かれこれ10年前だったか、ウルティマオンラインというRPGをしばらくやっていたことがある。
オンラインRPGの元祖とも言えるゲームで、各プレイヤーはネットでつながり、仮想現実で共に冒険を繰り広げたり、木を切ったり、動物と仲良くなったり、釣りをしたり、鍛冶をしたり、盗みを働いたり、何もしなかったり出来るのだ。
当時私は、釣りの得意なおじいさんを作ろうと思って偏ったパラメータを振り分け、少し走っただけで息切れしてしまうという、予想外にリアルなおじいさんを作ってしまった。
最初は街の川で釣りを楽しむおじいさん。やがて、少し遠出して海で釣りをするおじいさん。さらに、魔物が出る危険な地域で、やっぱり釣りをするおじいさん。
魔物に見つかると、逃げてもすぐに息切れするので死亡は確実だ。びくびくしながら釣りをする。そしてある日、PKという、プレイヤーでありながら他のプレイヤーを殺して回るという人に追い回される。
釣り以外、何も出来ないおじいさんはあっけなくやられ、安物の釣り竿をにぎりしめ、動かなくなる。さようならおじいさん。ほんとは街まで行けば復活できるんだけど、それがなんだか一区切りのような気がして、それでやめた。
そして今、同じような、いや、多分進化してるんだと思うが、若干かわいらしくなって似たようなゲームが出ていた。
それが、マビノギだ。この発音しにくいタイトルは韓国系のゲームなんだろう。韓国発のオンラインゲームは勢いがある。プレイ人数もかなり多い。
戦闘にあけくれる以外に、木を切ったり、植え込みから木の枝をパクッたり、羊の毛を切ったり、楽器で何故かナウシカのテーマを奏でたりできる。
この仮想世界には、はまりきっている人がたくさんいた。仮想世界もほどほどに。
歳のせいか、激しくゲームにはまることが少なくなった私は、今日もほどほどにゲームをプレイして今回の日記を終わることにする。