静電気の季節である。素手で金物に触れたりすると、バチッとくる。
いまいましい。
これは体質なのであろうか。
「電気がたまりやすい体質」これはちっとも嬉しくない。
体質を改善するためには、野菜を大量に食べればいいだろうか。
体質改善の方法でも、電気防御法でもいいから知ってる人は教えてください。ほんとに。
夕方、もう就業時間も終わろうとしている頃、
私は本日4度目くらいの静電気を食らっていた。
トイレの正面にあるロッカーに触れたときであった。
あんまり腹が立ったので、
「くそったれがっ!」
と毒づいていたところ、
ちょうどトイレから人が出てきて怪訝な顔をされた。
いやあの、あなたのことじゃないんです・・。
静電気を食らう度にテンションが下がっていた私は、もう限界を迎えていた。
今日は就業時間が終わったら、即帰ってやるからな。
幸い、今日やるべき仕事はすべて終わっている。
後は月曜日の私に任せよう。今日の業務は終了だ。
私の会社は就業時間が終わるとチャイムがなる。学校みたいだ。
チャイムが鳴り終わると同時に、私は席を立っていた。
上着を取りに行くため、ロッカーへ向かう。
途中、ノームさんが横幅の広い事務の女性と話しこんでいた。
その後ろを通り抜けようとしたとき、
鉄製のウォールキャビネット(ファイル等を入れておく棚)に触れた。
ばちっ。
「うっ」という声を発し、私は飛びのいた。横に。横にはノームさんの背中。
相変わらず至近距離で話し込んでいるノームさんを背中から押せば、
横幅の広い事務の女性とノームさんとのラブシーンとなってしまう。
それだけは避けねばならない。
私はDDRで鍛えた足腰で、無理やり方向を変えた。
すなわち、ウォールキャビネットに向かって再度飛び跳ねたのだ。
がん、という大きな音がオフィスに響き渡った。
ご近所の注目を浴びてしまっている。
私は逃げるようにロッカーから上着を引っ張り出し、会社を後にしたのだった。
静電気を防ぐ方法を切に願いつつ、今回の日記を終わる。
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