

北海道オホーツク海沿岸に位置する雄武町は、人口約5,500人の小さな町ですが「毛ガニと言えば雄武町」と道産子たちが認める名産地なんです。雄武町の毛ガニ漁獲量はオホーツク振興局管内でトップを誇り、その品質も「身入りがよくて甘みのある毛ガニ」として全国的に高い評価を得ています。
参考)毛ガニといえば雄武町
雄武産毛ガニの美味しさの秘密は、冬の間オホーツク海を覆う流氷にあります。流氷が運んでくる栄養豊富なプランクトンを冬の間たっぷりと食べて育った毛ガニは、殻にみっちりと身が詰まり、カニ味噌も充実した状態になるんです。この状態の毛ガニが最も美味しく、高値で取引されています。
参考)毛ガニ/北海道雄武町
雄武町では流氷に閉ざされて漁ができない冬を経て、3月下旬から7月下旬が毛ガニの漁期となります。特に流氷が解け始める3月以降の「流氷明け毛ガニ」は、身がパンパンに詰まり甘みも旨味も強く、カニみそもたっぷりで、オホーツク沿岸では春の訪れを教えてくれる風物詩でもあります。
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雄武町公式サイトの毛ガニ紹介ページでは、雄武産毛ガニの特徴や漁期について詳しく解説されています。
雄武のオホーツク海が屈指の漁場となっている理由は、1月下旬から2月にやってくる流氷がもたらす恩恵が大きいと考えられています。流氷のメカニズムは近年の研究で徐々に解明されつつあるんです。
参考)流氷
流氷の底には「アイス・アルジー」と呼ばれる植物プランクトンの一種である小さな藻類が住み着いています。これは汚れではなく、太陽光線が届く限り光合成をして、海水やブライン(濃縮塩細胞)から栄養分を取り込む植物なんです。流氷の底にはこのアイス・アルジーという植物=エサがあるため、流氷の下に住む小さな魚たちや海底にいるウニやカニなどもこれをエサにしています。
流氷が解ける春にはアイス・アルジーが爆発的に増え、海に生きる生物の食物の基礎となっていきます。このようにして流氷はオホーツク海をミネラル豊富な海にし、世界屈指の漁場になっているんです。毛ガニたちは冬の間、流氷の下でじっと春を待って生活しながら、カニにとって外敵の少ない空間で流氷に含まれるプランクトンをたっぷり食べているため、身がしっかり詰まった状態になります。
雄武町観光協会の流氷解説ページでは、流氷がオホーツク海の恵みをもたらすメカニズムについて科学的に詳しく紹介されています。
雄武町の毛ガニ漁は3月下旬から7月下旬まで行われますが、最も美味しいとされるのが流氷明け直後の3月から4月にかけての時期です。令和6年の雄武町では3月16日から水揚げが開始され、4月末時点での漁獲量は58.9トン(前年同時期比152%)と前年を大きく上回る状況となっています。
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毛ガニには身入りを表すランクがあり、「脱皮蟹」から「堅蟹」まで分類されます。一番下のランクである「脱皮蟹」は脱皮したばかりで体力を使い果たし、身はスカスカでカニ味噌も少ない状態です。一方、身入りが8割から9割以上の最高ランク「堅蟹」は高級料亭やレストランに卸され、一般に流通することはほとんどありません。
カニには1特、2特、3特、4特というランクがあり、数が多い方がランクが高く、3特は高級料亭で出されるクラス、4特はとても希少なものとされています。販売されている毛ガニは脱皮直後の「若ガニ」と脱皮直前の「堅ガニ」の2つに分かれ、若ガニは安価ですが身が痩せて味噌も水っぽい一方、堅ガニは身入りが良く高品質です。
参考)北海道に行ったら絶対食べたい!雄武町の毛ガニ|JTB旅カード
素人にはほとんど見た目での判断がつかないため、よほど毛ガニの目利きに自信がある人以外は、プロに選んでもらったほうが確実です。雄武漁協では水揚げされた毛ガニの中から最高品質のものだけを厳選しており、有名な老舗の料亭や東京の一流レストランが取引先として名を連ねています。
雄武産毛ガニの最大の魅力は、獲れたての毛ガニを水揚げ後すぐに茹でる「浜ゆで」で、これは地元ならではの絶品なんです。また、冷たい海の中でキュッと引き締まった毛ガニの刺身はまさに本物の味で、カニ通の間では「毛ガニの刺身が通」とされています。ただし毛ガニの刺身は冷凍保存できないため、漁期に合わせて雄武町を訪れる必要があります。
毛ガニの基本的な調理方法は塩ゆでで、大きめの鍋に毛ガニがしっかり浸かる量の水を入れ、海水程度(約3〜4%、水1リットルに対して塩30g前後)の塩を加えます。水が沸騰したら毛ガニを甲羅を下にして鍋に入れ、中火から強火で15〜20分ほど茹でます。小さめのカニは約16分〜18分、大きめのカニは約18分〜20分が目安です。
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茹で上がった毛ガニはすぐに氷水に移して冷やすことで、身離れが良くなりふっくらとした食感に仕上がります。このひと手間で、より美味しく毛ガニを楽しむことができるんです。毛ガニは塩ゆでや蒸し蟹が人気の食べ方で、特にカニ味噌が人気です。脚の第1関節を外し、中の身をカニスプーンで崩さないようにすくって、カイワレを敷いた小鉢に盛り付け、天にカニ味噌を載せイクラを添えると料亭風の一品になります。
参考)北海道グルメ☆ 毛ガニの美味しい食べ方 レシピ・作り方 by…
毛ガニの食べ方の詳しい解説ページでは、毛ガニのむき方やさばき方が写真付きで丁寧に紹介されています。
毛ガニの濃厚なカニ味噌を生かしたメニュー応用も幅広く、カニすきや茹で蟹はもちろん、カニめしや甲羅酒など、その活用法は無限大です。和食だけでなく中華料理やイタリアン、フレンチなど、どんな料理にも合う素材なんです。
冷凍毛ガニには、生の状態で冷凍された「冷凍活毛ガニ」と、一度ボイルしてから冷凍された「冷凍ボイル毛ガニ」があり、それぞれ解凍時の注意点が異なります。
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冷凍活毛ガニは調理直前に食べる分だけ袋に入れ、流水で手早く解凍するのがポイントです。直接水がカニの身に触れないように注意し、解凍後に調理をする場合は半解凍程度で調理するのがおすすめです。解凍しすぎると身が黒ずんだり品質が落ちてしまうため注意が必要です。
一方、冷凍ボイル毛ガニは冷蔵庫でじっくりと12〜24時間かけて解凍するのが最適です。冷蔵庫で解凍する場合は、キッチンペーパーや新聞紙で包み、バットやパッドにのせて甲羅を下にして解凍すると、カニ味噌や旨味が流れ出るのを防げます。急ぎの場合は袋に入れて流水で30分〜1時間ほど解凍する方法もありますが、解凍しすぎには注意しましょう。
雄武産毛ガニの場合、解凍方法は甲羅を下側にして冷蔵庫で8時間程度ゆっくりと解凍することが推奨されています。時間はかかりますが、旨味の流出を抑えることができるんです。毛ガニは解凍後、冷蔵庫で保存し24時間以内に食べるのがおすすめで、長時間保存すると味や食感が劣化しやすくなります。
参考)https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=1206195
| 加工タイプ | おすすめの解凍方法 | 解凍時間の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 活(生)毛ガニ | 流水解凍 | 30分~1時間 | 直接水に当たらないよう手早く解凍 |
| ボイル毛ガニ | 冷蔵庫で解凍 | 12~24時間 | カニが乾燥しないよう注意しじっくり時間をかける |
毛ガニは約8割が水分で、100g中のカロリーは生で72kcal、茹でたものでも83kcalと低カロリーです。しかし、グルタミン酸やアスパラギン酸をはじめ各種アミノ酸がたっぷりと含まれ、旨味の強い食材となっています。
参考)ケガニ (毛蟹)の栄養価と効用:旬の魚介百科
他の三大ガニと比較すると、毛ガニは最もたんぱく質とビタミンEが多く、リンなども豊富に含んでいます。リンは強い骨や歯を形作るのに重要な栄養素です。カルシウムやリンといった骨の素ともなるミネラルの他、マグネシウムなどもバランスよく含んでいます。
参考)カニの栄養素とは?たんぱく質や脂質など五大栄養素や種類ごとの…
カニ身の赤い色はアスタキサンチンという色素で、これはβ-カロテンやリコピンなどと同じくカロテノイドの一種です。高い抗酸化作用を持ち、血管を健康に保ったり免疫力を高める効果があるとされています。ただし、これは食べない殻に多く含まれているんです。
| 成分 | 毛ガニの特徴 |
|---|---|
| エネルギー(100g当たり) | 生:72kcal、茹で:83kcal |
| 豊富な栄養素 | たんぱく質、ビタミンE、リン、カルシウム、マグネシウム |
| 特殊成分 | アスタキサンチン(抗酸化作用) |
| アミノ酸 | グルタミン酸、アスパラギン酸など各種 |
毛ガニは他の三大ガニに比べて栄養素のバランスが高く、どのような調理法でも対応できます。その中でも塩ゆでや蒸し蟹が人気の食べ方で、カニ味噌は特に美味しいため殻の中で食べるのがおすすめです。
参考)【健康のためにはカニがおススメ!? 旨いだけじゃない! カニ…
雄武町では毎年4月下旬に「毛ガニまつり」が開催され、道内から数千人の観光客が訪れます。このお祭りは雄武漁協が主催するイベントで、毛ガニの一番美味しい時期に獲れたばかりの毛ガニをその場で茹でる「浜ゆで毛がに」や、毛ガニの旨味がたっぷりしみ出た「毛がに汁」が販売されています。
参考)毛がに(3月下旬〜7月下旬)
浜ゆでの毛ガニを格安で買うことができることも人気の理由で、毛ガニのほか浜焼きやホタテ焼きなども楽しむことができます。毎年恒例の毛ガニ祭りは、道の駅おうむ前「サンパロット広場」にて午前10時より開催されます。
参考)https://www.town.oumu.hokkaido.jp/material/files/group/10/docs_1_14.pdf
お祭りに実際に行って自ら毛ガニを仕入れることができればベストですが、遠方の方には通販を利用する方法があります。雄武漁協直販店「海鮮丸」では、雄武産の毛ガニを通販で購入することができ、冷凍ボイル毛ガニは約280gで2,700円から、約1.0kgで9,500円などのサイズが揃っています。
参考)毛がに
エーコープ雄武では、雄武町で水揚げされた鮮度抜群の毛ガニをプロの手で茹で急速冷凍することで、毛ガニ本来の旨みをぎゅっと閉じ込めた商品を販売しています。北海道雄武産毛ガニ670gのボイル冷凍は8,900円(税込み)で販売されています。
参考)【お中元にも最適】北海道雄武産毛ガニ660g(ボイル/冷凍)…
雄武漁協直販店海鮮丸の公式通販サイトでは、産地直送の雄武産毛ガニを様々なサイズから選んで購入できます。
通販で冷凍の毛ガニを購入する際は、漁協から直接買い付けることにより新鮮で良質な天然毛ガニだけを厳選している業者を選ぶのがポイントです。この道数十年の経験による熟練の目利き力を持ったプロが、甲羅の形状や色、ズッシリとした重さ等から絶品の毛蟹だけを選別して仕入れた商品なら安心です。
参考)毛ガニ通販お取り寄せ専門店【北海道長万部産/噴火湾産】|ふる…
美味しい毛ガニを選ぶポイントは「重み」と「身入り」で、手に持ったときにずっしりと重いものは身がしっかり詰まっています。また、甲羅の幅が大きいものや、脱皮から時間が経って殻の固いカニは「堅ガニ」と呼ばれ、身入りが良い個体です。美味しい毛ガニを選ぶ時は殻が固く、甲羅の色が鮮やかで全体にハリとツヤがあるものを選びましょう。
参考)初心者でも簡単に作れる毛ガニの定番レシピとアレンジレシピを紹…
| 購入方法 | 特徴 | 価格帯の例 |
|---|---|---|
| 雄武町毛ガニまつり | 浜ゆでを格安で購入可能、毎年4月下旬開催 | イベント価格 |
| 雄武漁協直販店 | 産地直送、冷凍ボイル毛ガニ | 280g:2,700円、1.0kg:9,500円 |
| エーコープ雄武 | プロの手で茹で急速冷凍 | 670g:8,900円 |
雄武産毛ガニは1年を通して冷凍保存されたものを購入できるため、「雄武町の毛ガニ」にこだわる人でも困ることはありません。カニの選別は大変難しく素人には見た目での判断がつかないため、信頼できる業者のプロに選んでもらったほうが確実です。春から夏にかけてたっぷり身の詰まった品質の高い雄武町産毛ガニをお探しの方は、雄武漁協や信頼できる通販業者から購入することをおすすめします。
市場に行って、お安い蟹をゲットできたら言うことなし!ですが、
混んでるのが苦手…
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ふるさと納税でもらえる、北海道八雲町の毛ガニ
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↓ 日本酒に最高に合います。食べ終えたら甲羅酒。
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北海道の毛ガニの甲羅盛り
甲羅に、カニミソと身がみっちり。食べ終えたらカリカリに炙って、甲羅酒に。
