山梨サイクリング 石和温泉で冒険しようぜ

山梨サイクリング 石和温泉で冒険しようぜ

山梨でサイクリング 石和温泉へ

山梨でサイクリング 石和温泉へ

甲府の石和温泉へ、自転車で行こう

三連休。

 

土曜の朝、私はジーンズメイトで念入りに手袋を選んでいた。

 

今回の冒険に必要なアイテムなのだ。行き先は石和温泉。

 

温泉という響きからイメージされるのは、風呂はいってうまいもん食って、ぷはー。どこが冒険かと問われたとしたら、まあいいじゃんかと答えよう。そうしよう。

 

とにかく出かけるにあたって、寒いから手袋を買っていこうと思ったわけだ。
去年買ったはずの手袋は、
私の部屋でときどき発生するブラックホール現象によってかたっぽが失われていた。

 

手袋以外にも、よく靴下のかたっぽがこの現象によりどこかにいってしまうのだ。
この謎はいまだ解明されず、私の部屋には相方を失った靴下がたくさんいる。

 

とにかく気に入った手袋をみつけ、買った。
あったかそうだ。頭には、帽子のかわりに筒状の手ぬぐいというかバンダナというか、
そういうのをかぶっている。

 

風が冷たいときは、耳を中に入れたりして寒さから耳とか、テンションの高さとか色々なものを守るのだ。

 

時刻はすでに11時過ぎ。ゆっくりし過ぎなのはいつものことだ。店の外で手袋を装着し、気分を盛り上げる。

 

そして、いつもの折りたたみ自転車、GPS,着替えなどを持って電車にのり、山梨県石和温泉にたどりついたのだ。約2時間だ。

 

 

晴れてて、山とかあって、わりと静か。これはいい。

 

健康ランドが周辺にあり、自然に囲まれた場所。そんな場所を求めて、私は今回もはるばるやってきたのだった。
途中、ラーメン屋があったので入ってみた。主なメニューは東京風しょうゆ、九州風とんこつ、北海道風みそだった。

 

山梨風なんとかをメニューのすみずみまで必死で探した私は、あきらめて九州とんこつを注文した。味はなんというか、普通だった。

 

石和温泉健康ランドに宿泊

 

 

駅からあっというまに石和温泉健康ランドに到着した。

 

今回は、5000円ほどのシングル部屋料金を払うと、健康ランド施設が使い放題の上、さらに個室でゆっくり寝ることができるのだ。

 

これは画期的だ。

 

さっそく風呂に入る。バイブラ風呂、超音波風呂、露天風呂、タル風呂。サウナとかもある。健康ランドとしては、普通に充実している。

 

夕方ごろに、「朝から行方不明だったxxさんが無事見つかりましたー」とあちこちに知らせて回っている車が外を通ったほかは、特に何もなく、あっというまに夜になった。

 

 

昼は太陽が出ていて比較的あったかかったが、夜はいきなり寒くなる。

 

風呂に入ったあと、大宴会場に晩飯を食いに行った。

 

ビールを飲んだ。枝豆を食った。色々注文した。

 

メニューとかを見ると、どうも山梨の名物は馬刺しとほうとうとワインらしい。ほうとうは単なる煮込みうどんだろ、みたいな感じがして注文しなかった。

 

腹がいっぱいになった私は、腹減らし効果を狙って再び風呂に行った。

 

風呂はいってちょっと寝て、風呂はいってを繰り返す。

 

 

朝になってしまった。

 

今日もいい天気のようだ。これはどこかに出かけないともったいない。

 

通常、私は健康ランド自体を目的にしている。ところが今回は当初から目的が達成されてしまっているのだ。これは困った。

 

地図を見てみた。

 

特にこれといって行きたいところが見当たらない。ふと、キャンプ場が目についた。

 

国道140号を北上。笛吹川で鴨を見る

 

冬のキャンプ場でキャンプしてるような人っているんだろうか。焚き火でなんか焼いて食ったりするのは楽しそうではある。冬用の装備も色々必要なんだろな。

 

というわけで、チェックアウトして、比較的近くにあるキャンプ場を目指すことにした。

 

 

太陽がぴかあ。私は逆光の写真がわりと好きだ。

 

さあ、待っていろキャンプ場。誰も居なくてがらんとした荒地を想像したりしながら、私は気分を高め、自転車をこぎ始めた。


 

 

はるか向こうに、雪のつもった山が見える。今は1月。そういう時期なのだ。


 

 

さて、キャンプ場までは国道140を北に向かえばいずれたどり着きそうだ。

 

しかし、国道は車が激しく通っており、歩道もせまい。自転車をこぐ身としてはおもしろくない。

 

そして今回もGPSを取り出し、私はわき道にそれ、自然いっぱいの道をニタニタしながら走っていくのだ。

 

わき道に入ると小さな川があり、川にそって道があるようだ。車はほとんど通らない。よし。

 

私は川にそって、進み始めた。
(大きめの川は笛吹川だが、分岐した小さい川は「西川」だったっぽい。後で調べた)

 

 

川に鴨が大量にいるところがあった。なぜかでっかい鯉も大量に泳いでいる。

 

近くの看板によると、鯉は市だか町だかで放流したものだということだ。

 

羽の中に首を突っ込んだまま気持ちよさそうに水に浮いている鴨を、私はぼーっと見ていた。鯉もでっかいなぁ。

 

不意に、川の少し上流のほうでざぱっと音がした。

 

見ると、コック姿のおっちゃんがバケツの中身をぶちまけている。

 

グワッ。ガ・ガガッ。

 

一斉にそちらの方向に向かう鴨たち。鴨だけではなく、鯉も一斉にそちらに向かっていく。

 

バケツの中身は豆腐みたいだった。おっちゃんは鴨とか鯉が豆腐らしきものをばくばく食っているのを見ると満足げにレストランらしき建物の裏口に消えていった。

 

鴨は水にういている豆腐の破片をじょうずにくちばしで拾ってはもごもごと食っていた。ソムリエがワインをテイスティングしているような、場違いな上品さがあった。

 

万力公園周辺 鳥が一匹も居ない千鳥池に文句を言う

 

あんまり見ていると私も腹が減ってきたので、適当に切り上げて先を急ぐことにした。

 

 

道中、火の肉屋が!

 

よくみると焼肉屋だったのだが、そのネーミングはどうだろう。意味がわからないというか。

 

やはり山梨にまつわる何かを食いたいなと思っている私は、焼き肉屋をパスして先を急いだ。

 

 

山梨市に到達!

 

というか、電車で山梨市を通過して石和温泉でおりたので戻ってきていることになる。

 

とにかく、「山梨市」という漢字をみることによって、山梨気分を盛り上げるのだ。

 

 

その後もぐねぐねとわき道を進んでいくと、「万力一区」という交差点に出た。

 

まんりきいっく。まんりキィーック!なかなか威力がありそうな地名だ。

 

続いて、「万力二区」という交差点に出た。

 

まんりきにく。うむ、これは。まあいい。

 

そして、ついに「万力公園」というところにたどりついた。この公園内にキャンプ場があるということだ。
万力公園にはものすごい数の車が駐車されていた。これは、地元の人気スポットなのだろうか。

 

人気スポットもいいのだが、私はおしっこがしたかった。外気温が寒いと排水頻度が増えてしまうのだ。

 

 

公園内の千鳥池という池のほとりで無事トイレを見つけた。ほっと一息。

 

この池は千鳥池なのに鳥がいっぴきもいなかった。なにが千鳥だ。金返せ。払ってないけど。

 

あとはトイレを探し回っていたときに、「成人式用臨時駐車場」とかの看板を見かけた。

 

そうか、成人式だったのか。私の知らない間に冬キャンプが大ブームになっていて、みんなが一斉に押し寄せていたとしたらどうしようと思ったが、大丈夫なようだ。

 

 

鳥の居ない千鳥池でしばしのんびりする。

 

空が広い。

 

静かだ。

 

だが、今回の私はあまりにも安易にこの場所に到達したため、ありがたみというかなんというか、そういったものが欠けていた。


 

 

公園内を少し移動する。

 

鼻をつく刺激臭。

 

これはあれだ。

 

動物園の匂い!

 

子供でも居ない限り、友達とかを誘っても白い目で見られる動物園。そんな臭いとこに行きたくないとか言われる動物園。

 

言っておこう。私は動物園が好きだと。匂いなんてものは5分もすれば慣れる。多分。

 

さて、その動物園の匂いの元は、シカとにわとりだった。
(万力公園 動物広場という場所だったらしい)

 

 

地面に「ふせ」の状態でぼげーっとするシカたち。草を食ってるやつ以外はもう、みんなやる気なさそうにぼげーっとしている。

 

とは言え、見物人を楽しませるべくやる気まんまんのシカが居たとしたらそれはそれでなんかいやだ。

 

シカがぼーっと座っている間をにわとりがコケコケいいながら歩いていく。さらに水を飲み終わった鴨がお尻を振りながら去っていき、誤って別の鴨の縄張りに入ってしまったのか、追い掛け回されていたりした。

 

「ちょっとあなたあっち行きなさいよ」
「断る。ここはおれの水のみ場だ。」
「きさま!」
と頭の中でにわとりにセリフを割り当てていると子供が寄ってきて「うぎゃあ!」と騒ぎ出したので移動した。

 

 

くじゃくコーナーにやってきた。

 

くじゃくはせっかくきれいな羽を持っているくせに、なぜか地面を掘っては掘った土をかぶって遊んでいた。

 

今思えば寒さを防ぐための知恵かも知れない。

 

「ひらきな」
「遠慮するな、先にひらけ」
「いいだろう。おれの羽をみてみろ!」
と頭の中でくじゃくにセリフを割り当てているとさっきの子供が寄ってきて「うぎゃあ!」と騒ぎ出したので先に進んだ。

 

 

ここは噴水広場という名がついていた。奥のほうに噴水というか、人口のちっこい滝がある。

 

手前の噴水はきっと経費節減とかで止まっているのだろう。

 

奥のほうには微妙な年齢のカップルが座っており、

 

「水の流れがきれいね」
「いや、きみのほうがもっと」

 

といった会話がかわされているといやなので、離れて写真をとった。

 

 

ハクチョー!

 

別の池には白鳥が浮かんでいた。寒いせいか、片足を上げて浮かんでいた。

 

白鳥の顔をまじまじとみつめることもあまりないので見つめてみた。

 

昔、新造人間キャシャーンに出てきた白鳥がなんかかっこよくて、そのイメージをいまだに抱いている私だったが、目の位置が想像してたあたりになくて、少しがっかりした。

 

白鳥は少しとおくから見るのがいいようだ。

 

 

そして上をみると、青い空をぼーっと、いや、しっかりと見つめる多分偉い人の銅像。

 

銅像というか石像。

 

何をした人なのか特に興味もなかった。

 

「夜な夜な抜け出してはシカにまたがって近隣を荒らしまわります」とかそんな注意書きが書いてあれば私も必死になるのだが。

大衆食堂「想い出」を見かけたが、別のしょうもない店で飯を食う

 

いい加減腹の減った私は、飯を求めて万力公園を去った。
そういえばキャンプ場を求めてここに来たような気がするのだが、まあ色々おもしろいものも見れたしいいか。

 

(2023年考察。当時目指したキャンプ場は完全に山の中にあり、10kmくらいは離れてた。今考えると自転車でいけそうと考える距離感覚がおかしくなってた)

 

 

ふと通りかかった大衆食堂「想い出」。

 

その名前はスナックとかにつけたほうがいいんじゃないだろうか。大衆食堂なら「はらぺこ」とでもつけておいたほうが共感が得られるんじゃないかと思う。

 

それとも、忘れてしまったあのことを想い出す豚汁、とか、心の一番大事なところにある肉じゃが、とかそういうメニューがそろってるのだろうか。

 

ちなみにこの店の写真をとろうと、自転車に乗った状態で上半身をひねったら背中がつって痛かった。

 

 

そんな訳で、結局これといってよさそうな店は見つからなかった。

 

観光客を食い物にしてそ、いや、観光客が行きそうな感じの店があったので入る。

 

タンタン麺+モツ煮セットというよくわからない組み合わせのを注文した。化粧の濃いおばちゃんがやってて、接客態度も悪かった。

 

さすが観光客を食い物にしている店だ。二度とくるまい。

 

(なお、2023年に検索したら「想い出」は消滅しており、ときの流れを感じた。文中で名前を出さずにディスった「喜多八」は存続。)

 

 

店を出るとき、ブルドッグに似た犬がどへーっと寝ていて踏みそうになった。


 

 

とにかく腹がいっぱいになった私は、
昨日泊まった健康ランドに再度泊まることに決めた。

 

電話をすると部屋は余裕で空いてるらしい。

 

おなかいっぱいの状態でのんびりと健康ランド方面に戻る。

 

この時期、あちこちで枯れ木を燃やしているのかなんなのかよくわからないが煙が上がっていて、それが偶然幻想的なような気もしないでもない光景を作り出していた。

 

ただし、けむいので特にロマンを感じたりする余裕はない。

 

 

自転車をとめると車も通ってなくて、人もいなくて、静かな感じ。

 

静かなんだけど、音の漏れないマンションにいるのとはまた違う静かさなのだ。

 

多分、これこそが私が求めているものだ。

 

石和健康ランドのジャグジーに心惹かれるが、スルー

健康ランドに戻り、チェックインして風呂入って、飲んで食ってぷはー。


 

 

3連休最後の日の朝になってしまった。

 

本当は明け方くらいにチェックアウトして空いてる時間帯に帰ろうと思ったのだが、起きたらすでに8時だった。

 

しょうがないので風呂に入って、10時前くらいにチェックアウトした。

 

 

実はこの健康ランドには湯遊び館という別館があり、水着で入れるジャグジーとかプールがあったのだ。

 

しかし、それは健康ランドというおっさんにならないと楽しめない娯楽に飽きて騒ぎ出すこどもを隔離するための恐るべき施設だったのである。多分。

 

というわけで結局行くことはなかった。

 

 

さらば石和健康ランド。石和と書いていさわと読む。

 

規模は小さいけどなかなかよかったよ。また会おう。


 

 

そして、山梨名物とやらの変なお菓子とかワインを両親に土産として送りつけたり、帰りに退屈しないように小説を買ったりして鈍行で帰ってきたのだった。

 

今回学んだのは、冬の自転車旅行もまあそれなりに楽しめる、ということだ。

 

まあ、そんなわけで日記を終わる。


山梨県 石和温泉周辺の宿情報

 


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