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ととっこは、私と目が合うととりあえずにゃーと声をかける律儀なやつである。
腹が減ったときには勢いよく、んなぁー!めちゃめちゃ嬉しそうな顔で、んなぁー!である。わかりやすいのである。
テンションが低いときは、聞こえるか聞こえないかぐらいの声で目を閉じてにゃー。 考えてみればこのパターンぐらいしかない。たったこれだけで私に意思を伝えてしまう、大したととっこなのであった。
ある日、外にカラスが来てぎゃあぎゃあと鳴いてた。うちのベランダから見ると、正面の家の屋根にとまって鳴いているようだ。ととっこが、そろそろと警戒しながら窓際へ移動し、カラスを見つめる。
はぎゃっ。はぎゃぎゃっ。
警戒した態勢で、変な声を出すととっこ。おびえた子犬のような声である。
猫にしてみれば、カラスはでかくて、硬いくちばしを持っていて、かなり怖い存在と言える。
いいか気をつけろ、あいつはおそろしいやつなのじゃ、と伝える村の賢者のような面持ちでととっこは奇声を発し続ける。私は、完全にカラスに気を取られているととっこのおしりを、人差し指でつん、とつつく。
ととっこは飛び上がって、部屋の隅に隠れる。
そ、そんなにびっくりするとは思わなかった。悪かった。
カラスだけは大嫌いな、ととっこ団長なのであった。
▲カラスが嫌いなととっこ団長
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バイオミックス実験室
強烈な猫のおしっこ臭を
じわじわ食べていく微生物剤を使って色々実験しています。
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