リカバリの罠

リカバリ。
それは復旧の意。
パソコンであれば、Window98とかがぶっ壊れたときに、ソフト等の状態を出荷状態に戻す場合、
「リカバリCD」というものを使用する。

また、ぶっ壊れていない場合でも、何かと不安定な状態になった場合、一旦きれいにインストールしなおすという
場合にも使用する。
私も2000年を迎えたことだし、きれいにインストールしなおそうと思った。

はっきり言って、
不正な処理をしました
というメッセージはかなり癪にさわる。

誰かにおつかいを頼んだら
お金を落としました
と真顔で言われた場合に匹敵する。

謝れ!せめて一言くらい謝れ!
といったところだろうか。

とにかく、インストールしなおそうと思い、あれこれ準備をしていた。
とりあえず自分で作ったファイルのバックアップを取り、
「起動ディスク」というものを作れば再インストールができるらしい。

準備を終え、いよいよCDからのインストールである。
まずは起動ディスクからの立ち上げを行い、インストール用のコマンドを実行する。

ドライブCを初期化しますか?

ううっ、恐ろしい。大丈夫か?本当に大丈夫なのか?
だが、これは超えなければならない壁だ。
私は震える手で、「y」を入力した。
ほどなくフォーマットが終了した。さらばドライブCよ。また会おう。
次に、

CDドライブにリカバリ1のCDをセットし、何かキーを押してください

というメッセージが出る。CDをセットし、Enterキーを押した。
が、その後に表示される恐るべきメッセージ。

リカバリに失敗しました。何かキーを押すと電源を切ります。

吹き出る汗。徐々に早くなる鼓動。
もう一度同じ手順を行った。同じメッセージが出た。
まさか。
さらに同じ手順を行った。同じメッセージが出た。
ちょっとまて。
落ち着け。落ち着くんだ。考えられる原因はなんだ?普段の行いか?
やはり、皆が2000年問題対応で会社待機しているときに遊びに行ったのが原因なのだろうか。

いやまて、そんなはずはない。
そうか、あれだ。
CD-ROMドライブは外付けだから、起動ディスクにCD-ROMドライブ用のドライバというのを入れないといけなかったのだ。
CD-ROM用のドライバの入ったフロッピーを探した。見つけた。

だが、保管の仕方が適当だったためか、そのフロッピーにはあるものが足りなかった。
普通はフロッピーのアタマに金属製のスライド式フタがついていて、磁気面は見えないようになっている。
が、そのフロッピーは磁気面が剥き出しであった。

びくびくしながらフロッピードライブに入れる。
とりあえず通常どおりに中が見れるようだ。
よし、これで必要ファイルを起動ディスクにコピーして、ちょいと設定すればOK…のはずだっ。

それらを行い、再度インストール! 頼む!
シュィーン。カリカリッカリカリッ。
CD-ROMアクセス音とハードディスクアクセス音だ。
良かった…。

気がつけばもう朝の6時であった。
フッ…朝日がまぶしいぜ…。

そのまま夜明けのコーヒーを飲むこともなく、布団になだれ込んで寝てしまったのであった。


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