くしゅっ。
小さなくしゃみがケージの中から聞こえる。くしゃみをしているのはぱくっこだ。見ていると、結構ひんぱんにくしゃみをする。
風邪だろうか。猫が風邪をひくことは大変なことだという。風邪が原因で失明してしまうこともあるという恐ろしい話も聞いた。
だめだ。そんなことは絶対にあってはならない。私は、キャリーケースにぱくっこを入れて動物病院に行った。キャリーケースに入れるまでは抵抗したぱくっこだったが、それからは大人しかった。
病院に到着して、キャリーから出したときも暴れなかったし、お尻に体温計を入れられたときも暴れなかった。ただ、なんか怖いことをされてるのがわかるのか、足の裏に汗をかいてた。
体温は38.5度。めちゃ熱出してるよ!と思ったが、子猫ならば平熱なんだそうだ。目薬を差してもらう。この目薬がまた、予想外にどろどろしていて、人間用のものとは全く違う。カラシ酢味噌のようであった。
でろり。でろでろり。カラシ酢味噌を点眼されるぱくっこ。なんだか痛い光景だったので、あいた、いたたたたたとつぶやく私だった。
目薬と飲み薬をもらって家に帰る。ぱくっこのくしゃみが徐々にましになってきたような気もする。
さて、まだ慣れていないぱくっこに、飲み薬を飲ますという一大ミッションが私に与えられた訳だ。ぱくっこを捕獲して、口の中に薬を放り込むという困難なミッションなのである。
まず、ぱくっこを捕獲。あばれるぱくっこ。
食べられる!食べられる!
食べないから!と言っても通用しない。ことっこは、ついに弟が食べられるのかと悲しそうに見ている。
私はぱくっこの口に薬を放り込む。薬は、おそらく一つの錠剤を1/4に砕いたもので子猫の体にあわせたものなのだろう。通常ならば甘い何かがにがい薬を覆っているはずだが、1/4に砕いたことで、にがい部分がモロに出ている状態と思われる。
ぺっ。吐き出すぱくっこ。それを拾い、再度ぱくっこの口に入れる。今度は飲み込んだようだ。
すまないな。これでまた、ぱくっこに嫌われる気がしたが、今はそんなことを言っていられない。さらに、首の後ろのところをきゅっとつまんで大人しくさせ、カラシ酢味噌状の目薬をでろりでろりとたらす。目薬は一日二回とのことで、これで今日の目薬は終了なのである。お疲れ様なのである。
ぱくっこの、警戒した目が私に向けられる。
▲警戒するぱくっこ(右)
だが、ぱくっこはまだまだこどもなので、警戒したまま寝てしまうのだった。
▲警戒したまま寝るぱくっこ
※Foot Print様に薬の飲ませ方を教えてもらいました。えさに浅く薬を埋め、食べさせるとのこと。これが簡単かつ効果絶大。おかげさまでぱくっこはすっかり元気になりました。ありがとうございました。
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