銭湯など、部屋にユニットバスでもついていれば全く縁の無い物だと思っていた。

東京に出てきて10年。
一度も入ったことがない。

そもそも、物心つかない子供のときくらいしか入った記憶がない。

これすなわち未知の世界だ。未知の世界に踏み込む=冒険しなければ!

では、今回の目標は「銭湯行って風呂上りの牛乳をキューッと飲む」としよう。

やっぱ体洗い用タオルとバスタオルは持っていかないとダメだろう。一応シャンプー・リンスも持っていくか。お試し用でもらった丁度いい大きさのやつがある。
まあ、準備はこんなもんかな?
とりあえず、行く気になってるときにゴー!!

最寄の銭湯は歩いて2,3分のところにある。
入り口で下駄箱に靴を入れる。木の板で出来たカギつきだ。
間違えて女湯に入ってしまったらどうしようと思ったが、わかり易く「男湯」「女湯」と書かれており、わざとでない限り間違えることはないようだ。

脱衣場に踏み込む。横を見ると番台があっておばちゃんが座っている。
これが番台か…。
番台でお釣りがあるように入浴代を支払って、お釣りを待っている間に女湯側が偶然見えてしまったらどうしよう、と思ったがどのような手錬の技を使っても見えるようなことはなさそうだった。

しかし、風呂一回で400円というのは高い気がする。

脱衣場には服を入れるためのロッカーがある。カギは輪ゴムつきで、腕につけたまま湯に入れるタイプだ。プールのロッカーによくあるタイプと言えばいいだろうか。

順調にすっぽんぽんになり、洗い用タオルとシャンプー・リンスを持つ。客は5,6人。空いてる。

まずは体を洗おう。
ぬうっ!! 石鹸を忘れた!!

さすが銭湯、洗面器と座る台はあるものの、シャンプーとか石鹸の類は一切無い。

しょうがないので、シャンプーで体を洗う。やけに泡が出た。

よし、湯につかるぞ。
浴槽は3タイプで泡風呂(寝れるやつ)、泡風呂(座るやつ)、薬湯であった。

泡風呂2種を試し、最後に薬湯にチャレンジ。
どどめ色の不気味な色で底が見えない。
成分を確認したが、いつぞやのように唐辛子が入ってて尻の穴が痛くなることもなさそうだ。

入ってみる。

底に足がなかなかとどかない!
ちょっとびっくりした私は声を上げそうになったが、なんとか我慢した。
この風呂、一番深いところが1mくらいはある。

ふむ、最初はちとびびったが、結構いいではないか。極楽極楽。

当然だが、女湯とは天井側でつながっている。若い女の子がはしゃいでいる声が聞こえたらどうしようと思ったが、どう聞いてもお婆さん達の世間話が聞こえてくる程度であった。

その後、頭を洗って、さらにまた湯につかって、脱衣所に出た。

うっ!替えのパンツを持ってくるのを忘れた!!
まあいい、ちょっと我慢して同じパンツをはいて、家に帰ってから再度履き替えよう。ノープロブレム。

そんなことより牛乳だ。

ビンの牛乳を想像していたが、紙パックの牛乳だった。
これは腰に手を当てるポーズが似合わないが、まあいい。ストロー経由で牛乳を飲んだ。
よく冷えていてうめぇ。まさにキューッという感じだ。
満足。

ミッションを完了した私は、再度脱衣所を見回してみた。
扇風機や体重計、「風呂に入るときの注意事項」など、どれもこれも古きよき時代の物っぽい。

なんだかいいものを見てしまったような気がした。

という訳で、「銭湯行って牛乳キューッ」ミッション完了!


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