うーい。
私はたまに、酔っ払って帰ってくる。酔っ払うと、何故かケーキと猫缶をおみやげに買って帰ってくる。ケーキはもちろん、自分が食うためである。猫缶はととっこ用である。
そんな酔っ払いを見て、ととっこはけげんそうな顔をする。少々警戒しているようだ。
私の口のにおいをかぐ。アルコール濃度検査のようである。しばらくすると、ととっこは、何かわかったような顔をしてくつろぎだす。さっきまでの、ちょっとした緊張がなくなっている。
ととっこは、私のことを見た目とにおいで認識しているらしい。
こいつ、姿は同じだが、においが違う。何か別のやつが化けているかも知れないぞ。
そんな感じである。もしも宇宙人が私に化けてやってきても見破るかも知れない。見た目検査とにおい検査を通過した私は、ようやくととっこに認証される。認証された私は猫缶を開け、ととっこ皿に盛る。ととっこは食う。そして寝る。
酔っ払った私も寝る。ととっこを小脇に抱えたような格好で寝る。
次の朝、二日酔いの強烈な頭痛に襲われている私を、ととっこは容赦なく起こすのだった。
▲前足を伸ばしたととっこ団長
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