今回はデジカメのスマートメディアとかいうパーツがおかしくなったので写真は無しだ。すまない。また、写真がないため、道中の出来事をうすらぼんやりとしか覚えていなくて、いまいちリアリティに欠ける日記になってしまっている。まあ、しょうがないか。 そろそろあったかくなり、自転車での遠出もできそうな季節になった。しかし、私自身は深刻な問題を抱えていた。 運動不足。 冬の間に別に必要ないのに、栄養を蓄えたり、あまり動かずに過ごした結果、自転車での遠出がままならない体になっていた。早い話が太っていた。 今週の土日は土曜が雨で日曜が晴れ。 そんな体をリハビリするために、まずは日帰り冒険をやってみようと思った。 日曜の朝7時に目を覚まし、朝8時くらいまでうだうだして出発だ。今回の装備は折りたたみイス、デジカメ、GPS、ちっこいタオルで、服装はつばの広い探検隊みたいな帽子、風をとおさなそうな薄目の上着、しゃかしゃか音がするズボンだ。 上着は、暑くなっても対応できるよう、なんと袖部分がジッパーで取り外しできるタイプだ。ほんとうに取り外すような場面が来るのか。 出発。実はこの時点で具体的にどこいくかは考えていない。まずはマクドナルドで朝飯だ。自転車をわきにとめ、店に入ろうとして、自転車のカギを忘れたのに気づいた。なんということだ。 仕方が無いので、カギを取りに戻る。マクドの朝飯も食いたいので、持ち帰りでソーセージエッグマフィンセットを買った。 いったん家に帰り、カギをゲットした。マクド朝飯を家で食うのは悲しいので、近くの公園に行って食うことに。自転車で数分程度のところだ。到着。 すぐ横は学校の校庭らしく、サッカーの練習みたいのをやっている。まあがんばれ。イスにするのにちょうどいい岩を見つけて、そこで朝飯を食った。 はとが寄ってきたので、パンのかけらを数個投げる。はとは食った。首を前後に振りながら食った。そして、私が飯を食い終えると舌打ちをしながら去っていった。舌打ちは嘘だ。 ふと見ると、公園内には桜がいっぱいだ。うむ、綺麗だ。そうだな、今回のは桜めぐりツアーということにしよう。道中見かけた桜に、桜だなぁ…とかなんとか思いをはせるツアーだ。 ルートは私の住む中野から青梅街道を西に進む。そして途中桜を見かけたらデジカメで撮って、桜との別れを惜しむというものだ。 自転車はしばらくほったらかしていたものの、順調に動いてくれていた。ありがとう友よ。今回もよろしく頼む。 もう何回も何回も通った青梅街道西方向ルート。どこいらへんが混むとか、抜け道はここだとか、ここで横道に抜けてもむだとか、色々わかっている。 普段はあまり意識してないが、こうしてみるとそこいら中に桜がある。桜は日本の国花だっけか。道端の桜、よその人の庭に咲く桜、なんだか色が濃くて梅なのか桜なのかよくわからない桜、いろんな桜を駆け抜けていく私。 走り始めて1時間、そいつはやってきた。 尻の痛み。 以前は6時間くらいまでは大丈夫だったのに、驚異的な体のなまり加減だ。例によって対処方法は「我慢する」だ。 しばらくは車のがんがん通る青梅街道コースを通っていたが、途中から五日市街道という、遠くに通じてそうな名前の街道に出た。五日市はたしか小学校の社会科の教科書に出てきた地名だが、どこいらへんにあるかは忘れた。まあいいや。 コンビニがあったので、念のためにキットカットというチョコレートとカロリーメイトを買う。通常は飯食いたくても食うところがない、ピンチ!というときに食うのだが、果たして都内でそんなピンチが来るのか。まあおやつがわりってことで。 飲み物はすでに自販機でペットボトルのお茶を買ってある。ふふふ完璧だ。 メインの目的である桜めぐりも順調で、つぎつぎとカメラに収めた。デジカメがおかしくなったのが本当に悔やまれる。ただまあ、私の心の中にはたしかに桜は刻まれているし、この日記を読んだ人から写真が見たいとかいう声があがればごめんごめんと言っておくか、という程度の悔いだ。桜は毎年咲くのだ。 そろそろ暑くなってきた。長袖の上着はすでに袖まくりしてあるが、せっかくの機能だから使っておこう。袖!右分離!左分離!分離完了!右、左と袖のとこのジッパーをはずして、上着は半そでになった。うん、今日は半そでで充分だ。 ゆるい風が吹いてて、それは無風状態の中、私が移動してるから風になってるのかも知れないが、とにかく気持ちよかった。空が青かった。どっかの水路の近くにベンチがあったので、座ってキットカットを食った。 なんだかんだで武蔵野市、西東京市に到達。田無市に入ったところで飯を食うことにした。時間は11時ごろ。焼肉レストラン安楽亭に入る。 去年得た、「一人で焼肉を食う能力」が発動だ。さらに「昼間からビールを飲む能力」も発動しておいた。ああ、運動したあとの飯はうまいなあ。 おいしくおいしくいただいて、店を去った。ちょっとビールが効いていたので、対面の古本屋に入り、マンガを立ち読みした。 とりあえずまた進む。 青梅街道の名前が所沢街道に変わったあたりで、桜がいっぱい咲いているところを見つけた。団地の公園らしいのだが、誰もいない。 その公園は100m四方あろうかという、結構なグラウンドで端っこにはベンチがいくつかあった。そして、そのグラウンドを桜がぐるっと取り囲んでいるのだ。 ここはあれだ、今日の最終到達地点だ。きっと今日はもう、これ以上のものにはめぐり合えまい。 花見し放題、風流の嵐!という感じのグラウンドだったが、だれも花見をするものは居なかった。もったいない、私が花見してやろう。酒は無いが。 ベンチにえらそうに座り、桜を見る。お茶を飲む。 携帯メールで知り合いにメールを送る。 風が吹くたび、桜の花びらがば〜っと舞い、なんだろう、カラオケに行くと流れてそうな映像というか、そんな例えはあんまりだが、ちょっと現実離れした空間ができていた。 そんな空間の後ろの方では、散歩中の犬の糞を処理する飼い主が居たりして、そこだけリアルだった。 眠くなった。顔とか腕に太陽が当たっている。あったかいなあ。 気がつくと、1時間ほど寝ていた。よし、帰るか。 日帰りツアーとしては、まあこんなもんだろう。尻も心配だ。帰りは特に言うような何かが起こることも無く、痛い尻をもぞもぞしながら帰った。 荻窪近辺を通ったとき、ああそういえば荻窪には健康ランドがあったなと思い出し、探したが見つからなかった。くそう、せめて電話番号くらい控えておくんだった。 適度に汗をかいた私が欲しているのは風呂だったのだ。しょうがない、帰ってから風呂入ろう。 だんだん景色が都会になっていくのを見て、ああ、今日はあそこに行ってよかったなあ、と思ったのだった。 とりあえず、次の冒険に向けての第一歩を踏み出したところで今回の日記を終わる。 走行距離は20kmくらい |