2005年9月27日 深夜1時30分。
11歳のととっこは死んだ。
乳腺腫瘍ができて、それが肺に転移していたとかで、病院に連れて行ったときにはもはや手遅れだった。
ととっこは飯を食わなくなってた。いつもぱりぽり食ってるシーバにも口をつけない。それどころか、猫缶にさえも口をつけないのだ。呼吸は荒い。ふうふう言っている。そして、かなりやせてきている。
甘えびを小さくちぎってやると、かろうじて食べる。毎日スーパーに甘エビ買いに行くのもなんなので通販で1kg分の甘えびを注文した。その甘えびが届く前にととっこは逝った。
最後は、私の腕にしがみついて、小さく鳴きながら私の元を去った。苦しそうに上下していたおなかも、今は静かなものだ。
俺な。トトが大好きやったわ。仕事に疲れてしょんぼりして帰ってきても、トトがノーテンキに猫缶食ってるの見たら、なんかまだまだ行けそうな気がしとった。
俺、トトにこの11年ずーっと救われ続けとった。お尻ひっぱたいたこともあったけどな、お前のこと大好きやってん。
もっとおいしい海の幸、食わしたりたかったな。
私はバスタオルを布団のようにととっこにかぶせ、語りかけた。新鮮な水と、冷蔵庫に残ってたととっこ用甘えびをととっこの前に置いて、私はコーヒーを飲んだ。
お疲れ様。どうも、ありがと。
私は何回か顔を洗いに行きながら、最後の挨拶をした。泣き顔で居たら、ととっこが安心して逝けないからだ。
コーヒーをすすりながら、甘えびを食った。ととっこの好物だけあって、うまい。コーヒーには合わないが、うまい。
ありがと。さよなら。
私は、ととっこに、ととっこ宛の手紙を書くから待っているように伝えた。そして今、これを書いている。ととっこに向かって読み上げた。ととっこに届いたかどうかはわからないが、これでさよならの挨拶を終わりたい。
11年間、私を救い続けたまんまる目の猫。その名はととっこという。
▲私を11年間救い続けた偉大なるととっこ団長
ととへ。
じゅういちねんもわたしをあいしてくれてありがとう。
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