ととっこ団(こと&ぱく)がうちにきてから、そろそろ半年近くなる。
当初は私をこわがっていたととっこ団も次第に私に気を許すようになってきた。私がせまい台所に立つと、二匹はしゅるしゅると私の足元に背中をこすりつける。
私がトイレに入って出てくると、中で何してんのというような顔をして、ドアの外で待ち構えている。
暴れまわるのをこらっと叱ると、ころりと横になっておなかを見せる。
テレビを見ている私の後ろで丸くなって寝ているときもある。
そう、ここはととっこ団たちの我が家なのである。もっとくつろいでくれたまえなのである。
当時、ととっこ団長は私が寝ようとすると私の左腕を枕にしてごろごろ、ごろごろとのどを鳴らしていた。右腕の方には決して来なかった。もし聞けるなら、なんで右腕の方には来なかったのと聞いてみたいが、それはかなわない。
ととっこ団たちは、さすがにまだ私の上に乗って寝たりはしない。ある日、近くで寝ていたことっこの横に、私は手のひらを上に向けて床に置いてみた。
ことっこはあくびをして、何でもないふうに私の手のひらに頭を乗せる。
ああ。
私は、ことっこがびっくりしないようにひそかに感動した。安心しきった猫が私の手のひらを枕に寝ているのだ。ことっこの頭は小さくてふわふわしていた。猫っぽく、にっこりしたような表情で寝ている。
ことっこのにっこり顔を見ていたら、私も眠くなってきた。約30分後に目を覚ました私の手のひらには、まだことっこが居た。
ちっとも目を覚まさないので、ことっこの後頭部のにおいをかいでみた。猫の後頭部はなかなか猫くさくて良いものだ。ととっこ団長のときから、何かのにおいに似ているけどなんだろうと思い続けていたのだが、ふと思い当たった。
食パンの耳のにおいだ。
ことっこはまだ目を覚まさない。どうしよう、トイレに行きたくなってきたが、このまま手を引き抜くのは忍びない。
くすぐり起こしてみようかと考えていたら、外をぶおんと音を立てて車が通り、ことっこが目を覚まして去っていった。なんだよ、もうちょっとくらいだったら寝ててもいいのに。だらしない格好で少し離れて寝ていたぱくっこが一瞬こちらを見て、再びぐでっと寝た。
お昼寝大好きととっこ団なのであった。
▲おひるねととっこ団
▲当時のととっこ団長ねむた顔
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