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Poser8新機能 パーツ境界を気にせず使えるようになったモーフパテツール

  Poser8日本語版 リリースが直前なので、Poser8機能のおさらいをしておきたい。

 今回は、「モーフパテツールの強化」だ。


▲首のあたりの緑~赤の点の集まりが、モーフパテツールのブラシ

 モーフパテツールというのは、ブラシで塗る感覚でフィギュアの表面をふくらませたり、へこませたりする機能。変形させた部分は簡単な操作でモーフターゲットにすることが出来る。

 Poser7以前は、パーツ単位でしか操作できなかったのが、Poser8からはパーツの境界を気にすることなく変形でき、また、ワンタッチでフルボディモーフ化することができるのだ。

何に使うのか

 スゴそうだけど何に使うの?と言われると、私の場合は服から身がはみ出た時の修正にしか使っていない。

 これが、 ZBrush なみに滑らかに使えたら色んな世界が広がると思うのだが、動きがもっさりしすぎているのだ。けどまあ、「殴られた衝撃で顔がゆがむ」とか、「食べ物などの表面を、ある程度ぼこぼこにして自然に見せる」みたいな用途なら充分使えそう。あとは、頑張れば顔を修正して別キャラにするのにも使えそうだ。

服からはみ出した人体を修正する手順

 実際に、修正を行ってみよう。

Editing Toolsの指先アイコン(Morphing Tool)をクリック
Morphing Toolウインドウが表示されるので、Createタブをクリック

 

Morphing Toolのパラメータを以下のように設定

  • 「Push」…なぞった表面を押す(へこませる)
  • 「Accumulate」…なぞった分だけ表面を深く変形させるオプション。オフにすると、1ドラッグ中に何度もなぞっても、一定量以上へこまなくなる。
  • 「Group」…指定したパーツのみ変形させるオプション。オンにすると何故かめちゃめちゃ重い。オフにしておいたほうが軽い上に作業しやすいのでオフ。

 また、Radiusはブラシの大きさ、Magnitudeはブラシの変形強度なので作業内容に合わせて調整しよう。

フィギュア本体を選択状態にする
はみ出ている部分を、ドラッグしてへこませる。


▲服をクリックすると服が変形対象になってしまうので注意。

 このとき、ドラッグしっぱなしにて、一筆書きで不要部分をなぞりまくると、余計なヘコミができなくていいと思う。失敗したぁー!と思ったら、Ctrl+Zで戻れる。また、ブラシで変形させたもの全てを元に戻すには、「Morph Tool」ウインドウの下のほうにある「Zero Morph」をクリックすればOKだ。


▲ハミ出しがなくなった

 なお、変形させた内容は、Morph Toolの一番下にある「Save a copy as ...」ボタンをクリックすることで、モーフターゲットとして保存できる。(パラメータパレットにパラメータが表示される)

まとめ

 服のハミ出し対策は、マグネットよりも格段に使い勝手が良く、Poser7よりも操作感が軽くなった。多少はみ出しててもサクサクッと対処出来ると思う。また、モーフターゲット化できるので、動画なんかでもハミ出しが起こるフレームだけモーフターゲットを1.0にしておくなどの細工も可能。

 操作感が軽くなり、パーツ境界を気にしなくて良くなっただけ、という地味な進化なのだが、服のハミ出し対策に限定して言えば、使い勝手は格段に良くなっていると思う。ただ、プレビューオプションによっては動作が重くなることもあるようだ。

 とにかく、使いやすい方向に進化していることは評価したいと思う。

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