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Poserって、どんなソフト?

両手に収まるサイズの全裸の女性を、もて遊んでいる中年男。

全裸の女性は、人形だ。
人並み外れたプロポーション、
重力に完全に逆らう肉体、
そして、生気のない目がそれを物語っている。

小さな美女は、モニタという檻に閉じ込められていて、
中年男は、キーボードとマウスで、
美女の足を広げたり、表情をいじったりしているのだ。

これがPoserというソフトである。

男は、しばらく美女をもて遊んでいたが、
何かを閃いたような顔で、メニューから「描画」を選ぶ。

光と陰が緻密に計算された、美しい画像が徐々に現れた。

ニヤリ。

男は、全裸の美女に服を着せ始めた。

中年男の着せ替えごっこ。
その言葉には、触れれば指にねっとりと糸を引くような
粘着質な響きがある。
だが、中年男は真剣だった。

続いて、中年男は「ライブラリ」から、金髪男性を呼び出す。

人形遊びには定番の、
リカちゃんに対するワタルくんとでも
言うべきパートナーの登場である。

見つめ合う美女と金髪男性。

何らかの計算に基づくものなのか、二人のポーズは
互いを引き立て合い、特殊な空間を作り出していた。

中年男はメニューから「最終描画」を選ぶ。
妥協抜きの描画計算により、二人の空間が
美麗な画像として描かれていく。

中年男は、そこで満足しなかった。

その画像をフォトショップに持ちこみ、
背景を合成し、「レタッチ」したのだ。

コンピュータが生み出した「計算結果」に、
中年男の「想い」が宿る。

 

デジタルとアナログの融合、
アートの誕生であった。

「869個目の…」
中年男はつぶやく。

「失敗作だ」

中年男は、パソコンの電源を消し、去っていった。

中年男は、明日もPoserを起動して作品を作るのだろう。
明後日も、その次の日も、そのまた次の日も。

途中でやめられなくなる。

Poserには、そんな中毒性があるので、手を出さないように
気をつけて欲しい。

Poserって、どんなソフトなのか、改めて紹介しようと思ったけど、
すごく変な方向に行ってしまったことを、形の上だけでも反省しつつ、今回の覚書を終わる。

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