仙台二日目。
なんとなく仙台のうまいもんでも食おうと思っていた。朝飯はさっき食ったばかりだから、数時間後に昼飯としてうまいもんを食おう。
ロッテリアを出た私は、昼飯用の店を求めて歩き始めた。
寒い風が私に吹きつける。私は寒さに負けて、近くの本屋に入った。ガイドブックとかを立ち読みして店を探すということにしよう。そうしよう。
入り口付近にガイドブックがずらり。適当に読んでみる。
名店はたくさんある。高級そうなとこばかり。一人で行くのはなんとなく気後れする。そう思って、ぱらぱらとガイドブックをめくっていると、「温泉」のコーナーに健康ランドがぽつりと載っていた。
ふふ。
ふふふ。
出発時に考えていたことをすっかり忘れていたのだが、私は仙台の健康ランドに行こうと思っていたのだった。そのくせ、事前に詳しい情報を全然調べなかったのはどういう了見なのか我ながらさっぱりわからないが、多分、「あまり詳しい下調べをせずに行きたい」とか思っていたような気がする。
場所は福島県。仙台から南の方に若干戻ることになる。私は即決し、仙台駅に戻った。
吹きすさぶ寒い風が、仙台のうまいものより、温かい福島の風呂を選ばせたのだ。
仙台駅の待ち合わせ場所、伊達政宗像。これを目に焼きつけ、仙台に別れをつげた。次回は仙台じゃなく、宮城県のもっと自然あふれるとこに行きたい。
なんだかうすぐらい仙台駅。多分逆光だからとか、そんなつまらない理由で暗いんだと思う。
福島へは新幹線で行くことにした。特に深い意味はないが、まあ、楽したかったってことだろう。
弁当を買って、新幹線の中に入る。
弁当はえんがわ弁当。ひらめのえんがわが箱寿司になっていて、上にゆずのスライスが並べられている。
ああ、こんなにも私の好きな部分をピンポイントで刺激する弁当があったなんて。
えんがわの脂ののったうまみとゆずのさっぱり感が私を官能の世界に連れて行く。私は一つ食べるごとに目を閉じ、頭を激しく左右に振りながら、そのうまさを味わった。
仙台のうまいもん、と言っていいのかどうか。少なくともうまいもんを昼飯に出来た私は、弁当を食べただけのくせに、何かをなしとげたような顔をして景色を眺めてみた。
ものすごいスピードですっとんでいく景色。少々大きな雲があるがいい天気だ。外に出るとめちゃめちゃ寒いとしてもいい天気だ。
こういうものは雰囲気なのだ。さて、ちょっとトイレに行って排水してこよう。ついでに弁当の箱をごみ箱に捨てに行こう。
デッキまで移動してごみ箱らしきところを見ると、フタがしまってて使えない。危険物をごみ箱にしかける奴がいるかも知れないということで、その対策なんだそうだ。
私はごみを持ったままトイレに入り、ごみを持って出てきて、ごみを持って自分の席についた。目の前にごみがあるとなんだか落ち着かない。
しばらくしてカラフルな作業服を着た若い女性二人が通路を進んできた。あまりのカラフルさに心を奪われていた私は、彼女達がごみを集めて回るという重要な役割を負っているのに気づかず、ごみを捨て損ねた。追いかけてって捨てるのもなんか恥ずかしい。もういいや。
すぐに福島に着く。私はごみを持って車内から福島駅のホームに出て、ごみ箱に向かった。ごみ箱は丁度清掃のおっさんが掃除中だった。私に気づいたおっさんは静かにうなづいた。私もうなづき、清掃中のごみばこにぽとり、とごみを捨てた。私は決して振り返らず、その場を去った。
福島駅はとってもキレイだった。つるつるのぴかぴかだ。
あまり人は居なかった。私はあまり人が居ないところが大好きなので、単純に嬉しかった。
駅の中の、休憩所のとこにこけしが並んでいた。コンテストか何かがあって、その入賞者のこけしだ、と書いてあった気がする。色んなこけしがある。
こけしの達人ならば楽しめるのかも知れないが、私のような素人にとってはそのままではあまり楽しめない。ふーん、と言いながら写真を撮って通り過ぎるのがいいところだ。
ここは一つ、こけしを使って面白い話を仕上げたりして欲しい。こけしコントとか、こけしの大冒険とか、そういうのにして欲しい。でもそんなことしたら怒り出す人がきっといるんだろうな。
続いて、在来線に乗る。
在来線、という言葉も漢字の意味なんかを考えるとなんだかよくわからない。在る、来る線。もともと在ったりするが、来たりもする線。禅問答のようだ。
調べてもよくわからなかったが、新しく新幹線が出来たときに、それ以前の電車と区別するために出来た言葉ってことでいいか。
そして、伊達駅までやってきた。
読み方はダテだ。ダテオトコだとか、ダテメガネのダテ。なかなか味のある駅だ。かわらの屋根がついているのがいい。なんだか珍しいものを見た気がして、得した気になった。
改札を出て、駅を出て、振り返りざまに写真を撮る。だてえき。だてすてーしょん。英語圏の外人が「ディトスティション」などと読んだりしないかな、と楽しくなった。
駅を出たら、ひたすらまっすぐ歩いていけば健康ランドに到着する。
実は迷子になるのを恐れて、徒歩だというのにハンディGPSも持ってきている。また、仙台の本屋でちゃっかりとツーリングマップル東北という地図も購入してあるのだ。
旅の計画はろくに立てない私ではあるが、こと迷子対策となるとこの充実っぷり。私は迷子になるのがイヤなのだ。いや、正確に言うと、迷子になっても最終的に目的地に着けるなら大歓迎だが、迷いまくって目的地にたどり着けないのはいやなのだ。
まっすぐな道なのに、地図を開いたり、GPSを作動させたりしながら慎重に進む。
自転車に乗ってるときとは少々考え方が違うようだ。自転車に乗るのは3時間だろうと苦にならないが、徒歩で3時間てのはしんどいだけなのだ。
歩いているせいか、暖かくなってきて上着を脱いだ。汗が出てきた。
そういえば着替えがない。一泊分しか持ってきていないのだ。冬だから1日くらい着替えなくても大丈夫だろ、みたいに考えていたがやっぱりいやだ。途中で、何故かイトーヨーカドーがぽつんと建っていたので、着替えを買う。
Tシャツ、パンツ、靴下だ。色をそろえるつもりはまるでなかったのだが、気がつくと全て黄色で統一されていた。私の心の状態を表しているのかも知れない。
黄色は注意して進め。いや、進んじゃだめなんだったかな。でも進まないと何も始まらないしな。
着替えをゲットして、風呂に入る準備が万端になった私はさらに進む。やがて、川に出た。
地図を見てみると、目的の健康ランドは川の手前にあるということ。途中、左に曲がるところをまっすぐ進んできてしまったようだ。
手堅く行くなら、来た道を戻って、曲がるべきところを曲がればいい。だが、このときの私は冒険心にあふれており、違う道を通ってたどりついてやろうと思った。現在地から、目的地であろう方向に向かって進む。
川の堤防のようなとこに出てきてしまった。結局もとの道を戻るはめにならないかと不安になったが、多少時間をロスしても別に問題はないってことに気がついた。
よし、本能の赴くまま、好き勝手に進んでやるぞ。間違ってたとしても痛い目に合うのは自分だけだ。痛い目に合ったって、多少余分に歩くだけだ。
寒いけど、いい景色。いいとこだ。
ただ、ちょいと視線を横に移動すると、ものすごい雨雲。気を許すとどしゃぶりになってしまいそうだ。
やはり、雨が降る前に到着しときたいな。余分に歩くのはいいが、どしゃぶりの中歩くのはイヤなのだ。
視界に黄色いド派手な建物が見えてくる。民家ということはないだろう。そんな色の民家があったら、住む人の顔を見てみたいものだ。やはり、あの黄色いのが健康ランドに違いない。
そしてたどり着いた、カッパ王国桃源郷。桃源郷とは大きく出たな。
私は、やけにあっけなく着いてしまってつまらないと思う気持ちと、冷えた体を風呂で温める気持ちよさを想像してうきうきする気持ちが入り混じったまま、カッパ王国に入国した。
玄関の横では、こんな感じのカッパがお出迎えをしていた。
さっそくチェックインだ。靴をロッカーに預け、靴ロッカーの鍵をフロントにわたし、入場料を支払って、脱衣場ロッカーの鍵を受け取る。
いつもどおりだ。
早速脱いで風呂に入る。
サウナ、ミストサウナ、バイブラ風呂、ひのき風呂、薬湯、バスクリン風呂、露天風呂などがある。
冷えたからだが温まっていく。気持ちいい。
人も少なめだ。一通りの風呂に入ったあと、岩で作られた露天風呂に入ってみた。裸で外に出るのは寒い。
寒い寒い寒い。露天風呂にぽちゃんと入る。暖かい。だんだん温まってきたら、露天風呂の横においてあるプラスチックのリクライニングイスに横になる。冷たい風がどんどん私から体温を奪っていく。空が見えるなあ。風の音がするなあ。このリクライニングイスは色んな健康ランドで見かけるけど、一ついくらくらいかなあ。
そんなことを考えているとたちまち体が冷える。また露天風呂に入る。これを繰り返せばずっと風呂に居られるのではないか。
そう思ったが、3回くらい繰り返して飽きたので風呂を出た。
一階の宴会場では、時代劇の劇団がなにやら芝居をやっていた。おばちゃんたちは熱心に見ていたが、私は特に興味がないので素通りだ。二階に移動する。
二回には休憩室と称して仮眠できそうなイスがあるのだが、ゲームコーナーが真横だった。ぴーぴこぴこちゃんららちゃんららボクアンパンマン、とものすごい騒ぎ。嫌がらせだろうか。
毛布も無くて、ここで寝たりしたら風邪を引きそうだ。なるほど、人が少ないと思ったらこんなものすごい欠点があったのか。休憩室のイスも16個しかない。ゆっくりくつろげない健康ランド…それがここカッパ王国だったのだ。
ふと見ると、有料仮眠室みたいなのがあって1000円払うと入れるらしい。なんか店側の作戦にひっかかったようで腹が立ったが、1000円を惜しんで風邪を引くよりマシだと思ってフロントに申し込みに行く。
有料仮眠室は勝手に出入りできないように入り口に鍵がかかっていて、申込をするとそこの鍵をゲットできる。中は薄暗くて、ベッドが20個くらいあり、それぞれに毛布とテレビがついていた。
私以外、誰も居なかった。それをいいことに、近くのベッドから毛布をかき集め、何枚も毛布を被って横になった。暖かい。
薄暗い室内がさらに暗くなっていく。気がつくと2時間ほど経っていた。いつのまにか私のほかにももう一人、有料仮眠室を申し込んだ人が居て、その人はテレビを見ていた。
飯を食いに行くことにする。
食事コーナーに行ったのだが、店員が居ない。いや、店の奥の方に引っ込みっぱなしだ。なんなんだと思って、厨房の中に入り込んで注文を聞いてくれるように伝えた。
定食とビールを注文し、しばし待つ。私以外には夫婦が一組、テレビのサッカー中継を見ながらあの選手はどうのこうの、と言っていた。私はサッカーに興味がないのでよくわからない。サッカーにはオフサイドとかいうよくわからないルールがあることを知っている程度だ。
やがてビールと定食が運ばれてくる。ビールを飲む。おいしいなあ。ビールのおかわりをしようと思って、またしても店の奥に引っ込みっぱなしの店員を呼びに行くと、テーブルに置いてある100円入れるとおみくじが出てくる機械に呼び出しブザーがついている事を知らされた。
せっかく得た知識だったが、私はその後注文しなかったので無駄な知識となってしまった。
有料部屋に戻り、少し酔いを覚ましてから風呂に行った。
やはりお気に入りは露天風呂だ。露天風呂には葉っぱがいっぱい浮いてて、なんだかちょっと葉っぱ臭かった。時間は夜の10時ごろで、さらに寒くなっている。
風呂に入りながら空を眺めると、星がちかちか光っているのが見えた。気持ちいい。
私は、本当に見たいものは一人で見たいと思う。何の気兼ねも無く、色々感じたり思ったりしてみたいのだ。飽きるまで眺めていたいのだ。
空を見るのはなかなか飽きなかったので、風呂はいったり横のプラスチックのイスに座ったりして長時間居ようと思ったが、夜の寒さは尋常ではなく、ほどほどにして風呂から出た。
有料仮眠室に戻る。
仰向けになって天井をぼんやり見ながら、色々とりとめのないことを考える。やがて、うすぐらい室内がさらに暗くなってきて、私は眠った。
明け方に目を覚ます。4時半ごろだ。
健康ランドの2Fでこっそり写真を撮ってみた。
その後、名残を惜しむように風呂に入った。明け方の露天風呂もかなり楽しかった。
カッパ王国。休憩施設がまるでなっちゃいないし、食堂でも店員が奥に引っ込みっぱなしと、健康ランドとしてはダメなとこだけどまあまあ楽しかったよ。二度とは来たくないけど、まあ楽しめた。うん。
朝6時。なんでそんな早く出発するのか、自分でもよくわからないがチェックアウトを済ませた。そして、めちゃめちゃ寒い道を私は駅に向かって歩き始めた。
びゅごおおらあああ!
がぼごばああああ!
ものすごい勢いで風を叩きつけられた私の体はたちまち冷えていった。もうちょっと健康ランドでゆっくりしとけば良かったかも知れない。けどまあ、今さらそんなことを言ってもしょうがない。
民家しかない一本道にコンビニが見えたので、入った。おお、寒さに凍りついた私の体が回復していく。とりあえず肉まんを買った。これで駅まで暖かさが保つかも知れない。
だが、コンビニを一歩出た私はたちまち冷えた。ちくしょう。暖かいコーヒーを買うのを忘れたので、近くの自販機で買った。
ぶわっさばさばさ!ばっさばさばさ!
コンビニの袋が狂ったように風に舞う。台風でもきたような勢いだ。どうなってるんだ。
仕方ないので、自販機の陰に隠れて肉まんを食った。薬屋のまん前だ。シャッターは閉まっていた。
既に半ば冷えてしまっている肉まんを食い、コーヒーをずずず、と飲む。暖かい。
ふと、背後から白髪の小柄なじいちゃんが現れた。じいちゃんは私の方を怪訝そうな顔で眺めながら薬屋のシャッターを開けていた。薬屋の主人らしい。
「おめえ、うちの薬さ盗りにきたんでねか」「いやいやとんでもない」「よそ者は信用できね」
瞬時に私とじいちゃんの状況にセリフを割り当てた私は、勝手に気まずくなって、さっさとコーヒーを飲んで立ち去った。
伊達駅にたどりつくと、せまい駅の中に人がぎっしり詰まっていた。そうか、ここいらは寒いから皆で協力して押しくら饅頭のような状況を作り出して温まっているのだな。生活の知恵というやつだ。
けど、強風で電車が遅れて人がたまっているだけだとわかり、私の感心した気持ちのやり場に困った。
先ほどコーヒーを飲んだばかりだが、またコーヒーを飲んだ。人はどんどん増えていき、もはや駅の中には入れなくなってしまった。いや、プラットフォームには誰も居ないのだが、寒がっている人々が改札手前の暖房の効いたスペースに終結しているのだ。切符を買うのもままならない状況だ。
コーヒーを飲み終わってもまだ電車は来ない。その場の勢いと思いつきで、ちょっと歩いてみることにした。わかっている。そういうことをした場合、直後に電車が来て悔しい思いをするのだということは。
だが、今は少々失敗をしたほうが面白いという、一人旅の途中だ。やろう。ぜひやろう。
次の駅まで何キロあるかな、とかは全く考えてなかった。
駅から線路に沿って歩き始める。左手には田んぼ。いい景色なのだが、相変わらずものすごい風が吹いていた。電車が遅れるほどの強風に、私は早くも後悔していた。
おとなしく待っておけばよかったんじゃないか。今ならまだ引き返せる。
でも、引き返したらつまらないし、このまま進めばなんか面白いものがあるかも知れないし、と自分をだましだまし先に進んでみた。
まっすぐ進んで行くと、途中で道がなくなった。
いや、あるのだが、舗装された道路がなくなり、砂利道になった。強風時の砂利道は危険な存在で、私は小石マシンガンを喰らいまくった。たまたま車が通ったりすると、舞い上げられた小石がより高い位置を狙って飛んでくるという真・小石マシンガンを喰らったりもした。侮れない。
やがて、車が入って来れないほどの狭い道に入る。田んぼの真ん中に「ステファニー」という看板が立っていたので写真を撮った。逆光でよく見えないが、こんなとこに立っているステファニーの看板を見て、なんか買物をしようとする人が居るのだろうか。
しばらくして川にぶつかった。電車用の橋はあるのだが、人間用の橋はない。電車用の橋の横には人間が通れる程度の狭い通路がついていたが、線路から60cm程度しか離れていない。
多分、作業用の通路で、電車が通ってる時間にわたるようなとこなんじゃないんだろう。
仕方ない、はるか向こうに見える橋まで歩いていこう。そう思って歩き始めると、電車が来て、がたごといいながら走り去っていった。そうか、おとなしく待ってたらあれに乗れたんだな。
太陽に向かって歩く。相変わらずものすごい風だが、景色がいいのが救いだ。
そろそろ、駅まで歩いてたどりつくのがしんどそうだということがうすうすわかってきた。バスがきっと近くを走ってるだろ、と思えば気も楽だ。
ようやく橋にたどりつく。橋のふもとには謎の青いテントがあった。
謎とはいいつつ、それが何かはよくわかっているのだが、こんな自然あふれるとこにもテントがあるんだなと、変な感心をしてしまった。
再び舗装された道路に出てきた。土塗りの歴史のありそうな、つぶれかけた家があったのでついつい写真を撮る。
ここらへんは民家が多いので、強風を若干ではあるが、ふせいでくれる。
何か暖かい朝飯が食いたいなあ。
しばらくすると片側二車線の大きな道路に出る。そして、少し先にマクドナルドの看板があった。私の定番朝飯、それはマクドのAMセット。ソーセージエッグマフィンを詳細に思い浮かべながら私は歩いた。福島駅行きのバス停を発見したが、朝飯を食いたい気持ちが勝ち、私はずんずん歩いていく。
そして、マクドナルドは、ああ、なんということか、まだ開店してなかった。なんだよちくしょう。
仕方なくバス停まで戻ってバスを待つ。しばらくしてバスが来て、乗り込んだ。暖かい。バスって暖かい。ここまで歩いたことで、私の中の暖かさへの評価がぐんとあがり、たかがバスに乗っただけだというのに感激できる状態になっていたのだ。得をした。
福島駅に到着。この時点で、なんだかいっぱい歩いたし帰るか、という気持ちになっていた。
福島駅も新幹線が止まる駅だけあってまわりは都会で、特に楽しい景色はない。背の高いビルがあまりないのが救いかも知れない。
福島駅を出てすぐの景色はこんな感じなのだ。うむ、特に言うようなことはない。
朝飯として、駅の立ち食いそば屋に行く。なめこそばを注文したら、ものすごい量のなめこがはいっていた。すげえ。
でも、なめこには味があまりしみてなかった。そういうもんなんだろうか。
食ったばかりなのだが、昼飯用に牛肉のみそ焼き弁当を買う。
私はみそ焼きが好きだ。よし、新幹線に乗る準備はこれで万全。40分ほど待って、新幹線が来た。新幹線も強風で遅れたらしい。恐るべし強風。
新幹線に乗り、東京に着くまでに弁当を食おうと思ってフタをあけた。肉と味噌ととうがらし。シンプルな感じだ。
まあまあうまかったが、肉系はやはりあったかいのが食べたいなあ、と思った。思ったけども、おいしく食べた。
そしてあっというまに東京。あーあ、終わっちゃったなあ、と思いながら電車に乗って家に帰った。
家に帰ると、飼い猫のトトが、一人だけうまいもの食ってきただろ、と私を問いただし始めた。