ととっこ団通信
ととっこ団つめをきられる
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ととっこ団つめをきられる
 猫のつめきりは、難易度Aである。

 以前飼っていたととっこ団長は、比較的おとなしくて抱き上げても全く抵抗しない、もっと言うと、抱き上げることで何かのスイッチがオフになってんじゃないかというぐらいおとなしくなるやつだった。そんなととっこでも、つめを切るときはちょっとイヤイヤしていたのだ。鋭利な刃物で、たとえ爪とは言え、身を切られているのがちょっと怖かったんだろうか。

 さて、ととっこ団(こと&ぱく)も、そろそろ爪が伸びてきて切らないといけないのだが、まだまだ私に慣れていない。

 だが、私にはととっこ団長が残した、というか、買ったのは私だが、猫じゃらしがある。こいつでじゃらしていると、ととっこ団は一定時間の間、私に気を許すのだ。

 しゃかしゃか振る私、低い体勢から数度足踏みをして飛び掛るととっこ団。楽しく遊んでると、みんな友達のように錯覚するという現象なのか、私の「手」に対する警戒が弱まるのだ。

 まずは、充分じゃらしたことっこをつかまえて、爪を切る。ぱちん、ぱちん、よし、3本まで切ったぞ。そこで、ことっこが急に正気に戻り、じたばたする。こら、もう少しだからおとなしくしてなさい。じたばたじたばた。ええい、しょうがないもう片方の前足に行こう。こちらも、3本までは切れた。けど、ことっこはふたたび暴れだし、逃げた。

 まあ、何事も最初からいきなり完璧を目指すのはよくないだろう。つづいて、ぱくっこである。ぱくっこは、ことっこよりも私を怖がっているが、猫じゃらし効果で警戒を弱めてつかまえる。

 ぶにゅっ。ぱくっこは肉がつきすぎである。私が「ぱくっこ」などと名前をつけたせいで、メシをぱくぱく食べる子になったのだろうか。言霊が宿ったかのように、触ってると気持ちいい体型のぱくっこであった。

 ぱくっこも、しばらくはおとなしく爪を切られている。ぱちん、ぱちん。だが、途中で何か怖いことをされているのではないかと不安になるのか、暴れだす。結果、右二本、左三本の爪切りに成功する。親指は二匹ともすごくいやがる。

 初めての爪切りにしては上出来の、大したととっこ団なのであった。


▲じゃらされると油断してしまうことっこさん(下)とぱくっこさん(上)

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