ゲフー!
会社の帰り、私はつり革につかまって雑誌を読んでいた。
社内は結構混んでいた。
そこに一つの異音。
「ゲフー!」
ゲップだ。背後のオヤジが発したものであった。
ゲップの臭いが漂ってくる。
ゲップの臭いと屁の臭いは酷似していると思うのだが、どうか。
私もしょっちゅう他人のゲップやら屁の臭いをかいでいるわけではないので、ま、イメージなのだが。
あと、シューマイの臭いとも似ていると思う。
どうだろうか。意見を待つ。
ゲップの臭いは向こうの方に流れていき、車内には再び平穏が訪れた。
しかし、それから数分後にまた、
「ぅげふぅ!」
今回はやや遠慮気味なのか、ゲップの最初の方がやや詰まり気味であった。
またしてもゲップの霧が車内を覆う。
正面の窓ガラスに映してオヤジを見てやろうと思ったが、人が多いので誰がそうなのかわからなかった。
しかし、私の斜め後ろに立っている目の細い女性は「うへえ、くせえ!」という顔をしていた。
さらに「ぐぇ〜…ふ! う〜」
今度のは長かった。しかも声つき。
ゲップの濃度増加! 追加ダメージ!
私は目の前の窓を全開にしたい衝動に駆られたが、開けると寒いのでやめておいた。
目の細い女性は、さすがに至近距離でダメージも大きかったらしく、奥の方に移動していった。
だが、そんなゲップでも、会社の女性の強烈な香水よりはマシな気がする。
香水もいいが、ほどほどにして欲しいものだ。
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