新潟サイクリング 佐渡ヶ島一周しようぜ

新潟サイクリング 佐渡ヶ島一周しようぜ

キャンプ場を出て、まずは自動販売機を探す。がらんがらんの駐車場で自動販売機を発見した。が、そこには「今の時期は使用できません。店の前のを使ってください」と張り紙がしてあった。

 

電気代の節約らしい。

 

近くのロッジ風喫茶店の前にある自動販売機は使えるようだ。無事、冷たいお茶を買った。よし、これで準備は整った。行くぞ。

 

そこに、おそらくキャンプ場に居たバイク3人組だと思うのだが、その3人が追いついてきた。3人は私と同じく張り紙トラップにひっかかっていた。

 

特に何の交流もなく、私は出発した。
すこしばかり進んだところにあった地名はなんと、賽の河原。

 

石を積み上げては、地獄の鬼に崩されるという無限地獄がこんなところに。

 

50m先と結構近いとこにあったのだが、なんか不気味そうだったのでパスした。有名そうなとこを軽くパスしていいのか。

 

いやでもほら、誰かが石を積んでるのを目撃したりするといやだし。
ところで、コンディションはというとばっちりだった。良く寝れたし、尻の痛みもかなり回復している。

 

あとは上り坂さえなければ楽勝なのに、と上り坂を自転車を押してのぼりながら思った。

 

そしてくりぬきトンネルだ。くりぬいたようなトンネルなので私が命名した。

 

いや、トンネルってのはくりぬいて作るものと相場は決まっているんじゃないか。

 

トンネル先はカーブで、道幅も狭く、事故多発地帯になってもおかしくないのだが、通る車の数自体が少ないらしくそんなこともないらしい。


 

なにやらちょっと名所っぽいとこに出た。

 

岩で階段とか立体交差みたいなものが作られている。

 

何をする場所なのかはわからないが、おっちゃんが鳥にえさをやったりしていた。
私はふうんみたいな感じで写真だけ撮ってそこを去った。


 

そして第一回目の休憩だ。

 

キャンプ場を出てから1時間も経っていない。

 

ここまで結構激しいアップダウンがあったので汗だくだ。お茶がおいしかった。

 

好きなとこで休憩できるのっていいな。私はしばし海を見て、例によって、ああ海だなあ、と当たり前のことをひとしきり思った。そして出発した。


 

またしばらく上り坂が続いて、私は自転車を押して歩く。

 

そしていつのまにか結構高いとこに来た。

 

自転車を押して歩いているときはぜんぜん進んでないように思えるのだが、気がつくとこんな高いとこに来てしまっている。

 

そういう感じが結構好きだ。でも歩いて山を登ったりするのは嫌いだ。多分、山を下るときは登るとき以上にしんどいからだと思う。


 

道はきれいに舗装されていて、車もまあ少ない。

 

なんていいところだ。

 

いつも思うのだが、私は自然の少ないとこに住んでいるので、こういうところをいいところだと思う。きっと、こういうとこに住んでいる人はいちいちそんなことは思わず、都会がいいとか思うんだろう。

 

ということは、私が今住んでいるとこにも、いちいち思ったりはしないがいいところがあるということだろうか。

 

少し考えたがよくわからない。なんにせよ、ここはいいとこだってことでいいか。

 

そんなどうでもいいことをいっぱい考えながら、私はさらに先に進んだ。
<つづき>

 

まだまだ先は長い。ようやく佐渡の北のさきっちょを通過して、南に向かい始めたとこだろうか。

 

駐車場の奥になんかの石碑があったので見ていたのだが、あんまりぱっとしないというか、よくわからない石碑だったので内容を忘れた。

 

じゃあ、どんな石碑だったらいいんだ。

 

そうだな、超人サドガーの石碑とかだったら絶対忘れない気はするな。
なんだか腹が減っていたのだが、特に何か食べるような店もなくて、昨日食い残したピーナツをぼりぼり食いながらお茶を飲んだりした。

 

で、結局石碑は撮らずに石碑の裏から見た海を撮ってここを後にした。

 

さすがにピーナツだけでは腹はふくれない。なんか海の幸が食えるような店があればベストなのだが、まるで見つからなかった。

 

道は容赦なくアップダウンを繰り返す。このままではハラペコで動けなくなる現象、ハンガーノックになってしまう。

 

も、もう海の幸じゃなくてもいいからなんかないか。

 

昨日食い残したインスタントラーメンがあるが、あいにく近場に水がない。トイレとかはあるが、トイレの水でラーメンを食うのはいやだ。

 

贅沢にも自動販売機で水を買ってラーメンを作ろうと思ったが、水がまったくない。コーラとかオレンジジュースでラーメンを作ったらどんな味がするだろう。

 

お茶あたりなら、なんとか食えるかも知れない。そう思って、ペットボトルを一本買った。

 

よし、これであとは火をつかえそうな場所に行けば無事ラーメンを食える。

 

と思ったら、あたりは急に住宅街というか、民家ばっかりになってきた。こんなところでラーメンをゆでたら通報されそうだ。

 

と、さすが民家がいっぱいあるところだけのことはある。Aコープを発見した。今回はAコープに助けられっぱなしだ。

 

そこで無事に水を見つけて買った。小さいのがなくて2リットルのボトルを買った。コンロ用のカセットガスも売っていたので買った。なんとなく、手持ちのカセットガスがなくなっちゃうような気がしたからだ。そんでもって食パンも買った。どんだけ食うつもりだ。

 

そしてようやく、海の岩場がすぐそこにあるという、火を使っても怒られなさそうな場所に来た。

 

ここにたどり着く2〜300メートル前に海の幸が食えそうな食堂があり、私は少しダメージを受けていた。さざえのつぼ焼きとかも近くで売ってたりする。

 

私はそんな海の幸環境にありながら、悲しいラーメンの調理に取り掛かっていた。

 

ラーメンを作っていると、どこからともなくおっさんが集まってきて、近くの船着場を工事しはじめた。人が居ない場所と思ったのだが、どうも単に昼休みだったらしい。

 

そこいらの日陰からおっさんがぞろぞろと出てきて、鉄骨をかきんかきんとハンマーでたたき始めた。

 

いまさらラーメンつくりを中断するわけにもいかない。飢えている私は、ラーメンを作っている間、さっき買った食パンにとけてどろどろになっているバターというか、もう黄色いアブラと化していたが、それをぬって貪り食った。

 

ラーメンにはフルーツたまごを入れた。フルーツたまごは未だに5個ほどあまっている。腹が減っているからといって、極上の味に思えるわけでもなく、いつも食うラーメンより若干たまごがうまいというくらいだ。

 

海の幸計画が。

 

いや、もともとそんな計画はなかったが、海の幸が。

 

とりあえず腹はふくれた。海の幸には心ひかれるが、私は再び自転車に乗り、先に進んだ。

 

くりぬかれ岩だ。道路と海との間に切り立った岩があって、そこが波でけずられたか何かで穴が開いているのだ。

 

この穴から初日の出を見ると、その年は病気しないとかそういうのがあるんじゃないだろうか。知らないが。

 

さて、道を進みながら、このペースで行くと今日中に佐渡を一周するのは無理だとうすうすわかってきた。

 

なんというかこう、風呂に入ってさっぱりしたい気分だ。一泊キャンプしただけでそれか。

 

一周するのは無理だが、ショートカットすればなんとか両津港に夕方あたりに到着できそうだ。

 

赤い線を佐渡とすると、青い矢印のように佐渡のほぼ真ん中をつっきっていけばいいようだ。一周どころか半周だ。


 

ショートカットコースに近づくにつれ、周りが都会化していった。

 

学校らしきものがあって、ちょうど生徒が帰るところらしい。前方からぞろぞろと10人くらいの集団が歩いてくる。中学生だろうか。

 

すれ違ったあと、中学生の一人が大声でこんにちはー!と叫んだ。まわりを見渡しても特に、挨拶の対象らしき人はいない。私に言ったのか。

 

けど、なんか挨拶するタイミングを逃したというか、大勢でいる他人が苦手な私は少しだけすまない気持ちで先に進んだ。

 

冒険しようぜ(佐渡編)3へつづく

 


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