→情報元 e frontier America, Inc. - e frontier extra - October 31, 2006(英語)
順に見ていこう。
1.マルチスレッドレンダリングにより、レンダリング速度が最大4倍に!
→複数のCPUを搭載したパソコンならば、レンダリング速度が4倍になるということのようだ。CPUを4つ積んでいれば、4倍とは行かなくても、2~3倍くらいは出るのだろう。スゴイことなのだが、私の持っているシングルCPUのマシンには関係なさそうだ。
2.タイルテクスチャローディング(?)機能により、さらに複雑なシーンをレンダリング可能!
→今までは巨大な高精度テクスチャを多用したフィギュアなどはすぐにメモリ不足になってしまい、結局テクスチャの精度(最大テクスチャサイズ)を低くしてレンダリングしなければならなかった。しかし、新機能の「タイルテクスチャローディング」により、メモリ消費量は10%以下になる。ハードディスクキャッシングの結果、必要なメモリ量は劇的に減少。これは地味ながらかなり嬉しい。しかしその分、レンダリング速度はかなり遅くなりそうだ。
3.HDRIサポートにより、さらにリアルな画像を作成できる!
→HDRIサポートにより、アナログ写真なみのクォリティが!ちょうど、HDRI素材を衝動買いしたところだったので、嬉しい。
プロセス分割によるレンダリング
→シーン全体を細切れにして、少しずつレンダリングするということだろうか。複雑なシーンの場合、シーン全体を一気にレンダリングするよりもメモリを効率よく使ってレンダリングできるので、結果としてレンダリングが速くなるということらしい。今までは、複雑なシーンはそもそもメモリ不足になってレンダリングが出来なかった。
AO(環境閉塞)の計算が、クォリティの妥協なしにスピードアップ
→Irradiance Caching機能により、スピード最優先、品質最優先を設定可能。すごいこだわりの機能のようだ。
Occlusion Cullingによるレンダリング時間の短縮
→レンダリング時に、シーン内のカメラに写ってない物体を無視することで、レンダリング速度を上げるということらしい。わざわざ、Occlusion Cullingなどと名前がついているが詳細はよくわからない。
FireFlyの新機能、kd-tree Ray Acceleratorによる高速レイトレーシング
→シーン内の物体が多い場合に威力を発揮するらしい。詳細は不明。群衆シーンなどに役立つのか。
被写界深度の計算が超高速に
→詳細は不明。フォグ効果というか、カメラのピントがあってない部分がボケるというリアル化に必須な機能が高速化されるようだ。
今回は主に、レンダリング面強化のようだ。はっきりいって、いままでの「手に入れる理由」はどれも微妙だったが、今回の改善はよくやったと言いたい。
関連:
奥行き感を出してみる(被写界深度)