子供のころ

昔、母に言われて九州の父方の祖母に手紙を書いたことがあった。
とりあえず、家族スキーにいったばかりであったため、そのことを書いた。

家族みんなでスキーに行きました。
人がいっぱいいました。
ぼくが見ていると、すごい勢いで上から転がり落ちてくる人がいました。
よくみるとお父さんでした。

しばらくして届いた祖母からの返事によると、大層受けたらしい。
「kabuki君の手紙を読んで、私たちは笑い転げてしまいました。」
とあった。私はあったことをそのまま書いただけなのに。
当時の私は素直な子供であったため、「笑い転げる」とは、笑いながら
ごろごろ転がることだと思っていた。
祖母は高齢であるため、そんなことして大丈夫なのかな?と思った。

また、小学校の頃、作文の宿題を出されたので家族で海に行ったことを書いた。

海で泳いでいると、イカのこどもがいました。
ぼくはイカをつかまえて、水中めがねに入れました。
お母さんたちのところに戻ると浜辺で鉄板焼きをしていました。
ぼくはお母さんにイカのこどもを見せました。
お母さんはイカのこどもを鉄板で焼いて食べてしまいました
ぼくは、かわいそうだなと思いました。

この作文は、何かの機会でクラスで発表することになってしまった。
ちょうど参観日だったのかどうか忘れたが、母は大層恥ずかしい思いをしたらしい。

以下のような、子供にありがちな質問を母にしたこともある。
「どうして結婚したら子供が産まれるの?」
母は困っていたようだ。そりゃそうだ、小学生に真実を語ってもさっぱりわかるまい。
かえってややこしいことになりそうだ。
明確な回答が得られなかった私は、子供なりに論理的に分析してみた。

結婚すると、なんらかの化学反応が女性側に発生し、子供ができると仮定しよう。
そうすると、この化学反応が起こるのはどのタイミングであろうか。
以下が考えられる。
1)結婚式をあげたとき。
2)新婚旅行に行ったとき
3)結婚して、一緒に住み始めたとき
色々検討した結果、確たる証拠はないがおそらく2)ではないか、と思われる。

全然論理的ではないが、結婚しないと子供は出来ないと思っていた。
今考えると、ものすごい純真な子供だ。

その後、成長した私はさまざまな情報を得て、この回答を得た。
中学で作文の宿題が出たときは、受けを狙って書きすぎ、うそっぽいものが出来あがった。
手紙はあまり書かなくなった。
そして私は大人になっていったのだった。

たまには子供の心を思い出して、この日記も書こう・・と思いつつ、今回の日記を終わる


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