「PoserPro」は、通常版Poserに比べ、64ビット対応やネットワークレンダリング、他の有名3DCGソフトへの連携機能がついたプロ版。
今回は上記機能を持つ「PoserPro2012」と、「Poser9」が同時に発売となった。
前バージョン「PoserPro2010」と比べて、以下の機能が追加された。
ビデオカードによって、よりリアルな、レンダリング画像に近い形でのプレビューが可能になった。おそらく、テストレンダリングを何度も繰り返さなくても光のあたり方や影の出来具合をラクに調整するためのものだと思うが、アニメーション作成にも力を発揮する。プレビュー品質があがったことで、アニメーション作成にはプレビューで充分、というケースも出てきそうだ。
シーンをまるごとライブラリに保存できるよう、カテゴリ「Scene」が追加された。
設定によって、ライブラリフォルダにサムネイルが表示できるようになる。デフォルトでそうなっていてもいいような気がするが。
また、複数のアイテムをライブラリ内で選んで(Shift+クリック)、ドラッグアンドドロップで複数アイテムをシーンに呼び出せるようになった。パーツが細かく分かれているような服を呼び出すときに、少しラクが出来そうだ。処理的には一つ一つ順番に呼び出しているっぽいが、たまに見かける「呼び出す順番指定のある服」には、うまく対応できるか未確認。
選択した対象をカメラの中心部にもってくる「Frame Selected Object」と選択対象が視点回転の中心になる「OrbitSelectedMode」が追加。ポージングの微調整などが効率化できそうだ。
体感的なものだが、間接光の処理速度があがっている気がする。レンダリングデフォルト値がいい感じに調整されただけかも知れない。
複数のプロップやフィギュアをまとめて扱うことができる「グルーピング」機能が追加。ダミーオブジェクトにペアレントして、一塊に見せるような機能。
また、コンストレイント機能が追加され、「ペアレント」状態をパラメータで指定できるようになった。特定フレームまではボールを右手の「子」にしておいて、そこから先は親子関係を解除することで「ボールを投げる」とか「物を持ち上げる」とかの動きが比較的やりやすくなったと思う。が、まだ試していない。
右クリックで出てくるメニュー(コンテキストメニュー)が充実。「名前わかんないけど、ここに表示されてるこのパーツについて操作したいな」などといった、直感的な作業が楽になる・・・かも知れない。
また、シーン上部のパーツ選択プルダウンメニューが若干整理され、選択しやすくなった。パーツごとにある程度まとめられ、以前のように、ディスプレイからはみ出しそうな縦に長いパーツリストとはおさらばである。
ウェイトマップに対応。以前までの、球やカプセル形状で関節曲げ時のポリゴンの変形制御に加え、ウェイトマップでポリゴン変形制御ができるようになった。
わりと大味なウェイトマップ作成ブラシ機能がついている。(機能自体はジョイントエディタ内にあり)
内部で使用しているPythonのバージョンが2.7になった。これにともない、pyc(パイソンスクリプトのバイナリ形式)が使えなくなってしまう。古いけど便利なpycファイルなんかがあると悲しい。
詳しい解説→ PoserPro2012を触ってみる その1 。
2011年9月現在、Smithmicroでのみ購入可能。ボックス版(Physics)と、ダウンロード版(Digital)がある。
関連:
PoserPro2012を触ってみる その1