プレデターX

プレデター。

 

 透明になる装置を身につけて、人間を襲って食う怖い宇宙人が出てくる映画だ。プレデターとは、「捕食者」の意味らしい。

 

 アールノド・シュワルツェネッガー主演のパート1、がらりと雰囲気が変わったパート2、人間と手を組んでエイリアンをやっつける、「エイリアン VS プレデター」。

 

 どれも、そこそこ面白かった。

 

 つい最近、DVDで、「プレデターX」というのを見つけたので借りてみた。Xというのは最終版ということだろうか、番外編ということだろうか。

 

 そこそこ期待して、再生ボタンを押す。

 

 「遺産があるから取りに来い」

 

 同時に手紙を受け取る男二人。一人は白人、一人は黒人で、お互い会ったこともない間柄だ。捨て子だった二人の母親と名乗る人物からの手紙だった。

 

 遺産は俺のもんだとつかみあいを始める二人の男。遺産があるという村は、なんだか人々の様子がおかしい。徐々に盛り上がる不気味さ・・・。

 

 プレデターっぽくはないが、結構盛り上がる前半。だが、徐々におかしくなってくる。タンを吐きながら息子二人に説教する母親の霊。ワイヤーで釣られたような格好でのひょーんと飛び上がる怪物。何かあるとすぐに白目をむく少年。息詰まるゴーカートでのぶっつけあいバトル。

 

 なんかこう、なんでもアリっぽい雰囲気に加えて、安っぽい。

 

 原題は「THE CREATURE」である。プレデターとは一言も言っていない。出てくる怪物の体の一部が、映画プレデターの宇宙人に少し似ていると言われれば、そうかも知れない。

 

 これはあれだ。

 

 B級映画をDVDで販売すんだけど、そのままだと誰も買いそうもないから、プレデターっていう名前をつけちゃえ。なあに、プレデターという言葉は固有名詞じゃないし、かまうものか。あの有名シリーズと間違えて見るやつが間抜けなのだ。ギリギリセーフってやつだ。

 

 そんな考えのもと、間違えて買う人を前提に売り出されたDVD。

 

 どうしても見たければ別に止めないが、「プレデターシリーズ」とは全く関係のない映画だということは言っておこう。