うちの実家の隣には、祖父と祖母の住んでいる家があり、日曜はみんなで隣に集まり、ご飯を食べるのが習わしだった。

  一家の構成はサザエさんファミリー+ノリスケおじさんだ。当時はタマに相当する犬も居た。私はカツオだった。

  私は子供だったので、食うだけ食うとすぐ眠くなってしまう。
大人たちはお酒タイムだ。

  家に戻るよ、と誰かに起こされ、帰る前におしっこしにトイレに入った。
  家に戻り、ベッドで横になる。下腹部に鈍痛だ。

  なんだと思って見ると、チャックに先っちょを挟んでいた。
  途中で肉というか皮を挟んだあと、チャックは完全に閉められている。なんて無茶をするんだ私は。

  大変だ!

  ちんちんはさんだぁ〜とか、そんなようなことを両親に訴えて、私は救急病院に。

  両親の工夫により、事件の起こった部分以外、ズボンはハサミで切りとられている。先っちょにチャックと少しばかりの布がくっついた状態。
  見方によっては蝶ネクタイをつけた上品なおぼっちゃんだ。

  さすがにそんなおぼっちゃんを丸出しにするとまずいので腰にバスタオルを巻いていた。

  受付の看護婦さんはプッと笑った。

  医者も笑いながら、「お婿さんに行けないぞう」と言っていた。
  私は、お医者さんが言うのだから、ボクはきっとお婿さんにいけないんだ。ど、どうしよう、と本気でビビッていた。
  その宣告どおり、私はいまだにお婿さんに行けてない。

  医者はメスとか麻酔とかは一切使わず、力技でチャックをピッとこじ開けた。

  痛!と思ったときには開放されていた。
  痛みからの解放と同時に、何か大切なものをなくしてしまった気がしていた。

  以上、これは私が気の許せる数人にしか言っていない秘密である。
  こんな秘密まで言ってしまうとは、私もなかなか自分が捨てられるようになってきた。

  こんな私ですが、誰かお婿さんに貰って下さい。


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