会社にて。
隣の席のターヒラさん(仮名)が、しかめっ面をしてブルブル震える自分の携帯を見つめていた。
「まただよー。i-modeメールでコイツ『メルユー』しようとか言ってくるんだよー」
「メルユー? ああ、それはメルトモって読むんですよ。知り合いですか?」
「全然知らないやつだよー。メールだけじゃなくて電話もかかってくるんだよー」
「へえ。面白いからやってみたらどうですか?」
「いやだよー。名前見たら男だしさー。女の子なら良かったんだけどねー」
ターヒラさんはいい年のおっさんだ。
どうやら相手はターヒラさんのことを全く知らないか、誰かと勘違いして
メールや電話を寄越しているらしい。
- 女性のメルトモ探しの絨毯爆撃の一環
- どっかの女の子に携帯の番号を聞いたが、テキトーな番号を教えられた。
といったことが考えられる。
様々な楽しいカウンター攻撃が私の頭に浮かんだ。
1.メールによるカウンター
「ボクもメルトモが欲しいと思ってたところです。 ゴンゾウ」
と返事メールを出してみる。
ただし、相手が本当に男ねらいだった場合には喜ばせてしまう。
2.電話でカウンター1
「ヤマダだ! 今、現場の検証中だから後でかけ直す!」
と言って切る。
3.電話カウンター2
「ガラゴラ? アゲルゲシマキ、パラコッタ。 スンダララ? スンダ! スンダラ!」
(終わりの方はやや怒ったように言う)
思いっきりシブイ声で、「ぬぅ? キサマ…誰だ? xx組の者かっ!?」というのも
面白そうだ。
次に電話がかかってきたら出てくれ、と言われ、ターヒラさんは携帯を私の机に置いた。
私は仕事をこなしながらもワクワク気分で電話を待っていたが、
その日はついに電話がかかってくることはなかった。ちっ。
電話の主にアドバイス。
メールには女の子の名前を名乗っておけば、いい年のおっさんと
めでたくメルトモになれたかも知れません。
女性の方へ。
知らないメールが届いて、送り主が女っぽい名前だったとしても
とりあえず疑ってかかりましょう。
と、中立的な態度をとってみたところで、今回の日記を終わる。
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