東京サイクリング 多摩湖

週末。

 

私の中の少年のような心が、どっかに遊びに行きたいよう、と訴えていたので出かけることにした。

 

土曜日は朝寝坊した。ちょっと外に出たら、先日降った雪が残っていたりして、めちゃめちゃ寒かった。寒さに負けた私は、出かけるのをやめて家の中に引きこもった。

 

日曜になって、やっぱりどこかに出かけたいと、私の中の少年のような心が再度訴えていたので、日帰りでどこかにでかけることにした。

 

朝9時。どこに行くか決めていないまま、適当な装備を自転車に積み、西のほうに向かう。

 

服装は、アウトドア用のやらかいズボン、セーターもどき、風を遮断する上着だ。ウインドブレーカーのちょっと分厚い奴。さらに手袋をはめ、万全の体勢だ。本当か。

 

青梅街道を西へ西へ。何度も何度も通った道。とりあえず西に進んでみて、疲れたところで引き返すという目的のない行動を今までさんざんやっては喜んでいた私なのだった。

 

MDウォークマンを聞きながら、ノリノリで自転車をこぐ私。ダンスミュージックに乗って、見かけはのんびり、内部では火のように熱く燃え盛りながら順調に進んでいく。

 

西東京市に到着した。出発からおよそ1時間くらいだ。

 

西東京市は歩道もわりと広く、住むには非常にいいところだ。いいところだが、青梅街道という大きな道路を走っているので、交通の激しいところだ、というイメージしかなかった。ちょっとわき道に入れば、非常に静かでいいところなのだが。

 

腹が鳴る。朝飯!朝飯!

 

もう少し行くと、マクドナルドがあるってことはわかっているので、そこを目指すことにした。ただ、10時を少しだけ過ぎてしまいそうだ。マクドナルドのAMセットは10時までなのだ。

 

マクドナルドに到着すると、時刻は10時10分ごろだった。

 

が、何故かAMセットの注文が可能だった。ありがたい。

 

いつもどおり、ソーセージエッグマフィンセットを注文した。やっぱ、これがないと始まらない。

 

席について上着を脱ぐと、うっすら汗をかいていた。そうか、こんだけ寒くても汗をかくんだなあ。もぐもぐ。そうかそうか。ぱくぱく。本当の擬音は「もふっもふっ」というなんだかシケた感じなのだが、もぐもぐぱくぱく食べているということにしておこう。

 

地図を開く。

 

どこいこうかなあ。奥多摩はちょっと遠すぎるなあ。その手前に多摩湖ってのがあるなあ。のび太のおかあさんの名前はたま子だったかなあ。

 

とりあえず、多摩湖に向かうことにして、マクドを後にした。

 

マクドを出て、すぐにコンビニに入る。旅に必要な物を買うためだ。カロリーメイト、チョコバー、種抜き干し梅だ。早い話が途中で食うおやつだ。

 

種抜き干し梅は、疲れたときに梅干を食べるとよいと何かで読んだことがあるので、買ってみた。これが予想外においしく、甘酸っぱい梅干の乾かしたやつに、私はとりこになった。

 

梅干をしゃぶりながら引き続き西に向かう。暑くなってきた。上着のチャックを少しさげ、風を取り入れながら、相変わらずダンスミュージックでノリノリの私が進んでいく。

 

アウトドア入門の本には、「ウォークマンとかCDプレイヤーは旅先に持っていくな。自然の音を聞こう!」ということが書いてあることがある。自然の音を聞きたいのはやまやまだが、そこに至るまでに車のエンジン音だとか、雑踏とか、子供の奇声とかがあふれているので、そういったものをガードするために音楽は必要なのだ。

 

やがて、花小金井というところに到着。

 

この近くには、小金井公園という大きな公園があるのだ。休憩しておやつを食おう。そうしよう。私はハンディGPSを動作させ、決して迷わない男になった。

 

そして、早くも痛くなってきた尻をいたわりながら、巨大公園に向かっていた。
<続き>
小金井公園に接近。ふと、細い、しかしセンターラインが引かれた道路と交差した。これは、自転車専用道路、その名も多摩湖自転車道だ。確か以前走ってみたことはある。途中で力尽きて帰ったような気がする。

 

よし、公園で一休みしたら、この自転車道で多摩湖に行こう。なんせ、名前に多摩湖ってついてるくらいだから、決して迷わずに多摩湖に着けるはずだ。

 

GPSがあるんだから、もともと迷わないはずなのだが。

 

しばらくして小金井公園に到着。非常に広い、いい公園だ。ヘッドホンを外し、近くのベンチに座る。

 

少し離れたところで、ぴーひょろぴーひょろと祭りっぽい音がしている。静かだ。まだ、あんまり人も居ない。大騒ぎする子供も居ない。

 

白状しよう。私は、知り合いの子供とか、何かしら縁のある子供には比較的好意的だが、まったく見ず知らずの他人の子供はもういいからどっか遠くに行ってて欲しいと思う。そう、私はのんびりするためにやってきているのだ。

 

腕まくりをする。なんだか汗をかいている。次に、チョコバーを取り出し、ぽりぽりと食い始めた。う、うまい!というほど特別にうまくは無かったが、エネルギーを補給した気になった。

 

空を見る。

 

青いなあ。車の音も聞こえない。来てよかったなあ。

 

だんだん体が冷えてきたので出発することにした。目指すは多摩湖自転車道。多摩湖までひたすら続く、自転車専用道路だ。

 

この自転車道は、道路と交差するたびに「ここは降りて渡って下さい」というゾーンになる。しかも、非常に頻繁にそういうゾーンが発生するのだ。

 

まあ、ここいらへんは交通も激しいししょうがない。自転車ばかりをそんなに優遇するわけにもいかないのだろう。

 

しばらくして、多摩湖が近づいたらしく、「降りて渡れ」ゾーンがなくなってきた。それはよかったのだが、上りと下りが交互に発生して、結局降りて自転車を押したりして進んだ。

 

足の、ひざの上あたりの筋肉がぴっくぴくと痙攣している。足がつりそうな状態だ。そういえば先日も、部屋の中で正座してテレビゲームをしていたら、何故か左足のふくらはぎがつってのたうち回ったな。あれは痛かった。

 

そんな痛い状態になるのは嫌なので、ちょっとでも上り坂があるとすぐに自転車を降りて押して歩いた。暑い。めちゃめちゃ暑い。

 

顔は寒いのに体は暑い。この体に発生した熱をなんとか顔の方にまわして温まれないだろうか。無理か。

 

ちょっとでも無理をするとすぐつりそうになる足をだましながら、私は進んだ。

 

地図ではもうそろそろ多摩湖が見えてもいいはずなのだが、一向に見えない。立ち入り禁止の柵が張り巡らしてある上、生い茂った木が邪魔をしているのだ。

 

見せろ!見せろ!多摩湖を見せろ!

 

多摩湖が見えないまま、自転車道は二股に分かれていた。なんとなく橋がかかってる方に進む。

 

そりゃあ何も無い道と橋があれば、橋の方を選んでしまうだろう。

 

橋の先は休憩所で、見晴らしのいい場所にベンチがいくつかあった。休憩だ!休憩だ!

 

小金井公園を出発してから、およそ2時間が経過していた。え、そんなに時間経ったの、という感じ。少し腹が減った。カロリーメイトのフルーツ味を取り出し、ぽりぽり食う。ぽりぽりじゃないな、もそもそと食う。

 

カロリーメイトのフルーツ味は絶滅したものと思っていたが、私の勘違いだったようだ。フルーツ味万歳。

 

休憩所だから、人がわらわら居てもよさそうなものだが、誰も居なかった。私は誰も居ないところが好きだ。寂しい人なんじゃないの、と言われようが好きだ。

 

割と暖かい日差しと、静かな感じと、空を楽しみながらのんびりした。

 

しばらくして、自転車に乗ったどっかよその夫婦がやってくる。そして、その夫婦は他に座るところはいっぱいあるというのにわざわざ私のすぐ後ろに座り、なにやらしゃべり始めた。

 

私は他人に背後を取られるのが嫌いだ。冗談ではなく、嫌いだ。道を歩いていて、かつこつかつこつと大きな足音を立てる女性に後ろにつかれると、あまりの嫌さ加減に立ち止まってやり過ごしてしまうくらいだ。

 

誰もが休憩しようと思う場所で休憩するなんて、私らしくない。でも、でも、じゃあどこで休憩すんの?と自分に疑問を投げかけながら、私は自転車にまたがり、先に進んだ。

 

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