東京サイクリング 山口観音で冒険しようぜ

東京サイクリング 山口観音で冒険しようぜ

東京サイクリング 山口観音までちょっくら自転車で行く旅

 

休憩所を後にし、再び多摩湖自転車道に戻った。

 

さっきの休憩所が頂上付近だったのか、道は下りだ。ちょっと地図を開いてみる。

 

多摩湖は貯水池とのことで、近くまで行って指を湖に突っ込んで冷たがったり、石を投げてぼちゃんと音をさせたりといったことは出来ない。はるか遠くをフェンスが取り囲んでいて、危険、注意近寄るなという感じだ。

 

誰でも入れるようにしとくと、おしっこするやつがいたり、ごみを捨てまくるやつがいたりしてまずいんだろう。

 

その多摩湖だが、上貯水池と下貯水池に分かれている。下貯水池の方が汚い水というわけではなく、単純に位置を示しているらしい。

 

とりあえず、上と下に分かれた貯水池の間を通って行くと湖の北に抜けられるらしいので、抜けてみることにした。抜けた先には山口千手観音という名所のようなところがあるらしい。仏像に対して強い興味をいまいちもてない私ではあったが、まあ、そこを目指して進んでみることにしよう。

 

しばらく進むと、あっという間に上下の貯水池の境目に到着した。

 

ここには自動車用の橋がかかっていて、自転車でのこのこ走ったりしようものなら、車にはねられてしまいそうな交通の激しさだ。

 

自転車及び歩行者は、スロープつきの階段で橋のふもとまで降りて向こうまで渡れという感じ。橋も別に池をまたいでいるとかそういうこともなく、ただなんとなく橋にしてみましたみたいな橋だ。

 

いや、きっと何かしら理由はあるんだろうが。

 

多摩湖の橋のふもとを、私の真の休憩場所として記憶した

 

で、その橋のふもとの歩行者・自転車ゾーンが、めちゃめちゃ見晴らしのいい場所だった。

 

ここだ。ここが、私の真の休憩場所なのだ。

 

折りたたみいすを取り出し、セットアップ。というか、単に広げた。座る。


 

足元には枯れた芝生、目の前には低いフェンスがあって、向こうの方に多摩湖…の片割れが見えている。ああ、きれいだなあ。

 

ふと、弁当を自分でつめて、わざわざここまで来てから弁当を食って帰るということがしたくなった。まず、弁当箱が必要だな。水筒はたしかある。おかずは、玉子焼きとかミートボールとかを入れておけばいいだろう。

 

後は何を入れようか。そうだ、うめぼしのやつも入れておいてやろう。何か野菜も入れてみたいが、これといったものが思い浮かばない。

 

そんなことを考えていたら、あっというまに1時間ほど経過してしまい、名残惜しいが私は先に進むことにした。

 

橋の向こう側にたどりつく。多摩湖を美しく撮ってやるぜ!と気合の入った趣味のカメラマンたちが三脚だとか重そうな機材とカメラで武装して多摩湖を撮っていた。


 

私はわらぶきの変な建物を発見したので、それを撮った。ちょうどおっさんが写真を撮っていたので、おっさんごと撮った。


 

発見したといっても、目に付くところにぽつんと建っているのだが、そこに入り込んでベンチを見つけてしまったので、さらに20分ほど休憩した。誰も来なかった。

多摩湖〜山口観音を探す

このあたりに山口観音があるはずなのだが。

 

私は、1000本の手であちこちの民家を握りつぶしている巨大な仏像を想像した。だが、そんな仏像はなかった。もっと小さいものを握りつぶしているのかも知れないな。

 

「山口観音」の看板をみつけ、そちらの方に進んでいくとそこは墓地だった。まさか、山口観音は墓石を握りつぶしたりしているのか。なんという罰当たりな。

 

私の中では、千手観音があちこち握りつぶすというイメージが確定していた。理由はわからない。なんとなく1000本もあれば、いろんなことを試してみたくなるだろいうという気はしていた。

 

墓地内の通路を、自転車を押して歩きながら、私は体内の水分が凝縮され、ほとばしりそうになっていることに気づいた。簡単に言うとおしっこがしたかった。

 

 

やがて、墓地を抜け、書院や五重塔やびっしりと灯籠が立ち並ぶ不気味な場所などのゾーンに来た。柱に書いてある、備え付けの地図を見て、トイレを目指す。

 

自転車は駐車だ。

 

トイレは非常に奥まったところにあり、ちょっとやそっとでは使わせないぞという意思を感じた。道のりも複雑だ。様々な困難を越えて、トイレにたどりつかねばならない。

 

急な階段を上ったり降りたりして、和風トイレにたどりついた。苦労しただけあって、トイレもなんだか凝っている。和風だ。

 

私は体内の水分をほとばしらせ、身を軽くした。

 

そういえば山口観音を見るためにうろうろしていたのだが、もう別に観音はいいかという気になっていた。どっか、奥の方のなんとかの塔に封印されてるんじゃないか。

 

寺の人に言って扉を開けてもらったりとかしないといけないんだろうか。そこまでして見たいかと言えば、別に見たくない。

 

そう思って、私の中での山口観音の決着はついた。

山口観音戦、決着。ユネスコ村へ進撃

少し進むと、山口観音ゾーンは、ユネスコ村という遊園地っぽいところとつながってて、無料で入れるらしいので入ってみた。

 

出し抜けに、植え込みの中に仕込んであるスピーカーが、しゃべりだしてびっくりした。恐竜なんとか展の案内だった。

 

子供づれが多いので、そういうびっくり恐竜展みたいな感じのものは人気があるんだろう。お金を払うと恐竜の骨とか模型が見れるとのことだ。

 

恐竜か…興味はあるのだが、子供がぎっしり詰まった展示場に行くのはなんだかめんどうだったのでパスした。

 

ユネスコ村を出て、自転車のところに戻る。じゃあ、そろそろ帰るか。その前に飯でも食おう。

 

私は自転車をこぎ始めた。西武球場前駅とか、狭山スキー場とかの前を通過する。狭山スキー場は屋内スキー場で、ザウスなき後もがんばっている。私もスノーボードにおぼれていたころはMえだ氏という友人と共に通ったものだ。

 

そろそろスノーボード邪魔だから捨てようかな。ブーツも結構でかくて邪魔なんだよなあ。

 

かつて熱中し、毎週末ごとに私の心をがっしりつかんでいた冬のスポーツだったが、私の心はすでにそこにはなかった。

 

今、「Mえだ氏」で検索してみたら、全力HPがトップに出てきてしまった。

ユネスコ村〜東村山へ バーミヤンでメシを食う作戦に失敗する

少し進むと、あっという間に都会になる。車の量の多い、歩道の狭いつまらない道だ。行きは自転車道だったからなあ。しょうがない。

 

メシが食いたい。メシが食いたい。

 

ふと通りがかったバーミヤンに私は身を滑り込ませた。入店したということだ。

 

坦々麺を注文した。近くの席では中学生だか高校生だかが宿題なのか受験勉強なのか、なんだかわいわいと問題を解いていた。

 

出てきた坦々麺は、なんだかインスタントのようで、失敗した…と思いながら、すばやく食って店を出た。

 

自転車に乗り込み、先に進む。というか、既に帰る気になっているので目指している先は自分の家だ。


 

特に面白みのない、都会の道を進んでいく。いや、一つだけ面白いものがあった。東村山付近で志村駐車場。志村けんに関係あるんだろうか。

 

ばぎょろ。

 

妙な音がして、前輪のあたりから何かがぽろりと取れた。

 

ブレーキシュー、つまり、タイヤをぎゅっと挟んでブレーキをかけるという、ゴムの部分だ。

 

先日、ブレーキを「辛口ブレーキ」という良く効くやつに取り替えたのだが、ボルトの締め方がゆるかったのか。ちなみにボルトを締めたのは私だ。

 

ブレーキシューはロッカクという工具がないとつけられない。そして、ブレーキなしで自転車をこぐと危ない。ここから近くの駅に行って、電車で帰ることに特に異論は無かった。

 

落ちたブレーキシューとボルトなどを回収し、後輪のブレーキのみで東村山駅まで慎重に進んで、ようやくたどり着いた。

自転車のブレーキが大破。東村山駅から電車で敗走した

自転車を折りたたみ、輪行袋に入れる。切符を買って、ホームに下りるとちょうど急行が来ていたがそこそこ混んでいたので、各駅停車で座って帰ることにした。

 

各駅停車が車で10分ほど待ち。

 

志村けんの東村山音頭の中に「にわさかたまこ」という意味のわからない言葉が出てくるが、そのうちの「たまこ」は多摩湖のことだとわかった。多分だが。

 

当時の私は東村山と多摩湖が近い場所にあるってことなど知る由もなかったのだ。あとは「にわさか」の意味がわかれば謎は全てとけるのだ。

 

にわさか…にわとりのとさかの略かも知れない。「にわか」が少しなまったものかも知れない。謎は深まるばかりだ。

 

と思って調べたら「庭先ゃ 多摩湖」だった。せっかくなので、このページを唯一「にわさかたまこ」で検索ヒットするページにしてやる。にわさかたまこ。にわさかたまこ。

 

電車が来て、乗り込んだ。西武線だ。

 

野方というとこで降りた。ここからは自転車で20分程度で家に着く。

 

前輪ブレーキがまったく効かない状態なので、なるべく車の少ない裏道を通りながら慎重に慎重に家まで帰った。


東京都 多摩湖周辺(東京西部)の宿情報

 


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