おならに関するルール


 結婚した。
 お祝いの言葉をくれる人がいるかも知れないので、先にありがとうございますと言っておきたい。ありがとうございます。
 結婚して二人で生活していくことは色々大変だが、ホッとすることもたくさんある。
 あっ。
 私が何かを思いついたように声を上げる。妻が不思議そうに「何?」と聞く。
 「おならしてもいい?」
 「え…いいよ」
 ブーッ。
 いやだー、ゲラゲラゲラ。
 その日から、私は部屋の中で存分におならが出来るようになった。フリーダム。だけど、ちゃんと予告をしないとまずいこともある。
 「それでねー、そのおじさんがねー」
 ブーッ。
 「もー!」
 相槌をうつタイミングですれば、話の腰も折らずに済むと思ったのだが、少し怒られた。
 そういった試行錯誤と失敗を繰り返しながら、盛り上がった話の最中でなければ「おならするよ」「うん」ブーッ。やだー。あははは!という流れが可能になったのだ。
 私だけ肉体を開放するのは申し訳ないので、妻にもおならを自由にしていいよ、と言ってみたのだが「絶対にしない」と、肉体の開放をかたくなに拒んでいる。妻はいったいどこでおならをしているのか。そこを追求すると怒られそうな気がするので、「あ、そう…」で話は終わるのだが、謎である。
 そんなわけで、我が家には、以下のような暗黙のルールが、私の中で制定された。

     

  • 予告をし、適切なタイミングならば、自由におならをしてもよい。ただし、妻のおならに関しては、どこでしてんだとか、いつやるんだとか、あまり詮索しない。

 ああ、素晴らしいルールだなあ、と思いつつ今回の日記を終わる。