先日、玄関に脱いだ私の靴が何故かぬれているな、と思ったら飼い猫のトトがおしっこをしてやがった。
靴からはすさまじい刺激臭が立ち上っていた。猫のおしっこのにおいだ。
おしっこがかかった靴を、洗濯機でぼろぼろになるまで洗ったこともある。いろんな消臭剤も試したし、酢につけてみたこともある。
しかし、どの方法も全く歯が立たない。
猫のおしっこがかかった物体は、例外なく、捨てることになった。
今回の靴も捨てることになるのか。結構お気に入りだったのだが。
悔しいので、なんか方法はないのかと思って、ネットで探し回ってみた。
で、「微生物の力でアンモニアを分解」するという粉を発見。ダメもとで買ってみた。
微生物の力で分解する、というのが新しいではないか。私はとりあえず、そういう新しい方法が好きだ。それでよく失敗してはいるが。
もともとは、食堂だとかレストランの排水溝に詰まった油だとか汚物だとかを分解そうじするのに使われているらしい。それが、養鶏場や養豚場のニオイ消しに使われるようになり、ペット用としても販売されているようだ。
使い方は、40度ぐらいのお湯にこの粉を5振りくらいふりかけ、30分置いてから霧吹きなどで対象に振り掛けるんだそうだ。
30分で微生物たちが活動を始めるらしい。というか、うじゃうじゃ増えていくらしい。
ちょっと気持ち悪いが、とりあえず霧吹きに入れてみた。なんだか茶色くにごった液体が出来上がる。本当に効くんだろうか。
猫のおしっこがかかり、強烈なニオイを発している靴にたっぷりと吹きかける。
まだニオイは取れていない。
微生物がにおいを分解するまで、数時間かかるらしいので待ってみる。
待っている間、ひまだったので玄関や猫のトイレにも霧吹きしてみる。腹が減ったので外に飯を食いにでかけた。
5時間ほど経過し、家に帰ってきた。靴のにおいをかぐ。
においが取れている。あっけないくらい、においが取れてしまっている。私としては、そこそこにおいが取れてるけど効きませんでした、という予想をしていたのだが。
消臭剤のように、ほのかなレモンのにおいだとか、特有の粘土くさいにおいも全くしない。においがなくなってるのだ。気のせいかもしれないが、草っぽいにおいはするような気がする。
今まで苦労の末捨てた5足の靴たちが悔やまれた。なんでこれ、そのへんのスーパーに売ってないんだろう。
というか、宣伝してなさすぎじゃないか。
私は10年以上、猫のおしっこ臭に苦労したが、出来ればそんな苦労はしたくなかった。
においがとれてうれしいのだが、なんだか悔しいような複雑な気分で今回の日記を終わる。
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