今日、ととっこ団(こと&ぱく)の不妊・去勢手術のために病院にいってきた。
朝、ととっこ団をキャリーバッグに詰める。ととっこ団は危険を察知して逃げまどった。私は猫じゃらしを駆使して、なんとか二匹を別々のキャリーバッグにつめ、タクシーで病院に向かう。
病院に到着したあたりで、ことっこが、うううーと悲しげに泣いた。鳴いたのではない。泣いたのだ。すまない。
手術は予約制で、あらかじめ電話してあった。診察券を出すとすぐに名前を呼ばれる。別室で、まずは触診?と体重測定だ。ことっこは2.6kg、ぱくっこは3.2kgあった。成長してる。
そこで、ぱくっこのおなかに虫がいることが判明。ごまつぶのようなものが落ちていると思ったら、これが寄生虫の体の一部なのだそうだ。私は震え上がった。だが、虫下しを飲ませれば大丈夫だということで、ついでに飲ませてもらうことになった。
血液検査の結果や、手術経過などを電話連絡するとのことでいったん家に戻る。
一回目の電話は、血液検査の結果、ことっこは肝臓のALTとかいう値が高いとのことで手術を決行するにはリスクが伴うとのこと。私は少し考え、延期することにした。万が一のことがあったら大変だからだ。ぱくっこはというと、既に手術に入っているという。そこでいったん電話を切った。
二回目の電話は、ぱくっこの手術が終了したという知らせだった。良かった。まずは良かった。手術が失敗して大変なことになったらどうしようと、ずっとどきどきしていたのである。礼をいい、電話を切った。
ことっことぱくっこは、手術のために昨日の夜から飯抜きだった。だから、大層ハラペコだろうと思い、少し早めに迎えに行く。
病院で色々話を聞く。ぱくっこには数日の間、抗生物質?の薬を、ことっこには3週間ほど肝臓の薬を飲ませるよう言われた。ぱくっこはキャリーバッグの中でがたがた震えてた。ことっこは、うちに当初来たときのように低くうなり声をあげていた。そして、恐怖のためかおしっこをもらしていた。
病院の外に出ると、恐ろしく寒かった。冬の風が容赦なく、びゅんびゅんと吹き荒れていた。
私はタクシーで家まで帰る。
部屋に帰ってきた、ことっことぱくっこは警戒してた。そりゃあ、怖かっただろう。私はとりあえずメシを出してやり、少し距離を置いて見守ることに決めた。しばらくして、ことっこが飯を食い始める。続いてぱくっこも、恐る恐る飯を食い始めた。
人間と共に暮らすため、将来の乳がん予防のためとは言え、恐ろしい目にあわせてすまない。私は自分が去勢されるのはいやである。そして、自分がされてイヤなことをととっこ団にしているのだ。理由があるとは言え、そのことは深く心に刻んでおこうと思った。そして同時に、不妊手術をしなかったために乳腺腫瘍が出来て苦しんだととっこ団長のことも。
最良ではない二つの選択肢から、苦しんでどちらかを選ぶ。それが生きていくということなのかも知れなかった。
そんなふうに思って、神妙な顔をしていた私の背後で、調子を取り戻しつつあるととっこ団は、ストーブの前に陣取って暖まりはじめていた。
▲ストーブ前であったまるぱくっこさん(左)とことっこさん(右)
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