冒険:未知の世界に踏み込むこと。

今回は「魚を焼く」冒険をしよう。
晩飯は焼き魚だ。

過去、魚を焼いてみたことはある。
サンマだった。

物事を適当に考える癖がある私は、サンマを丸ごと買ってきて、そのままフライパンの上に載せ、焼いた。はらわたも取らずに。

熱が通るに従い、腹から沸騰したはらわたがどろどろと出てくる様は悪夢のようであった。もう見ていられなくなった私は火を止めた。

火はほとんど通っていない。
部屋には魚臭さが充満していた。

私はサンマを一口二口食べ、廃棄した。廃棄したサンマはうちの猫がどうやってだか引っ張り出して綺麗に食べてしまっていた。

こんな過去の苦い経験を生かし、まずは事前に情報を収集することにした。

ターゲットはサバにしよう。
情報収集を開始する。できるだけ今ある器具で焼き魚をうまく作るには?
部屋には電熱系のコンロがあり、魚焼き器はない。あるのはフライパンのみ。

情報収集した結果、気をつけるべき点は
・魚の水気をとっておく
・当然はらわたをとっておく。
・塩を振ってしばらく置いておく。
・フライパンで焼くときは、脂が大量にでるのでキッチンペーパーでふき取りながら焼く。
・フライパンはよく熱してから焼く。
・フライパンは使ったらすぐ洗う。さもなくば魚の匂いがこびりつく。
・火は遠火で。

よし、行ってみよう。
スーパーでキッチンペーパーと魚を買う。魚は「みりん干し」というのが売っていた。魚の切り身をみりんにつけて一夜干したものらしい。
これならばはらわた取ったり、塩を振らなくてもいいだろう。

一応みりん干魚をキッチンペーパーでくるみ、10分ほど放置して水気を取ったことにしよう。もともと水気は取れてる気がするが。

次にフライパンを加熱する。相当熱くなったところで魚を放り込む。
ものすごいジュージュー音。魚臭さが充満する。

昔、魚が大嫌いだったころに食べた魚の味が蘇る。
生臭いだけの不快な食べ物。口の中に残るイヤな味。

だが、火が通るに従い、魚は素晴らしくいいにおいを発し始めた。
私は20歳すぎてから魚が好きになったが、これは明らかに「うまい魚」へと変化している。ここまでは間違いではないようだ。

魚をひっくり返す。
ぬう、少しこげている。だが、少々こげていたほうが焼き魚っぽい気がする。

と、大量の脂が出てきた。ここでキッチンペーパーが再度活躍する。

吸え!この大量の脂を全て吸うのだ!!
面白いように脂が取れる。

私はしばし脂取りに熱中した。

ここで、さらに魚をひっくり返す。
ちぃい!
こちら側も焦げてしまっているが、一部火の通っていないところがある。

何故だ!何故焦げるんだ!

そうだ、遠火という条件があったが、今回はそれを全く守っていない。
しかし、フライパンで遠火ってどうやるんだ!
どこかで間違えたか!

だが、もう後戻りは出来ない。このまま焼ききるしかない。

結果、焦げの目立つ焼き魚が出来てしまった。
見た目は100点満点で55点というところか。

よし、このサバを試食だ。

ビールを用意し、サバを少し食べる。
うめぇ!
見た目は悪いが、味は80点を送ろう。

サバ食う。うめぇえ。ビール飲む。うめぇえ。

ふと、このサバでご飯が食いたくなった。
ご飯を用意する。

うめぇ。まさに冒険の末、宝を手に入れるような気分。
最高の晩飯であった。

おいしく食べたあとは、すぐにフライパンを洗わなければ。
唯一のフライパンが魚臭くなってしまう。

だがやはり、台所周辺が魚臭くなるのは避けられないようだ。
猫にとっては凄くいいにおいかも知れないな。

今回は予想外にうまいものができた。そのうち七輪で焼いたような、もう「焼き魚!!」って感じの本格的なやつを焼いてみたいと思う。

というわけで、冒険完了!


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