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風を起こしてみる

 Poserには、フォースウインドという、風を起こす機能がある。

 風なんか起こしてどうすんのかというと、ダイナミッククロスやダイナミックヘアを風でひらひらさせてリアルに見せることができるのだ。残念なことに、通常の服や小道具、小道具型の髪型はひらひらしない。「クロスルーム」や「ヘアルーム」で扱えるものだけを風にゆらめかせることが出来るのである。

 さて、風が起こせるとなれば、大きなお友達がいやらしい気持ちで遊ぶ場合、スカートをはかせた女性フィギュアの下から風をあて、スカートをめくってみたいということになるだろう。間違いなく、現場を他人に見られたくない遊び方である。なんせ、いい年をした男がフィギュアのスカートをめくってうへうへ言っているのである。恐ろしいことである。

 けど、風の機能を試すにはそれが一番たのしそ、わかりやすそうなので、しぶしぶ風でスカートをめくる覚書をしてみたい。

 モデルはPoser6付属のジェシー。ジェシーを呼び出し、小道具>ジェシー 衣服から、Dress Redをダブルクリック。横に「DYNAMIC」と書いてあるのは、ダイナミッククロスだってことだ。

 通常の衣服なら、「フィギュアに着用」でフィットさせることが出来るが、ダイナミッククロスはクロスルームで計算処理をさせてフィットさせる必要がある。この段階では、服から体が突き抜けているが、気にせず先に進もう。


▲ジェシー+Dress Red(ダイナミッククロス)

 まずは、この服をフィギュアにフィットさせよう。ウインドウ>連結パラメータ編集を選択して、「ジョイントエディタ」ウインドウを出す。メニューの名前と出てくるウインドウ名が食い違っているが気にしなくていい。

 
▲ウインドウ>連結パラメータ編集

 ジョイントエディタの「ゼロフィギュア」をクリック。そうすると、ジェシーは十字架に貼り付けられたような「ゼロフィギュア」というポーズを取る。


▲ゼロフィギュアをクリック

 続いて、オブジェクト>ウインドウ作成を選択。ジェシーの足元に、わかりにくいが扇風機の頭みたいなのが出てくる。こいつがむいている方向に風が発生するのである。


▲オブジェクト>ウインド作成

 ウインドフィールドをクリックして、パラメータを変更しよう。
  • x軸回転 90°
  • 振幅 10.0
  • 範囲 0.4
 振幅は風の強さとでも思えばいいんじゃないだろうか。範囲は風が届く距離である。x軸回転を90°にするということはつまり、ウインドフィールドがジェシーの足元から股間に強風を直撃するということなのである。恐ろしい。


▲ウインドフィールドのパラメータを設定

 設定しただけでは風は発生しない。クロスルームで「シミュレーション計算」をして始めて服がひらひらするのである。では、クロスタブをクリックして、クロスルームを開こう。

 開いたら、「新規シミュレーション」をクリック。

 
▲クロスルームを開き、新規シミュレーションをクリック

 シミュレーション設定では、「布の自己衝突」にチェックして、OKをクリック。

 
▲布の自己衝突にチェック

 次に、「布化」をクリックして、布かするオブジェクトに「DynamicDress2」(赤いドレスのことだ!)を選択し、布化をクリック。これで変形しない単なる小道具だった赤いドレスが、ダイナミッククロスとなるのである。


▲布化

 次に、「衝突対象」をクリックし、出てきたウインドウの「追加/削除」をクリックする。布化した物体の衝突対象を選択しているわけだ。ほんとは、全部衝突対象にしてくれれば楽なのだが、それだと時間がかかりすぎるので、必要なものだけを衝突対象にしてくださいということらしい。


▲衝突対象をクリック後、追加/削除をクリック

 階層の選択というウインドウが出てくるので、「Jessica」の横の四角をクリック。そうすっと、ジェシーの全パーツに勝手にチェックがつく。OKをクリックして、ウインドウを閉じる。


▲衝突対象を選択

 さて、これで準備OKだ。「シミュレーションの計算」をクリックして見守ろう。


▲いよいよスカートがめくれるのか

 ところが、予想に反して服のスソがひらひらするだけで、一向にめくれない。どうやらデフォルトだと、ちょっとやそっとではめくれない布質になっているようなのだ。

 ここで一通り試行錯誤して、「エアーダンピング」の値を大きめ(0.6ぐらい)にすると、ぶわっとめくれあがることがわかった。なんだかいやらしいことになってしまった。そのままではアレなのでパンツをはかせたり、髪の毛をつけたりしてみた。

 
▲エアーダンピングを0.6に

 ちなみに上のようにポーズをつけるためには、ドレープということをしなければならないのだが、ドレープ中も容赦なく風が吹いてしまって、1フレーム目には既にスカートがまくれ上がってしまっていた。そこで、風の「範囲」を1フレーム目だけ0にしておいて、2フレーム目から0.4にするという小技も使ったりしたのである。面倒だ。

 なお、足元にフォースフィールドが映ってしまっているが、これは表示>デフォーマ>全て隠すを選択すれば消せる。全て表示を選べばまた出てくるので安心だ。

 最近、ちょっと覚書が変な方向に偏っている気もするが、とりあえずこれでスカートめく、風を起こす覚書を終わる。

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