ことっこは、白をベースに、三毛模様とキジ模様がまじった、カラフルなやつである。
鼻はところどころ黒く、どうせならオールピンクか、オール黒の方がいいのだが、まあ、そんなことは些細なことである。性格はというと、結構気が強く、ねずみのおもちゃを独占して、うーっとうなったり、初めて食ったうまいメシもぱくっこに食われないよう、うーっとうなったり、体格の大きなぱくっこに突撃していったりする。
けれど、割と気軽に私のそばにきたりする、順応性の高いやつなのだ。最近は、私が顔を近づけてもうなったりはしない。
そんなことっこを今日もじゃらして疲れさせ、寝ている顔を観察していた。
ことっこは、頭をなでようとすると嫌がる。まあ、頭を巨大な手でつかまれるんじゃないかと思うと怖いのも無理はない。私だって、同じ立場なら怖いのである。
だが、眠っているときは警戒感がゆるくなる。私は額をなでてみたり、背中をさすったりした。のどの下もなでてみたが、特にごろごろ言う気配はない。そういえば、まだととっこ団がごろごろ言うのを聞いたことがない。
ふと見ると、ことっこの鼻の模様が立体的に見えた。目の錯覚だろうか。アートのような、だまし絵のような、巧妙な模様なのだろうか。
私はそっと触れてみる。硬い。立体的に見えるのではなく、本当に立体的なのだ。つまんで、そーっと引っ張ってみる。とれた。
なんと、ことっこの鼻の模様に見えたそれは、ハナクソであった。
先日、家具の裏に入り込んだ際に、ほこりが付着して鼻水でそのまま固まってしまったものなのだろう。私はハナクソを捨て、少し美人になったことっこの顔を眺めた。
いい顔してる。
私は、ことっこの鼻まわりをそーっとさわり、他にハナクソがついてないことを確認した。ことっこは、ハナクソがついてようがとれてようが、別にそんなことはどうでもいいという顔で眠るのだった。
▲ハナクソの取れたことっこさん
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