むかしむかし、スーパーファミコンが全盛期の頃の話。
ドラクエだとか、ファイナルファンタジーだとかが大ヒットしたのを見て、よっしゃじゃあうちもアールピージーだして儲けてやろう、というメーカーがクソゲーをたくさん出していました。
そんなクソゲーに埋もれて、「ヘラクレスの栄光3」も発売されていました。
なんだかパッとしないタイトル。
ヘラクレスって神話に出てくる奴だろ。なんかそいつが大活躍して平和になりましたみたいな話なんじゃないの。つまんね。
そう思ってました。もちろん、買ったりしません。
が、多分中古で安かっただかなんだかでいつの間にか手に入れていました。母が自分でやろうと思って買ってきたのかも知れません。忘れましたが。
このゲーム、ひどいクソゲーでした。戦闘シーンだけは。
それ以外の話の流れだとか、登場人物の個性とかが私をとりこにしました。
主人公はヘラクレスの生まれ変わり。けど、今は肉体を失って人間の姿を借りているんです。そして記憶をなくしている。
ヘラクレスの生まれ変わりだけあって、特殊能力があります。それは、「高いところから落ちても死なないこと」
ある日、主人公は高い高い塔から落っこちます。
塔から人が飛び降りて大騒ぎになっているというのに、平気な顔をしている主人公。そこへある男が近づいてきます。
「あんた、もしかして高いところに行くと飛び降りたくなっちゃうタイプ?実は俺もそうなんだよ、ついつい飛び降りちゃうんだよなあ」
知らない人が聞いたら、ぎょっとするような会話を交わす二人。第一の仲間です。
旅を続けていくと、ある特殊能力が備わります。それは、旅先であった人々の体を呼び出して、「自分の体として使える」こと。
よし、ここは「天気を当てるおばあさん」を呼び出して、天候を味方につけるぞ!とか、「たんてい」を呼び出して「たばこすう」を発動だ!とか、もう病みつき。それぞれに「スキルレベル」みたいなものがあって、使い続けていると特殊能力が使えるように成長するんですよ。
しかも、それぞれ個性的な能力ばかりで、めちゃめちゃ楽しかったですね。「槍を使えば世界一」みたいな正統派な人もいました。そして、呼び出せる人の数が半端じゃない。たしか50人くらい居たと思います。
いつしか仲間も増え、4人パーティーになります。魔法もたくさん覚えてめちゃめちゃ強くなっていきます。
そしてラスト近く。自分が信じられない立場に追い込まれるんです。まさかそんなことになるなんて、という状態。
しゃべれなくなってて、仲間に助けを求めることも出来ない。
このまま死んでしまうのか、と思ったそのとき、
仲間が気づいてくれるんです。
気づくわけがないのに、気づいてくれるんです。
変わり果てた自分の姿を。
ゲームで泣いたのはあれが初めてだったかも知れませんね。
もしもどこかで「ヘラクレスの栄光3」という、昔のよくあるクソゲーっぽいRPGを見かけたら…
ぜひ一度やってみてください。
私は自信を持って、「名作RPG」として推薦したいと思います。
うちの、「Poser覚書」を紹介して下さったヨソミスルさんの記事を見て、そんな懐かしいゲームを久々に思い出しました。ありがとうございました。
※ゲーム内容はちょっと…いえ、かなりうろ覚えの部分があります。
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