ぱちっ。
冬はドアの取っ手なんかで静電気が発生していやな感じである。体質なのか、別に金属でもなんでもない机の上なんかで、ぱちっと静電気を起こしてしまう、訳のわからない私であった。
ととっこはと言えば、毛のかたまりのくせに静電気に苦しんでいる様子はない。下敷きをこすりつけた髪の毛のように、静電気の嵐が起こっていても不思議ではないはずなのに平気顔である。
ととっこは、いつものように気が向いたら私のところにやってくる。私の手に顔を近づける。
ぱちっ。
ととっこの顔と、私の手の間で何かがはじけた。静電気である。
ととっこは、うわっ、今の何？という顔をして一瞬驚くが、また顔を近づけてくる。
どちらかというと私の方がびくつきながら再度手を近づける。今度は何事もなく、私の手はととっこの頭に着地する。目を細めて、ぐろろろー、ぐろろーとのどを鳴らすととっこ。
静電気もあまり怖がらない、大したととっこであった。
びくびくしながらドアの取っ手を触って、やっぱりビリッと来て、うわあと叫ぶ私は、ついつい感心してしまうのだった。
▲静電気が発生しやすそうなととっこ団長の顔
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