週末は埼玉に出かけようと思っていたが、学生時代からの友人であるMえだ氏と連絡が取れたので久々に会うことになった。
Mえだ氏は大阪に居る。私は東京だ。なら、真中あたりで会おうということで浜松で落ち合う予定だ。
しかも、金曜に連絡を取って土曜にでかけるといういきあたりばったりぶりだ。
Mえだ氏は、私と行き当たりばったりでどこかへ行ってひどい目にあってもすぐ忘れてしまうので、今回もじゃあ、適当に行こうなどと言っていた。
今回の基本は、浜松の南の海で日焼けして酔うというものだ。
なんでも日本三大砂丘の一つがあるらしい。
やはり夏ばて対策に浜名湖でとれたウナギも是非食ってみたいところだ。
<続きは帰ってきてから書きます>
<帰ってきた>
土曜早朝出発。東京駅から新幹線に乗る。
さすが新幹線は速く、中から景色を撮ろうと思ってもシャッターが追いつかない。
行き当たりばったりの代償、それは新幹線の席がないということ。
実はグリーン席に乗ったのだ。
普通席は空席は無いぐらい混んでいたが、グリーン席は余裕。
なんか薄っぺらい雑誌がおいてあったが、
ビジネスにおいてどうのこうのとかいう真面目な内容だったので放置。
来る途中に買った、明日のジョー&巨人の星を読む。
なんだ、もう着いたのかと思うほどあっけなく浜松に到着する。
到着直前、新幹線内の到着合図のぴんぽろぱんぽろ音と
同時ぐらいに強烈な夕立発生!
朝でも夕立でいいのかな、でも朝だからってあさだちというのはちょっとまずいな。
まあ、とにかくいきなり雨が降って、もうだめかと思ったら20分くらいでやんで良かった。
駅の北側では、夕立の真っ最中、
雨に濡れながらでヒザを抱えて泣いている外人が居た。
夕立がやむと姿が消えていた。さては夕立を降らした雷神様か。
風神が彼の太鼓を勝手に使ったとか、色々事情があったんだと思う。
(外人は冗談でなく、ほんとうに居ました)
さて、浜松と言えばうなぎ。あとはえーと、東京の浜松町とは何か関係があるですか?というぐらい。
Mえだ氏ともサクッと合流できた。
レンタサイクルのある弁天島に向かう。
借りた自転車は、変速なしママチャリ。
こいつで日本三大砂丘の一つ、えー、なんだっけな。中田島砂丘を目指すのだ。
方角さえ合ってればつくだろう、という適当な予想の元、コンパスだけを頼りに自転車をこぐ。あれ、東に行きたいんだけど、北にしか道がないな。まあいいか。
なんか料金所に出くわしたぞ。そーっと進むと、料金所のおっちゃんからお咎めの言葉も特にないので、自転車はタダで進んでいいらしい。
しばらく進むと海水浴場、というか、浜名湖なので海水ではないのだが、に到着。
ここでMえだ氏の腹が減ったため、朝飯タイムだ。時間は昼近くなのだが。
私は、合流前に浜松駅内でおいしそうなパン屋を見つけて
一人だけ食っていたので酔う飲み物だけ注文。Mえだ氏はカレーを。
店の中にいたおっちゃんグループはラーメンを注文していて、
店のおばちゃんが、「しょうゆとみそがありますが、どっちにします?」
と両手にカップラーメンを持って聞いていた。そう、ここのラーメンはインスタントなのだ。
カレーが出てきたとき、私はMえだ氏に聞いた。
「ボンか?」
Mえだ氏は首を軽く振り、答えた。
「いや、ククレだ。」
わざわざ浜松くんだりまで来て、レトルトカレーを食う羽目になった男の心境を思うと耐えられなくなったため、さっさと出発した。
進みながら、どうやらこのコースは浜名湖を一周するコースだとうすうす気づいていた。目指す砂丘とは全く反対方向だ。だが、来た道を戻るのはめんどくさいと思い、まあいいや、一周しようと自転車をこぐ。
近くに遊園地のある、ちょっとした砂浜に到着。
そこにいた半分ケツがはみだしているすごい水着着用の女性に、私もMえだ氏も視線を奪われていた。
砂浜が綺麗だろうが、湖が広かろうが、目の前に半分はみだした女性のケツがあればそれを見るのが男というものだろう。
Mえだ氏は、見ない振りをして見る、という高等技術を駆使していたらしい。
半ケツを写真に撮ることはさすがにためらわれたため、砂浜写真でお茶を濁す。
さて、砂浜にも来たことだし、ちょっと水につかろうということで水着に着替える。
浜名湖の水温はぬるかった。幼児用プール並にぬるかった。
近くの看板に地図があり、現在、浜名湖の1/3くらいは回ったらしいことがわかった。
あと2/3もあるのか。んー、戻ろう。
帰りは逆風が吹いてつらかった。
帰りに気づいたのだが、浜名湖花博というのがあるらしい。開催はしばらく先のようだ。
こっから先はちゃんとGPSをセッティングして進む。
多分、この時点でMえだ氏はひどい目に合わされたよ、という顔をしていたと思う。
結局自転車を借りたところまで戻ってきた。
もう汗だくだ。
クーラーの利いたところに入りたいと思い、近くのレストランに入った。
土曜の昼だというのに、客は私たちの他に一組のみ。大丈夫なのか。
メニューを出されたが、なんかこじゃれたメニューであり、
値段も高いし、何より特に腹も減ってなかったので、
「飲み物だけでもいいですか」と聞いてみた。OKらしい。
私はグリーンジュース、Mえだ氏はなんだっけな、なんか普通のジュースを飲んでいた。
グリーンジュースは見た目が青汁で、味は甘い野菜ジュース、
においはそこらの雑草っぽかった。二度と飲もうとは思わないが、まあまずくもなかった。
再び出発し、今度こそ中田島砂丘を目指す。
GPSがあるので、道に迷いはしないが、道の選択が悪かった。
半分以上の行程は舗装されていない砂利道を走ったのだ。
海沿いの道だったので、これはいいやと思っていたのだが。
ここが中田島砂丘、と記されたそこは今までさんざん走っていた海岸と何が変わるわけではない、たんなる砂浜だった。
日本三大砂丘の一つを見て驚くのが、今回の小目的の一つだったのだが、Mえだ氏は「驚けません!こんなんじゃ!」と日焼けして真っ赤になった顔で叫んでいた。
ここまでのしんどい道のり、暑さ、がっかり感などが怒りとなって現れているようだ。
その怒りの矛先はきっと私に向いているに違いない。私は自転車を降り、砂浜に逃げた。
このがっかり感は慣れると味わい深いのだが、
いきあたりばっ旅初心者のMえだ氏には理解できなかったようだな。
しばらく砂浜で広い海を眺めていた。ここいら一帯は遊泳禁止らしい。
非常に波が高く、サーファーがいっぱいいた。
Mえだ氏の怒りもゆるまったみたいなので、一緒に海につかりにいく。
冷たい。ああ、海だなあ、と思える冷たさ。
そしてそこには半ケツどころではない全ケツの女性がいた。まあ、いわゆるTバッグなのだが、そこまで出してしまうとちょっと趣がないなあ、などと勝手なことを考えていた。
ちなみにこの写真の真ん中に写っている人影がその全ケツだが、小さくて見えない。残念。
しばらく進むと、ああ、砂丘だなあと思えるような場所がちゃんとあった。
ウミガメも卵を産みに来るらしい。
ここらへんにくると水着の人は居ない。
オメーラ、砂丘の奥の方行って何するんだ。そこのカップル、教えなさい。
場所の名前が彫られた石。私はどうも、駅名のかかれたプレートとか地名のかかれた何かとかを写真に撮るくせがあるな。なぜか。
あとで写真を見たとき、整理しやすいからだ。
さて、その中田島砂丘の近くにある、ウミガメハウスだっけな、まあ、ウミガメなんとかいう喫茶店に入った。
またジュースを飲む。冷却完了!
さて、ここでもう時間は3時であり、今日の宿である健康ランドに行ってもいいかなあと思い始めていた。
一応自転車を返しに行かなくてはいけないのだが、こっから直接健康ランドに行った方が圧倒的に速い。
なら、答えは一つだ。
自転車を借りたところに連絡をし、自転車は明日返すことにして、健康ランドを目指した。私が事前にメモっておいた健康ランドまでの地図は浜松駅が起点となっている。まずは浜松駅まで戻るのだ。
GPSというのは本当にありがたい。浜松駅までなんの苦労もなく、サクッとたどり着けた。
夕方4時。ここで、晩飯には速いが、昼飯を食って無かったのでうなぎを食べた。
写真を撮るのを忘れていたので、1/3くらい食ってから撮った。
ちなみにここは駅の西っかわにあるウナギ屋。少し南の方に炭焼きウナギ屋があり、遠くからはるばる来たらしい老夫婦が店の前で「ここがそうか…」と言っていた。
その後、別グループの若者達も「あった、これだこれだ」と指を指していた。開店まであと1時間くらいある。どうなってんだ。行列の出来る店か。
で、結局開くまで待ってるのがめんどくさかったのと、そんな有名な店だと混んでて落ち着けないかも、という理由でこの店にしたのだ。いや、この店もおいしかったよ。メロンもついてたし。
ここから健康ランドだ。
メモは、浜松駅から北に向かって坂屋交差点を東に、天神町交差点で再び北に、中田交差点でまた東に。そこに健康ランドはある、というもの。
ところが、坂屋交差点の次、天神町交差点というのがないのだ。健康ランドに電話して見ると、坂屋交差点から信号を8こくらい行ったところに天神町、そっからさらに信号を13くらい行ったところに中田が、ということだった。
せいぜい信号2,3個だと思っていたのが私の敗因だ。
そう、普通の人は車で来るのだ。
そんなこんなで、健康ランドハッピーにたどり着く。チェックインを素早くすませて風呂だ。
風呂の種類は、色々あって健康ランドとしては合格だ。仮眠室もある。
だが、この健康ランドではジュースなどを買うときに小銭が必要になる。最新健康ランドでは、ロッカーの鍵に着いているバーコードをかざせば全てのサービスが利用できるのだが、ここでは宴会場での精算がロッカー番号を見せるだけで済むという程度だった。
現在私が行った中で、こういった設備が完璧だったのは、筑波の湯〜ワールドのみだ。また、食事が出来る大宴会場では、他人のカラオケを強制的に聴かされ、もう、引っ込め下手くそと声援を贈りたくなる。やはり温泉といえばカラオケなのだろうか。
以上、健康ランド通を気取って批評などしてみた。
私の週末のパターンは、なんかしんどいことをして汗だくになって健康ランド、というパターンが多い。これがまた最高に気持ちいいのだ。
今回もまた、ひどい目に合わされた感の強いMえだ氏だったが、風呂に入っている間はとりあえず幸せそうにしていた。私が伝えたかったのはこれなんだよ。
さて、裸と裸がぶつかり合う男子更衣室。とりあえずロッカーを撮る。
全く前を隠さず堂々としているやつ。宝物を隠すがごとく前をガードしているやつ。
やっぱ、堂々としていた方がかっこいい。堂々としているやつはやはり、それなりのブツを持っていることが多いのだが、最高にかっこいいやつとはブツがお粗末なのに堂々としているやつだ。
という訳で、私はここで最高にかっこいいやつの一人だった。
風呂、酒、寝る、風呂、酒、寝るのローテーションを繰り返し、朝になった。
寝るのは休憩室で雑魚寝な訳だが、Mえだ氏は近くのおっさんのいびきがうるさくて寝られへんかった、俺デリケートやから、と言っていた。
関西ではデリケートというキーワードが出たら「何言うてんねん、バリケードみたいな顔して」という突っ込みをする習わしがあるので覚えておこう。
さて、これから自転車を返しに行く。
朝6時だ。
GPSの力を借り、全く迷わず進む。
途中、ガストでモーニングディッシュとかいうのを食べた。ガスト入るのも久しぶりかなあ。
見覚えのある道が見えてきた。ついでにへんてこな像があったので写真を撮る。
結局3時間近くかけて自転車を返した。さらば重いママチャリ。せめて変速がついてたらもっと楽しかったと思うけど、まあ色々助かったよ。
自転車をこぐ者から歩行者になった私たち。弁天島駅に向かう。
何気なく自販機を見ると「ミステリーゾーン」という見たこともないジュースがあった。聞こえる、こいつが買ってくれ、買ってくれと言っているのが。
120円投入、ボタンプッシュ!
だが、出てきたのはクーのリンゴ味だった。私はそんなものを買ったつもりはない。
何が出てくるかわからないミステリーゾーン…そういう意味か。やられたな。
売れないジュースを売るための仕組み。観光地でのみぎりぎり許されるジョーク。
弁天島駅前に着く。すぐそこは海水浴場(でもほんとは淡水の浜名湖)だ。
なんというかもう、浜名湖汚い。変なものがいっぱい浮いている。
ここで、Mえだ氏が湖のすぐ近くの児童プールを発見、入ることにした。
うーむ、浅い。さすが児童プール。だが、流れるプールとかもあるぞ。
私とMえだ氏は流れるプールでしばらく死体ごっこというか、水にながされるゴミごっこというか、まあ流れに身を任せてぐるぐるまわった。
まわり飽きたので、流れの緩いところで座り込み、もうそこが風呂であるかのように歓談。ときどきこども達の水しぶきアタックを食らったりしていた。
私はもっとでっかいプールで遊びたい気分だった。Mえだ氏はもういいから帰りたそうだった。
とりあえず浜松駅に戻ろうということに。弁天島の記念に、なんか名所っぽい鳥居を撮った。
浜松駅横のアクトなんとか言うところで刺身定食を食う。うまかった。
食欲を満たした私は、もう帰ってもいいかなあという気になり始めていた。時間は12時前。
Mえだ氏は夜のお菓子のさらに上を行く「真夜中のお菓子 うなぎパイVSOP」をお土産に買っていた。もう疲れていたので、「おいおい、そんな精つけてどないすんねんな!」という突っ込みも特になしだ。
本当に関西人はめんどくさいな。私も関西人だが。
新幹線の切符を買い、発車時刻になったので別れて新幹線に乗った。
Mえだ氏との別れはいつも適当だ。ひどい目に合うのが懐かしくなったらまた会おう。
新幹線の中ではほとんど寝ていた。ぱんぽろぱんぽろ音が東京到着を告げる。
人だらけの東京駅。
夏休みのせいか、大きな荷物を持って殺気だった人が移動していくのにちょっと嫌な気持ちになった。
中野に戻ってきて、近所のコンビニに寄ったら、いつものいい感じの笑顔のメガネの女の人が居たのでいい気分に。プラスマイナスゼロ。
やはり、人とどっか行くときはそれなりにちゃんと計画立てないとだめだなあ、ということで今回の日記を終わる。