ととっこは何回かトイレに連れて行っただけで、トイレの場所を覚えた。大したものである。
トイレの場所がわかっていても、夜中に怖くておねしょしてしまったりしていた私の子供時代を思い出すと、尊敬してもいいぐらいだ。
ととっこのトイレはドーム状になっている。猫砂の入った受け皿に、半透明の高さ20cmほどの屋根が乗っていて、さらに入り口がついてる。入り口は開閉式になってて押せば開くようになっている。
この入り口、中に入るとぱたんと閉まる。もちろん押せば簡単に開くのだが、何かの拍子に入り口がひっかかって開かなくなったことがあった。用を足し終えたととっこは驚愕する。
出口をふさがれた。ピンチだ!ピンチだ!
ととっこは、どこにそんな力あんだというくらい力強く入り口をぶち破っていた。正確に言うと、簡単に取り付けられていただけの入り口だったので、ぽろりと取れてた。
人間でさえ、たまにトイレに閉じ込められてレスキュー隊に助けられたりしているくらいである。私は入り口を撤去した。撤去してからも、ととっこはトイレの間中、トイレの入り口から外をじっとにらみつけ、入り口が勝手に閉まらないように監視することにしたようだ。
ととっこのトイレ掃除は私の仕事だったが、徐々にさぼりがちになった。トイレの中には徐々に汚れてくる。
大したもので、ととっこは私の顔を見て、んなぁー!と訴えかけてくる。トイレを掃除しろというわけだ。
けど、当時の私は馬鹿だったので、そうかそうかようしよしとととっこの頭をなでたりした。甘えていると思ったのだ。
ととっこは、んふぅ、とため息をついて部屋をうろうろしだす。私は寝転んでテレビなんかを見ている。部屋には、ととっこがお気に入りの家具のすき間なんかがいくつかあるが、そのうちの一つにととっこが身を滑り込ませた。
猫は狭いところが好きだなあ、と思いながら体勢を変えると、ぴちゃりと湿った何かを尻で踏んだ。
それは私が脱ぎ散らかしたTシャツで、なんでだか濡れてた。臭うと刺激臭がして、それがととっこのおしっこだとわかるまで少し時間がかかった。
私はこら!と怒ったものの、汚れきったトイレで、でも、めちゃめちゃおしっこがしたくて、せめて被害を抑えるために水分を吸い取る布の上でやってしまったととっこの気持ちを思うとすまない気分になった。
その後、私がトイレ掃除をきっちりやるようになったかというと、そんなことはなく、たびたびトイレを汚れたまました。ととっこは布状のものを見つけておしっこをした。猫なのに一本、スジが通っているような気がした。
私は、効果的なおしっこ臭消臭剤を手に入れるまで、様々なTシャツやスーツ、靴などと別れを繰り返してきたのだった。
▲ちょっとりりしいととっこ団長
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