ことっこが不妊手術のため入院中、ぱくっこは寂しがってきゅうきゅう鳴いていた。
ぱくっこもことっこも、何かして欲しいことがあるときはきゅうきゅう鳴く。犬のようである。ケージに入れて扉を閉めたときとか、腹が減ったときなんかに鳴く。実は犬なんじゃないかと思うほどのきゅうきゅう振りだ。
ぱくっこがきゅうきゅう鳴くたびに、大丈夫だからことっこはすぐ帰ってくるからとぱくっこをなだめる私。けど、ぱくっこは私が近寄るとびくっとして逃げるか、身を縮ませる。苦手な親戚のおじさんと二人きりになってしまったこどものようなのであった。
ぱくっこの背中をなでる。
ぱくっこの体には触ってはだめなポイントがあり、そこに触れると突如フルパワーで蹴られたり、噛まれたりする。ぱくっこの攻撃は容赦なく、私はひっかき傷を腕にたくさん作っている。
次の日。ことっこの居ない日二日目だ。
ぱくっこは立ち上がった私の足の間を何度も行ったり来たりし、私のすねのあたりに体をこすりつけていた。これはととっこ団長のときに覚えがある。私ににおいをつけて甘えているのだ。
背中をなでてやると、私の手に顔を押し付けてくる。その押し付けぶりはすさまじく、私の手をぐいぐい押して押し倒してしまうほどである。そして、ごろごろ言っている!ぱくっこと仲良くなるのにはもう少し時間がかかりそうだと思っていたのだが、感激である。
何があったのだろうか。
私と二人きりで、気が進まないけどしょうがなく相手をしていたら、コイツは大丈夫そうだとわかったのだろうか。いつでも甘えてくれてよい。飽きるまでいつまでも甘えてくれてよいのだ。私は君らのお母さんなのである。
ぱくっこの甘え方はだんだんエスカレートしてきて、横になって寝ている私の鼻に、鼻をつんとくっつけたと思ったら、そのまま頭をぐいぐいと押し付けてくる。むせる私。パワー型のぱくっこは甘え方も豪快なのであった。
▲お疲れのぱくっこさん
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