

香箱ガニの漁は毎年11月6日に解禁され、北陸地方の冬の訪れを告げる風物詩となっています。この日は二十四節気の「立冬」にあたることが多く、冬の始まりとカニを連想させるため11月6日に設定されたという説が有力です。石川県では加能ガニ(オス)と香箱ガニ(メス)が同日に解禁となり、金沢の市場や食卓には翌日から新鮮なカニが並びます。
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香箱ガニの漁獲期間は11月6日から12月29日頃までのわずか約2ヶ月間と、非常に短く設定されています。一方、オスの加能ガニは翌年3月20日頃まで漁が続くのに対し、メスは産卵を控えた貴重な個体であるため資源保護の観点から漁期がかなり制限されているのです。この短い期間しか食べられないという希少性が、香箱ガニを「冬の味覚の女王」や「幻のカニ」と呼ばせる理由となっています。
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石川県内では、香箱ガニの水揚げ量は年によって変動しますが、2022年シーズンには前年比6割増の134トンを記録するなど、資源量は回復傾向にあります。底引き網漁業者が成長段階の水ガニ(若いズワイガニ)の禁漁に取り組んだ成果が表れており、漁獲金額も15億円を超える好調ぶりでした。
参考)ズワイガニ漁好調 香箱ガニの水揚げ量134トンで前季6割増
香箱ガニを最も美味しく味わえる時期は11月下旬から12月末まで、特に12月が旬のピークです。この時期、産卵を控えた香箱ガニの内子(卵巣)は時間とともに熟成され、濃厚でコクのある味わいになります。外子(受精卵)も粒が大きくなり、プチプチとした食感が楽しめるようになるのです。
参考)https://kinmisake.com/collections/kobako-gani
水温が下がることで身に甘みが増し、カニミソもクリーミーに変化します。12月は味覚・食感ともに最高のバランスが整うため、「食べるならこの時期」と地元でも言われています。旬の香箱ガニは、内子がオレンジ色で密度が高くなめらか、外子がぷちぷちしてハリと弾力があり、身は繊細だが甘みが強くミソとの相性も抜群です。
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香箱ガニの主な産地は石川県、福井県、鳥取県、兵庫県、京都府など日本海沿いの山陰地方です。地域によって呼び方が異なり、石川県では「香箱ガニ」、福井県・兵庫県・鳥取県では「セイコガニ・セコガニ」、鳥取県では「親ガニ」、京都府では「コッペガニ」と呼ばれますが、すべて同じズワイガニのメスを指します。
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| 地域 | 呼び方 | 漁期 |
|---|---|---|
| 石川県 | 香箱ガニ | 11月6日~12月29日 |
| 福井県 | セイコガニ・セコガニ | 11月6日~12月末頃 |
| 鳥取県 | 親ガニ・セイコガニ | 11月6日~12月末頃 |
| 京都府 | コッペガニ | 11月6日~12月末頃 |
| 兵庫県 | セイコガニ | 11月6日~12月末頃 |
石川県では能登、金沢、橋立などで水揚げされたズワイガニのオスを「加能ガニ」と呼び、加賀から能登の漁港で水揚げされるブランドガニとして知られています。
金沢では香箱ガニの解禁日から、おでんに「かに面」を入れる独特の食文化が見られます。かに面とは、甲羅にカニ身や内子、カニミソを詰めておでん種にしたもので、他の地域ではまずお目にかかれない金沢ならではの一品です。11月7日頃から飲食店では茹でたての香箱ガニがカニ酢で提供され、1日10食限定で3,500円程度で販売されるところもあります。
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香箱ガニという名前の由来には諸説あり、「子をば食う」から転じたという説や、金沢の方言で小さくかわいいものを「こうばく」というからという説があります。いずれにしても、香箱ガニは「子を食べる」ことに最大の魅力があるカニなのです。
参考)https://style.nikkei.com/article/DGXZZO09126490T01C16A1000000/
美味しい香箱ガニを選ぶには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。生の香箱ガニを選ぶ際は、まず活きの良さを確認しましょう。活発に動いていて全体的にツヤがあり、甲羅が乾燥していないものが新鮮です。脚の付け根が黒ずんでいるものは時間が経って鮮度が落ちている証拠なので避けてください。
持ったときにずっしりと重いものは、身やカニミソが詰まっている証拠です。腹部の状態も重要なチェックポイントで、腹が黄色味を帯びていて押しても凹まないものは身が詰まっています。新鮮なものは臭みがなく、カニ特有の良い香りがほんのりする程度です。匂いが強すぎる場合はカニのエキスが漏れ出している可能性が高く、鮮度が落ちています。
香箱ガニを選ぶ際の独自ポイントとしては、外子がぽってりしているものが良いとされます。外子が黒味がかかっているものは「黒子」と呼ばれ、黒いほど成熟度が高く美味しいという目安になります。
参考)「美味しい松葉ガニ、セコガニ(親ガニ)、若松葉ガニの見分け方…
香箱ガニを購入後に保存する場合は、適切な方法を守ることが大切です。生の香箱ガニは鮮度が良いうちに食べるのが基本ですが、食べきれない場合は生のまま冷蔵・冷凍するのではなく、必ず茹でてから保存しましょう。生のまま保存すると、カニに含まれるアミノ酸が原因で黒く変色し、味も落ちてしまいます。
茹でた香箱ガニは、ラップや新聞紙で2重3重に包み、さらにビニール袋に入れて保存します。冷蔵保存なら1~2日程度、冷凍保存なら3~4日程度が目安です。カニには水分が多く含まれるため、乾燥させないことがポイントで、乾燥するとパサパサになり旨みも抜けてしまいます。
解凍する際は、冷凍庫から出してさっと水道水をかけて表面のグレース(氷の膜)を洗い流し、水気をふき取ります。その後、カニの腹を上にして受け皿やボウルに置き、1日ほど時間をかけて冷蔵庫で解凍するのが推奨される方法です。一度解凍したカニには旨みや水分がほとんど含まれなくなるため、再冷凍は絶対に避けてください。
参考)https://skynet-c.jp/blog/article01/category/gudegude/20221216-4197/
香箱ガニの最大の魅力は、お腹に抱える外子・内子・カニミソにあります。調理法はシンプルな塩茹でが王道で、そのまま内子・外子・ミソを混ぜて食べると香箱ガニの真価が発揮されます。茹で方は、大きめの鍋に水3リットルと塩大さじ5~6を入れ、香箱ガニの甲羅を下にして水から強火で茹でます。沸騰してから約15~20分茹でれば完成です。
参考)漁師さん直送市場【家庭用】
金沢の地元では「味噌汁にするのが一番」と言われるほど、香箱ガニは良い出汁が出ます。香箱ガニの出汁が香る贅沢なお味噌汁は、冬の定番料理として親しまれています。また、甲羅に内子とミソとカニ足をきれいに盛り付けた「甲羅盛り」は、まるで料亭のような一品で、目で愛でながら楽しめます。
参考)【まるで料亭!】香箱ガニ(セコガニ/親ガニ)甲羅盛りの作り方…
新鮮かつ小ぶりの香箱ガニならではの料理法として「セコガニ飯」があります。カニ身と内子をご飯に混ぜ込んだカニ飯を豪快にかきこめば、幸せをかみしめずにはいられません。寿司ネタや甲羅焼きとしても人気があり、少量でも満足感が得られるのが香箱ガニの魅力です。
香箱ガニの価格は、オスの加能ガニに比べると手頃な傾向にあります。2022年シーズンの香箱ガニを含めた水揚げ金額の合計は15億1000万円で、前シーズンより1億円増加しました。加能ガニの1キロあたりの単価は7,108円で過去5年平均を大きく上回りましたが、香箱ガニはより庶民的な価格で提供されています。
通販では、石川県能登半島産の香箱ガニが20杯セットで販売されており、生でもボイルでも好きな状態で送ってもらえます。訳あり品(足折れなどの理由)であれば3杯セットでさらにお買い得価格で購入でき、ご家庭用には十分な品質です。金沢のかないわ水産では、獲れたての香箱ガニを専門の職人が絶妙な塩加減で茹で上げ、その日のうちに発送してくれるため、カニ本来の味が味わえます。
参考)香箱ガニ|濃厚で甘いカニ味噌が絶品!人気のこうばこガニの通販…
石川県では最高級ブランドとして「輝姫」の認定制度を導入しており、オスの「輝」とともにブランド化を進めています。初シーズンの認定数は61匹と極めて少なく、希少価値の高さを物語っています。
参考)「香箱ガニ」最高級ブランドの「輝姫」、初シーズンの認定は61…
香箱ガニを含むズワイガニの漁獲量は、長年減少傾向にありました。鳥取県のデータによると、2004年をピークに2022年まで減少が続いていましたが、2023年から徐々に増加に転じています。今後もほぼ同水準の漁獲量が続くと推測されており、資源管理の成果が表れています。
石川県内の底引き網漁業者は、将来的な安定した水揚げに向けて成長段階の水ガニ(若いズワイガニ)の禁漁に取り組んでいます。この取り組みにより資源量は回復傾向にあり、2022年シーズンの香箱ガニの水揚げ量は134トンと前シーズンを6割余り、過去5年平均では5割近く増加しました。
メスの香箱ガニの漁期が12月末までと短く制限されているのも、資源保護の重要な施策です。内子と外子を持つ成熟した個体だけに漁獲が限定されており、水揚げ後に外子がこぼれてしまう場合もあるほど産卵を控えた貴重な個体を扱っています。こうした厳格な資源管理により、香箱ガニは持続可能な冬の味覚として守られているのです。
参考)2025年11月6日(木)いしかわ冬の味覚の王様「加能ガニ」…
香箱ガニ漁が解禁される11月6日から12月末までの約2ヶ月間は、北陸の冬を彩る特別な時期となっています。特に12月の旬の時期には、内子・外子が最高の状態になり、濃厚な味わいを楽しめます。資源保護のため短い漁期に制限されているからこそ、その希少性と美味しさが際立つ冬の味覚といえるでしょう。
参考リンク:香箱ガニの解禁日や特徴について詳しく知りたい方は、金沢市が公開する「香箱がに - 金沢人の大好物、季節限定の宝石箱」の資料が参考になります。
参考リンク:香箱ガニの甲羅盛りの作り方を詳しく知りたい方は、「香箱ガニ(セコガニ/親ガニ)甲羅盛りの作り方」のレシピページをご覧ください。
参考リンク:香箱ガニを含む北陸のカニ文化については、日経スタイルの「味は絶品、価格は庶民派 香箱ガニ、魅惑の内子とミソ」の記事が詳しく解説しています。
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