を覚えているようなのだ。驚異的である。

私は常に地図を持ち歩いているが、それでも迷子になる。自分の位置と、向いている方向がわからないからだ。ゲームの3D迷路も大嫌いだ。なんでゲームの中でまで迷わなければならないのかと言いたい。

そんな私が、最初に見つけた迷子克服法がこれだ。

迷子属性克服策 その1へ

[HOMEへ戻る] ページTOPへ

Copyright(C)迷子属性を克服する. All rights reserved.