先日、玄関に脱いだ私の靴に、飼い猫のトトがおしっこをしてやがった。
靴からはすさまじい刺激臭。
猫のおしっこのにおいだ。
おしっこされた靴を、洗濯機でぼろぼろになるまで洗ったこともある。
いろんな消臭剤も試したし、酢につけてみたこともある。
しかし、どの方法も全く歯が立たない。
猫のおしっこがかかった物体は、例外なく、捨てることになった。
だが、今回は違う。ちょっと面白いものを見つけたのだ。
微生物パワーのアンモニア消臭剤
なんか方法はないのかと思って、ネットで探し回ってみた。
で、「微生物の力でアンモニアを分解」するという粉を発見。ダメもとで買ってみた。
▲ペットの友達と名づけられた粉
微生物の力で分解する、というのが新しいではないか。私はとりあえず、そういう新しい方法が好きだ。失敗することも多いけど。
もともとは、食堂だとかレストランの排水溝に詰まった油とか汚物とかを分解掃除するのに使われていたらしい。(油が流れないようにする仕組みを、グリストラップという)。
それが、予想外の威力を発揮したため、養鶏場や養豚場のニオイ消しに使われるようになったそうだ。
そして、一般の人向けに、ペット用としても販売されているようだ。
養豚場のニオイって消えるもんなのか?
使い方は、40度ぐらいのお湯にこの粉を5振りくらいふりかけ、30分置いてから霧吹きなどで対象に振り掛ける。
▲霧吹き(再利用)に粉を入れ、お湯を詰めた。
霧吹きにバイオ液を入れる使い方は、こちらにまとめた。
関連)バイオミックスの使い方
30分で微生物たちが活動を始め、うじゃうじゃ増えていくらしい。
ちょっと気持ち悪いが、とりあえず霧吹きに入れてみた。
茶色い、にごった液体が出来上がる。なんか汚い。本当に効くんだろうか。
消臭にかかる時間は?
猫のおしっこがかかり、強烈なニオイを発している靴にたっぷりと吹きかける。
くんくん、うへぇ!臭い! 即効性はないようだ。
微生物がにおいを分解するまで、数時間かかるらしいので待ってみる。
待っている間、ひまだったので、玄関や猫のトイレにも霧吹きしてみる。
腹が減ったので外に飯を食いにでかけた。 5時間ほど経過。
靴のにおいをかぐ。
バイオミックスの効果
あれ、なにこれ。においが取れている。
あっけないくらい、においが取れてしまっている。
いや、これもう、最初からニオイなんかなかったんじゃないの。
現実感がない。恐ろしい消臭効果であった。
私としては、そこそこにおいが取れてるけど効きませんでした、という予想をしていた。
予想外である。
消臭剤のように、ほのかなレモンのニオイだとか、消臭剤特有の粘土くさいにおいも全くしない。
ニオイがなくなってるのだ。気のせいかもしれないが、草っぽいニオイがするような気がした。
今まで捨てた5足の靴たちが悔やまれた。
なんでこれ、そのへんのスーパーやホームセンターに売ってないんだろう。
というか、宣伝してなさすぎじゃないか。
私は10年以上、猫のおしっこ臭に苦労したが、出来ればそんな苦労はしたくなかった。
ニオイがとれて嬉しいのだが、なんだか悔しいような複雑な気分である。
革靴消臭の結果
判定:革靴から、完全におしっこのにおいが消えた
経過時間:5時間
うちの猫はしつけがなってない。
というか、しつけてない。
うちの猫が再度、私の靴におしっこをした。
それもご丁寧に、外出用スニーカー、外出用(ちょっと上品版)、会社用の三足におしっこしやがった。靴の内部にである。
唯一無事だった会社用の靴その2も、靴の裏におしっこがついており、かなりの臭い。
出勤時に気づいたので、仕方なく「無事だった」靴を履いていった。靴の裏は無事ではなかったが。
ねこのおしっこ臭は毒である。あれを一日中嗅いでいるとわかるが、気分がわるくなる。頭痛がしてくる。さらに、「あの人おしっこくさい」と言われるんじゃあないかと、精神衛生上もよくない。
「おしっこをもらした人」などという噂がたってしまっては、今後に人生に大きな影響がある。小学生の頃と違って笑い話ではすまないのだ。恐ろしいことである。
「もらしたのは私じゃない!」と必死になって弁解すればするほど泥沼である。あり地獄である。かわいそうな人扱いである。
幸い、私にはバイオミックスがある。ねこのおしっこ臭が完全消去できることは実験済みだ。怒りに任せてねこを怒鳴りつけることもするまい。
ただ、猫にしてみれば、
「玄関という場所はおしっこをしても次の日にはキレイになっているという、快適なトイレ」
という認識が出来上がっているのではないか。おい、やめろ。違うんだ。
まずは、被害にあった3足の浄化だ。いや、無事だったけど足の裏からおしっこ臭のする靴も合わせて4足だ。
4足を風呂場に持ち込み、お湯をかける。特におしっこの染み込んだ内側にシャワーでお湯をかける。何度かゆすいでみる。この程度ではおしっこ臭は全く取れないのは経験済みだ。
次に、靴の内部にバイオ液をたっぷりと振り掛ける。
そして、熱めのお湯を靴の内部を満たすような感じで入れる。シャワーでざーっと注ぐような感じだ。
このとき、お湯をあふれさせてしまうと、バイオ液も流れ出てしまうのでちょっとだけ注意が必要だ。
ずらりと並んだおしっこ靴たち。異様な光景だ。
そして、風呂場にはおしっこ臭がただよっている。靴の内部に閉じ込められたおしっこが、今まさにぐわーっと開放されているわけだ。頼みのバイオ液は、効くまでに少し時間がかかる。
風呂場のドアを閉め、天に祈りながらおしっこ臭が消えるのを待つことにしよう。
翌日。おしっこ臭は消えている。
さすがである。こと、おしっこ臭に関してはバイオミックスは無敵だ。
あとは、お湯でざっとゆすいで乾かせばOK。なぜゆすぐかというと、バイオ液が乾くと茶色く汚れたようになるからだ。これは水かお湯で流してやればすぐ落ちる。
さて、今回はちょっとした裏技を使って靴を乾かそう。たしか、伊藤家の食卓か何かで見た技だ。
クリーニングをするともらえる、というか、服についてくる針金のハンガーがあるだろう。あれを用意しよう。
私の部屋には針金ハンガーが掃いて捨てるほどある。事実、ときどき掃いて捨てているくらいだ。
それをこんなふうにぐんにゃり曲げる。
▲ぐんにゃりまげた針金ハンガー
曲げたら、それを靴にすぽっとはめてみよう。
▲すぽっとはめる。
あとはこれをこのまま風通しのいいとこに引っ掛けとけばいい。ある程度乾くまでは水がしたたりおちてくるので風呂場に、ある程度乾いたら別の場所に移動させると良いだろう。
結果は最初の実験と同じだが、一応まとめておこう。
まとめ:
期間:2日
結果:靴4足のおしっこ臭が完全に取れた。
再度うちの猫が玄関におしっこをした。
今回は靴ではない。さすがの私も警戒して、靴は高い位置に乗せておくようにしたので、靴は無事だ。今回のターゲットはサンダル。
そろそろ暑くなってきて、サンダルで出かけることも多い私だ。かかとのところを固定することができる、ちょっと高級な…といっても5,000円以下で買えるのだが、割とお気に入りの赤いラインが入ったサンダルである。
今日は天気もいいし出かけましょうと、サンダルを履いた瞬間、ぺちゃり、と湿った音。もう一瞬でわかる。湿度が多くて湿っていたなどというにはあまりに大量な、水溜りが出来るほどの液体がサンダルに振り掛けられていた。
これは怒っておかなくてはならないだろう。
ティッシュで足の裏をふいた私は、猫に詰め寄り、至近距離で「おしっこ…したな?」と聞く。
んな~。
「んな~、じゃない。おしっこ、したな?」
んな~。めんどくさそうに立ち去る猫。
私は説教するのをあきらめ、サンダルの処理にかかった。以前はおしっこがかかった瞬間から廃棄確定だった履物も、バイオミックスが手に入ってからは再生可能なのだ。
このサンダル、一部に布が使われている。洗面所に持って行き、まずは、大まかなおしっこを流すためにお湯をじゃーっとかける。まあ、数分ぐらいかけ続ける。
さんざんお湯をかけて匂いをかぐと、おしっこの匂いは取れたように思えるだろう。しかし、乾かすと匂いが復活する。履いていると足の匂いで温度があがって、物凄い匂いが立ち上って気分が悪くなるのだ。だまされてはいけない。
バイオ液をちゃっちゃっと振りかける。泥水をぶっかけているようで気が引けるかも知れないが、とにかく振りかける。けちけちしないでたっぷり振りかけた方が良い。かけすぎても、怪獣みたいな虫がわくとか怪奇現象が起こったりしないので安心してほしい。
私は、サンダル全体がびちょびちょになるまで、というか、お湯ですでにびちょびちょだが、全体にかかるように振り掛けた。
しばらくおいとく。
10分後、おしっこの魔臭が復活している。おしっこのにおいに支配された洗面所だ。バイオミックスの活動開始にはもう少しばかりかかるのだ。
数時間後、おしっこ臭のかわりに、なんというか植物っぽい臭いがすると思う。OK。後は乾かせば再生完了だ。
私は猫のところに行き、お仕置きのつもりで額を人差し指でぐいっと押した。猫が一瞬面白い顔になり、前足ではたかれた。
よし、今日はこのへんで勘弁しといてやる。
今日も私とねこの関係は、まあまあ良好である。
効果:効いた。
時間:3~4時間
バイオミックス、バイオミックスと言っているが、いったいどーゆーものなんだろう?
▲バイオミックス
左の黒い固まりが、バイオミックスである。拡大してみよう。
▲バイオミックス拡大図 ドギュン(拡大する音)
見ての通り、目の細かい土そのものだ。第一印象は良くなかった。というか、最悪だった。
当然ながら、白い布などにこのままバサッと振りかけると汚れる。
においは消えるかも知れないが、汚れる。
単なる砂じゃなく、バチルス菌という微生物が入ってる。
もぞもぞ動いたりはしていない。
もし動いてたら、私だって、うわあ、と悲鳴を上げて放り出している。
もっともっと、小さなものが見える顕微鏡で見ればどうかわからないが、ひとまず安心だ。
世の中には見えない方がいいこともある。
とにかく、バイオミックスの実体は微生物の入った黒い砂で、直接振りかけると汚れる、ということを知っておこう。
このままだと扱いづらいので、次は、容器を自作してみよう。
公式サイトを参考に、バイオミックスを入れる容器を作ってみた。
公式サイトの言うままに作った。
これは、悪臭漂う空気中のニオイを除去するための入れ物である。
▲まず、プリンを買ってきて食べる。今回は「たっぷりおいしいプリン」を買ってきた。
しゃぶっしゃぶるるっ(食べる音)
プリンの容器をよく洗い、中にバイオミックスを1cmくらいの深さまで入れる。
▲バイオミックスは細かい土のような形状。なんじゃこれ、と思いながら入れる。
アルミホイルでふたをし、つまようじでぽつぽつと空気穴を開ける。
▲アルミホイルでフタ
なんかビンボーくさいビジュアル。
▲つまようじで穴をあける
うわ・・・。
さらにビンボーくさいビジュアル!
そのまま部屋の中に置く(空気の流れがある場所がよい)
※プリン以外の似たような形の容器を使っても全く問題なし。
▲プリンの食べ過ぎに注意しましょう
入れ物作るためだから!という大義名分があるので、プリンの食が進みまくった。
見た目がもう、独身男の汚部屋に配置してある謎グッズのよう。
汚い。
とても汚い。
「ヒィェアッ!?」と悲鳴を上げてページを閉じるみなさんの顔が目に浮かぶ。
見た目が耐えがたい…というあなたは…
↓こんな感じの容器をホームセンターなどで探してこよう。100円均一ショップにもあるかも。
キッチングッズの、おかず保存用容器だ。こいつのフタに穴をあければ、見た目はだいぶマシになるんじゃないだろうか。