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汗・水滴の表現 進化版

 汗の表現方法について数日前にメールをいただいたので、若干進歩した、汗の表現方法を覚書してみたい。今回の例はこれ。


▲使用フィギュアは Sadie

 まあ、完全無欠の汗だ、とはいかないが、水滴っぽいなあくらいの感じは出てるだろう。以前の、汗の表現に挑戦に比べると少し進歩していると信じたい。

 では、やり方。大きな流れとしては、Sadie本体を小道具化したものを重ねて表示し、でこぼこした、水滴っぽいマテリアルを割り当てて、汗のように見せかけているわけだ。そんなわけで、静止画にしか使えない。

 まずは、汗用の小道具を作っていこう。

汗用の小道具を作る

対象のフィギュアにポーズをつける

 あらかじめ、きっちりとフィギュアにポーズをつけておくこと。あとからちょっとだけ腕の角度を変えよう、などということは出来ないのだ。もしポーズを変えると、以下の作業が全てやり直しということになるので気をつけよう。

画面上部のメニューから、File→Export→Wavefront OBJ...を選択

「Export Range」ウインドウが表示されるので、そのままOKをクリック

Select objectsウインドウが出てくるので、フィギュア本体にのみチェックをつける
(UNIVERSE、GROUND、左右の目、髪、服など汗が噴き出さない部分はチェックを外す)
OKをクリック


オプション選択画面が出るので、「Weld body part seams」(ボディの継ぎ目を統合)のみチェックをつけ、OKをクリック


保存ウインドウが出てくるので、ファイル名をつけて保存(ここでは、sadie_body.objとした)

 しばらく時間がかかり、フィギュアの形状がobj形式で保存される。

 さて、今保存したばかりのobjをすぐに呼び出そう。

画面上部のメニューから、Import→Wavefront OBJ...を選択

オプション画面が出てくるので、全てのチェックをはずしてOKをクリック

「読み込み」ウインドウが表示されるので、先ほど保存したファイルを「開く」

 特に見た目は何も変わっていないが、これで準備はOK。

汗のマテリアルを割り当てる

画面上部の「MATERIAL]タブをクリックし、マテリアルルームへ移動

 

 この汗用小道具は、頭部と体とでマテリアルが分けられているので、まずは頭部から設定していこう。

シェイダーウインドウ上部で、Object:sadie_body(先ほど作った汗用小道具)、Material:SkinHead(頭部のマテリアル)を選択

マテリアルを以下のように設定

 ちなみに、各ノードは、右クリックしてnew nodeを選択して作ることが出来る。

  • Reflect: new node→light(ライト)→ray trace(レイトレース)→reflect(反射)
  • Refrect: new node→light(ライト)→ray trace(レイトレース)→refrect(屈折)
  • Spots: new node→3D Textures(3Dテクスチャ)→Spots(斑点)

 これでとりあえずOK。ためしにレンダリングしてみよう。なお、レンダリング時には、以下のオプションを有効にしておかないと変な結果になると思う。

レンダリングオプションに以下の設定をする。

  • Raytracingにチェックをつける
  • RaytraceBouncesを2以上に設定
  • OptionsのUse Displacement mapsにチェックをつける

 なお、ライトはIBL×1+スポットライト×2で試してみた。

 うまくレンダリングできたら、同様の設定を汗用小道具の体にも適用だ。これで、とりあえずの汗表現が出来上がったというわけである。


▲できあがり

 なお、上記マテリアルの「Spots」だと、全体にまんべんなく汗が噴出してしまうので、マスク画像を作って汗が出そうなところだけ出してみるとか、色々応用の仕方があると思う。ただ、レタッチした方がもっと簡単に汗っぽく出来るような気がするよなあ。

 大きなお友達が、おかしな遊びに使いそうなワザを公開してしまったかも知れないな、と思いつつ今回の覚書を終わる。

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トゥーン少女フィギュア Sadie
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次の汗の表現 少し改良へ


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