ブロンプトン旅行記 香川県

今、私は大阪の実家に居る。もちろん、おりたたみ自転車も共にある。今回はこっから四国に行くことにした。

 

四国行って何しよう。うーん。よし、四国の健康ランドに行こう。どこいってもおんなじようなことしかしてない気がするが、まあいいか。

 

装備はデジカメがわりの携帯電話、着替え、MDプレイヤー、小型バーナー、テント、他、こまごましたものだ。

 

一泊くらいはテントを張ろうかなあ、などという適当な考えもあった。うむ、まあ、こんなもんでいいか。

 

実は「1週間天気予報」を見たところ四国はめちゃめちゃ雨が降るという予報が出ていた。そんなものを見てしまった私は大いにテンションが下がった。

 

そのテンションを取り戻すために午前中一杯かかってしまったのだ。簡単に言うと寝坊して昼になったということだ。

 

とりあえず自転車に荷物を積んで最寄り駅に向かった。うむ、いい天気だ。

 

例によって、駅に着いたら自転車を折りたたみ、黒い袋に入れる。もういっこの白い袋にはテントその他の装備が入っている。これを両肩にさげ、暑い中を行くわけだ。

 

 

電車に乗ってしまえば、あとはMDを聞いたりしながらのんびりすればいずれ目的地だ。

 

いつもは目的地から離れたところで電車を降り、適当に苦労しながら到着することで風呂が気持ちいいとか焼肉うめえとかいう効果を狙っているのだが、今回は4泊予定ということで最初は軽く流すことにした。

 

従って、しばらくの間はまるで冒険でない話が続くが辛抱して欲しい。

 

そんなのいつものことじゃん、とか思った人は鼻の穴にハエが入ってしまえ。くそう。


 

そろそろ緑の割合が増えてきた。自然だ!自然だ!

 

私は文明の利器、MDプレイヤーを大音量で聞きながら、自然が増えてきたのを素直に喜んだ。

 

西明石、姫路と通過し、兵庫県から岡山県に突入だ。

 

そして、今回はこれを使った。青春18切符。特定期間のみJR乗り放題の切符だ。5回分ある。

 

だいたい青春18切符のことを紹介してあるサイトには「18歳じゃなくても使えます!」とものすごく嬉しそうに書いてある。面白いこと言ってやったぜ!みたいな、いや、あー、わかりやすい説明が書いてある。

 

なんでこれを使ったのか。電車代を節約してやろうと思っただけだ。

 

岡山駅であたりの景色は一瞬都会になったが、四国方面に向かう電車に乗り換えるとあっというまに大自然。いいことだ。

 

そして、備前片岡という駅に着いた。本当は彦崎という駅で乗り換えなくてはいけないのに、余裕こいて乗り過ごして着いた。

 

くやしいので陸橋の上から写真をとってみる。うん、きれいだ。1時間に二本しか電車が来なくて、乗り過ごしたりすると軽く30分以上ロスするのだが、きれいだ。

 

彦崎に戻り、自転車を乗車モードに変形していると近所のおばちゃんらしき人が話しかけてきた。

 

その自転車で遠くへ行くのか、とそんなような意味のことを聞かれた。

 

ええ、このへん旅行しようと思いまして、このへんの駐車場で寝る人が居るから、ああ、それは危ないですねえとかそんな会話をした。おばちゃんは去った。

 

私は自動販売機でコカコーラC2を飲み、ゲップを4回くらいして自転車をこぎ始めた。

 

出発が遅かった上、余計なロスが発生してあっというまに暗くなる。健康ランド!健康ランド!私は先を急いだ。

 

別に疲れてない。おなかの減り具合も別に…。そんな状態だったが、私はとにかく進んだ。二日目以降、徐々にテンションを上げていけばいい。

 

倉敷市に突入!なんか聞いたことある地名だ!もうちょっとなになにで有名な倉敷市!とかがすんなり出てくるといいのだが。

 

その後、GPS等の力を借りた私は、あっけなく瀬戸大橋スパリゾートに到着したのだった。

 

<続く>

 

<続き>
テントなどかさばるものは自転車の荷台に載せっぱなしにして、貴重品の類と着替え用のシャツ、パンツのみを持って健康ランドに入る。

 

靴、というか、今履いているのはサンダルだが下駄箱に入れて鍵をかけ、それをフロントに差し出す。入場料金を支払い、ロッカーの鍵をもらった。

 

うむ、ここまでは普通の健康ランドとまったく同じだ。

 

館内着を受け取り、ロッカーに荷物をぶち込んだらさっそく風呂に入る。特にこれといった目玉はないが、一通り風呂がそろっている。バイブラ、薬湯、寝湯、サウナ、露天などだ。

 

私は考える。今回はここに至るまで、ああ風呂に入りてえ!とか思うこともなく到着した。それでもやっぱり、手足を伸ばして入る風呂ってのは気持ちいい。あとは他人がいっぱいいる前で全裸になるというのも、なんだか原始の時代に戻ったようで気持ちがいい。

 

露出狂なのかも知れない。

 

風呂から上がって飯を食いに行く。ビールと冷奴を注文する。しばらくしてブツが運ばれてきた。はこんでくるおばちゃんの愛想もいい。いいとこだな、岡山。

 

うめえ。健康ランド行ってすぐビール飲んじゃう人としてたけながさんとこのリンク集で紹介されようがうめえ。

 

うめえうめえと至福の顔で味わっていると追加注文した豚しょうが焼き定食が来た。運んでくるおばちゃんがまた愛想良く運んできてくれる。定食の中にちっこい冷奴が入っていた。しまった。ダブル冷奴だ。

 

そんな小さな失敗はあったが、定食もうめえ。うめえうめえと食っていると腹がいっぱいになった。

 

どこの健康ランドでもそうだが、ロッカーの鍵さえ持ち歩いていれば現金を持ち歩かなくてもメシが食えるのだ。支払いは健康ランドを出るときに一括で行うわけだ。

 

休憩コーナーに行く途中、まんがコーナーというのがあった。まんが喫茶なみにまんががある。私は読んだ。せっかく旅行しているのに何してるんだと言われようが読んだ。三つ目の女が召使いの男を戦わせる話で、しょっちゅう体が半分にちぎれたりしていた。そんなあらすじはあんまりだが、3X3EYES というまんがだった。

 

ほどよく目が疲れたので休憩コーナーに横になりに行く。眠くなった。リクライニングシートを倒す。隣に寝ている兄ちゃんはまんがコーナーからまんがをいっぱいパクってきて延々と読んでいた。

 

目の前がだんだん暗くなる。寝た。3時ごろに目を覚ますと隣の兄ちゃんはまだまんがをかさかさ読んでいた。なんかにとりつかれているかのように読んでいた。

 

さらに少し寝て、5時ごろに朝風呂に入った。気持ちいい。よし、だんだん楽しくなってきやがったぜ。

 

私はチェックアウトを済ませ、外に出た。地面が濡れていた。どうも夜のうちに雨が降ったらしい。

 

全く、いつも私の冒険は雨と共にある。雨が降ろうがなんだろうが、とにかく行くのだ。

 

さらば瀬戸大橋スパリゾート

 

評価: 従業員の態度 A/風呂設備 B/料理
B/その他設備 A 総合 A

 

と、評価をしたりしてみた。いい健康ランドだった。また来たい。

 

そして、自転車にまたがり、旅行二日目に突入したのだった。


<続く>
<続き>
地面はしっとり、空はどんより。それくらいの方が、ぼちぼち行くかというのんびり気分が盛り上がって良いのかも知れない。

 

健康ランドの出口付近で自殺パンを買っておいた。自殺パンというのはお金を入れて商品ボタンを押すと、中の針金がくりくり回ってパンが下にばさっと落ちる方式の自動販売機だ。昔、口の悪い友達がそう名づけた。今、googleで自殺パンを検索したら5件ヒットした。

 

自殺パン、その正体はピーナッツ味の甘いパンだ。その方式の自動販売機に入っているパンは全て自殺パンと言えるのだ。


 

ふと向こうの方に、鉄の棒から火を噴出している建物があった。石油が湧くとこでそんなような機械?を使っているのをテレビで見たことがある。

 

なんだろう。きれいだなあ。夜に見たらもっときれいかなあ。

 

近くの自販機でペットボトルのお茶を買い、近くの公園で小型イスをひろげ、自殺パンを食った。遠くで燃えてる火を見て、燃えてる燃えてる!と思いながら食った。

 

今日の予定はとりあえず四国に入ることだ。どこいらへんまで進むかは、道中考えよう。

 

瀬戸大橋まであと8キロだ。その上の鷲羽山はどんなとこだかわからない。

 

鷲がびゅんびゅん飛んでて羽がいっぱい散らかってるような山なんだろう。ちょっと楽しそうだな。

 

とりあえず、最寄り駅まで行くのだ。GPSを作動させ、最寄り駅は「こじま駅」だと判明した。導いてくれ、星の力よ!

 

健康ランドからは下り道が続き、やがて平地になった。だんだん拓けた感じになってくる。駅も近いようだ。

 

あっけなく駅にたどりつき、自転車を折りたたんでホームへ。ホームは2Fなのだが、ありがたいことにエレベータがついていた。

 

楽をしてプラットフォームに上がった。


 

 

ぷわぁーん。二階建ての電車が入ってきた。

 

白いスエットを上下に着込んだこ汚い兄ちゃんがカメラを抱えてホームを走る!マニアだ。鉄道マニアだ。

 

もの凄い勢いで写真をとる鉄道マニア。私はどうにかしてその鉄道マニアの兄ちゃんの写真を撮ってやりたかったが、相手はなかなか勘が鋭いらしくカメラつき携帯を向けるとくるりとこっちを向きやがる。

 

仕方ないので名前のわからない二階建ての電車を撮った。


 

そして二階建ての電車は去った。電車マニアは電車を追いかけて走っていった。さらば電車マニア。

 

しばらくして、乗るべき電車が来る。確か、瀬戸大橋線だ。

 

電車は結構混んでいた。しかも窓際のポジションを確保できなかった。つらい姿勢だ。片手に袋入り自転車、もう片方にそれ以外のものを入れたカバンを、床において、倒れないように手で支える。電車は発車し、徐々に四国へと近づいていく。

 

そろそろ瀬戸大橋だ。海が見えた。まわりの人は地元の人なのか、ふうんという感じだった。いや、それ以下だ。日常がそこにあるだけで、なんの感情もないような。私はと言えば、瀬戸大橋、ここで改行して、だっ!という気分。わかりにくいか。

 

私は窓からきょろきょろと外を見ており落ち着きがなかった。ああ、さっき見た棒に炎のともった建物があるぞ。ここだったか。

 

海にぽつぽつと島が浮かんでいる。これが瀬戸内海か。

 

そういう美しい景色もそれはそれでいいのだが、一つ気になることがあった。

 

四国の人は、ちょるちょる言うんだろうか。確か坂本竜馬は「…ちょる」とか「…きに」とか言っていたはずだ。お〜い!竜馬というマンガで読んだのだが。

 

ちょうどすぐ近くで中学か高校の女の子が猥談を、いや、雑談をしていたのだが普通の関西弁だった。

 

耳についたのは…しよる、という表現くらいだ。そんなに違和感はない。

 

やっぱ高知県まで行かないとだめか。

 

それはさておき、今日はどのへんで泊まろうか。あらかじめ調べておいた、鳴門市の健康ランドに行くことにした。健康ランド2連泊だ。嬉しくなってくる。

 

香川県だ。やっぱ、文字で見るとちゃんと香川に来たんだなと思う。

 

しかし香川と聞くと、まるまるした体格のドカベンというニックネームのあの人が先に思い浮かぶ。あの人はいまどうしてるんだっけな。

 


 

駅にはうどん屋があった。讃岐うどんだ。昼飯はうどんにしようかなあ。

 

ところでこれは何のオブジェだろう。ゴムボールを二人の鼻と鼻の間に挟んだままゴールしたチームが勝ち、という競技が思い出された。いや、そんなふざけたオブジェじゃないな。

 

片方が黒、片方が赤なのでこれは男女を現しているのだろう。じゃあきっとあれだ、「みんな!子ども作ろうぜ!」という呼びかけだ。でも駅で子ども作っちゃまずいよなあ。


 

そして「親切な青鬼君」の前で私は自転車を乗車モードに変形させた。

 

荷物を後部の荷台にくくりつける。自転車の前につけるかばんも設置。荷物は結構大きく、
「あの人、あんなちっちゃい自転車で夜逃げを…」と思われても不思議はなさそうだ。

 

大丈夫、そんときは急いでペダルをこいで逃げれば恥ずかしさも半減するから。

 

さて、行くか。

 

フツーに都会の高松駅前を、私は東の方向に向かって進み始めた。

 

<続く>
<続き>
東へ東へと進むと、この時点ではあまり進んでいないのだが、お城があった。線路のすぐ横だった。

 

こんなとこに電車が通ってたら殿様もうるさいことだろう。

 

城の正面のビルは丸の内ビルだった。そういえば丸の内ってのは城用語というか、城に近い場所を表しているというか、そんなような言葉だった気がするな。

 

日本全国に丸の内ビルがあるかと思うと、えー、そうだな、思うと、うーん、いっぱい丸の内OLと名乗る人たちが居るんだろうなと思った。

 

線路の向こうにあるし、渡るのも面倒だから帰ってからなんていう城か調べようと思ってたのを今思い出した。玉藻城だということだ。

 

なんだいい名前だなぁ。

 

引き続き東へ進む。

 

これだ。私はこういったものに魂を奪われがちだ。「サラリーマン割烹」。

 

サラリーマン向けの割烹なのか、サラリーマンがやってる割烹なのか、サラリーマンの雰囲気が味わえる割烹なのか。

 

きっと課長焼きとか、部長煮とか、社長鍋とかいったメニューがあるんだろう。楽しそうだ。


 

さて、そろそろ自然が広がってきた。ふふ、楽しくなってきやがったぜ。ほんとは四国に潜入した時点から楽しくて仕方がなかったのだが、こっからは人もあまり居なさそうだし、思い切り楽しみながら進むことが出来るのだ。

 

大きな川にサギがいっぱいいる。

 

サギだーっ!と大声で叫んだりするほどには私の魂は開放されていなかったので、心の中で叫ぶにとどめておいた。ただ、ちょっとくらい叫んでも逮捕されたりはしなさそうだなとは思った。
サギだ、つかまえてくれーっと言ってみようかとうずうずしながら川を通過した。だまされたー!サギだー!の方がいいかな。もういいか。

 

 

小さな池に山、そしてあれだ。「空が広い」ってやつだ。いいとこだー。

 

空が広くて自然がありさえすれば、私にはどこでもいいとこなのだった。


 

そして、そんないいとこにもカラオケはある。別にカラオケが嫌いって訳じゃあない。以前は週に二回くらいはカラオケに行ったりしてた。カラオケボックスのポイントがたまって、6時間無料の特典をゲットして、声が枯れるまで歌ったこともある。

 

なんというか、この辺にカラオケがあるということにちょっとばかし違和感を感じただけなのだ。


 

と思ったら、倒産したらしく、廃屋と化していてさんざん破壊されていた。

 

せいじゃひっすいとか、そういう難しい言葉を思い出すこともなく通過する。ああ、壊れてる、くらいの感じだ。

 

もはや、私はささいなことを大げさに楽しめるという、冒険モードに切り替わっていた。

 

そして、ささいではないことが起こる。

 

当時の私は歩道を自転車で走っていたのだが、正面から歩いてくる奴がいた。

 

白い馬だった。馬はおっさんに引かれており、馬の背には小学生くらいの男の子が仏頂面で乗っていた。

 

私の感想は「うわ!馬だ!」だった。もう、事実をそのまんま心でつぶやいているだけだ。

 

近づいてくる。どうしよう、離れたほうがいいんだろうか。

 

蹴られるかも知れない。

 

あと3メートル。2メートル。1メートル。でかい。馬というものはこんなにでかかったのか。

 

すれ違いざま、暴れ馬と化して周囲の人々を食いちぎる様子を想像したが、ぱっこぱっことノーテンキな音を鳴らして馬はそのまま去った。

 

さすが四国、今でも馬が歩道を歩いているらしい。私の実家、大阪でも昔は馬にのって道路を歩いてる人はいたが、この時代にお目にかかれるとは。

 

馬はちょっと汚れていて、白馬というよりは灰色馬だったが、遠ざかっていく馬の尻をなんとか写真に収め、きてよかったなあ、と心の底から思った。

 

冒険しようぜ(四国編)2へ続く


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