やみつき綿棒


 やみつき綿棒を買った。
 耳そうじをするのに超便利すぎてやみつきになるからやみつき綿棒、なんだそうだ。結構インパクトのあるネーミング。
 綿棒の頭の部分が黒くて、しかも数カ所の溝があり、耳垢がひっかかりやすいようになっている。超高級耳かきと同じような構造だ。そして、棒の両端に綿がついているので左右の耳をフレッシュな気分でそれぞれ掃除できるわけだ。
 これで耳そうじをする。風呂上がりの、ちょっと耳の中が湿っているときにする。
 綿棒が黒いので、ヨゴレがはっきり目に見える。うわあ、こんなヨゴレが私の耳の中に。ひい。気がつくと私は商品名の通りやみつきになり、ひまがあれば耳そうじをする男になってしまっていた。
 1ヶ月ちょっとで70本を使い切り、新しいのを買おうとドラッグストアに行ったら、綿棒の両端の綿のうち、片方はノーマルという類似品が売っていて、やみつき綿棒は撤去されていた。ああ。
 きっと、片側だけ耳かきの方が消費速度が速くて儲かるとかそういうことなんだろう。ちくちょうこのやろめ。
 こんなことなら、やみつき綿棒を10個くらいまとめ買いしておけばよかったと思いつつ、今回の日記を終わる。