最近読んだマンガ「喰いしん坊」の勢いがすごかった。
邪道喰いとは?
邪道食いはよせーっ
フードファイトのため、「とにかく量を食えばいい」という敵側勢力の態度に怒る主人公。食べ物に対する、また、料理してくれた人に対する敬意を忘れてはいけないと憤る。
大食い漫画「喰いしん坊」
謎の熱さがある、フードファイト漫画。
喰いしん坊!(試し読み)
フードファイトの師匠のいでたちがムダに面白い。
師匠が腹一杯になって、決め顔で30分ほど公園で休ませてくれ…とつぶやくのが面白い。
いつもサングラスかけてる感じの師匠(ハンター錠二)は、途中の回であっさりサングラス外す。主人公は「そんな顔だったのか」っていう反応。なんで外した。
大原満太郎(おおはらまんたろう) グルメ好きの会社員だったが
主人公。当初はタダのグルメ好きの会社員で、「これくらい食える」とカツ丼3倍食べたら無料チャレンジに挑んで、盛大に失敗。
そこで師匠の、ハンター錠二と出会う。
大食いだけど、食べ物にある種の敬意を払っていて、ちゃんと味わって食べることをモットーとしている。
後に、フードファイターとして覚醒して、人格が変わってしまったけど、覚醒前のおっちょこちょいキャラのほうが好きだったなぁ。
ハンター錠二の二丁食い
プロのフードファイターで、箸を2つ使ってラーメンを空中で冷ましながら食べる「二丁食い」の使い手。
映画化のときの、見るからに笑わせに来ている感じと違って、物語中では、静かに、かっこ良く、淡々と技を繰り出して早食い勝負に勝つ。そして、その様が最高に可笑しい。
真面目にやってるのにおかしい。この境地が本当に好きだ。
例えば、キメ顔でこんな風に言うのだ。
え、湯豆腐を丁で?というツッコミを読者がせずには居られない。
ただ、個人的には二丁食いは一種の邪道喰いのような気がする。ラーメン屋でそんな食い方してる人がいたら、「おいおい、行儀悪いな…」と思ってしまうかも。
悪食三兄弟
フードファイト目的ではなく、素で「好きだから」という理由で「カレーとぜんざい」「ラーメンとショートケーキ」など、周囲の食欲を消失させる組み合わせを混ぜ食いする。
3兄弟が全員、食の嗜好性が狂っている理由は、幼少期の食生活にあったとわかり、最終的にけっこういい話に仕上がっていた。
喰いしん坊の実写化 2014年に映画化 萩原流行が出演
2014年に映画化されてた。
こちら↓
ああ、そうそう、こんな西部劇の日本人みたいな怪しい人が師匠。絵面はめちゃくちゃだけど、萩原流行というチョイスは、秀逸であることを言っておきたい。
邪道食い
憎めない坊主「空念」のセリフ。
この漫画では、フードファイトという勝負の場において、効率のみを追求した邪道喰いに、いかにして正当に勝つかというのがテーマになっている。
邪道喰いとは、主人公属する「丹下フードファイター」という勢力に敵対する、大阪食い倒れフードファイターのメンバーが繰り出す技。
料理人が見たら激怒する、周囲の人の食欲を失せさせる、行儀の悪い食い方のことである。
横川 安男のドンブリ食い…ドンブリに料理と水を混ぜてぐっちゃぐっちゃにして、流し込む方式。
桂三四郎のうな茶…うな重に茶をかけてすすり食う。
富津 政の万力食い…ハンバーガー4個をすごい握力で小さく圧縮して食う。
尾暮 太郎のスッポン食い…なんでもかんでもミキサーを使ってドロドロの液状にして流し込む最悪の邪道喰い。
本来、そういう邪道技を使わなくても、みんな大食い。メンバーの高丘 桃子は、勝負でもなんでもない場で、こんなことを言っていた。
そんなに在庫ねえよ。注文のケタがおかしいだろ。
基本、敵側の人の名前は大阪の地名や、吉本新喜劇の芸人の名前をもじったものになっている。
そして物語の大きなテーマ。VS邪道喰い。どうやって勝つのか。
邪道喰いVS正統派大食いのフードファイト漫画
フードファイトだからって、食えれば何したっていいわけじゃないんだ!(主人公側)
何言うてんねん、食えたらなんでもええんや(西の軍勢)
そんな戦い。
敵側は、主人公側を妨害するために、料理に唐辛子を大量に入れてきたりする。
コントかよ、というシチュエーションを大まじめに最後まで描ききる。全員真剣。そこが最高におかしい。
「謎の才能」とかじゃなく、理論の積み重ねで凡人がのし上がっていく大人マンガ。
意外と燃える。
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喰いしん坊! 作者は土山しげる。
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