沖縄で色々食おうぜ その4


 両親と沖縄旅行に出かけ、2日目の朝。
 朝食は、ホテルのお食事どころでバイキング形式だった。
 ゴーヤチャンプルー、ジーマーミ豆腐といった沖縄料理のほか、単なるソーセージやハム、野菜、果物などが並ぶ。みそ汁には、崩した豆腐が大量に入っていて、衝撃的だった。
 うまい。沖縄は基本の食材がそもそもおいしいので、どんなところで食ってもハズレがないのかも知れない。
 本日は、あまり移動しなくても見物できる観光スポット、首里城へ向かう。
 ゆいレール県庁前から、首里駅に移動だ。20分弱くらい。


▲首里城を降りてすぐの町並み
 駅前にカラフルな城がずどーん、と建っているかと思ったら、特にそういうわけではなかった。駅からちょっと離れているらしい。
 駅前で「首里城行きのバスがあるよー」と、おっさんが呼び込みをしていたが「歩きたいのでー」と言って断る。バスは100円だった。
 しばらく進むと、「首里城公園」という公園にさしかかる。この公園をしばらく進めば、首里城に到着するようだ。


▲公園から見た町並み
 公園は少々、丘っぽい感じになっていて、登り坂だった。私はそうでもなかったが、両親はへとへとになっていたので、5分くらい坂を上ったところで休憩する。


▲少し別の角度から見た町並み
 なんだかこう視界がひらけている感じ。背の高い建物があまりないからだろうか。

 公園内は補修工事をしていて、遠くのほうでゴリゴリと音が聞こえていた。また、ベンチには公園のヌシのような小汚いおっさんが座って周囲をうかがっていたが、その他は特にこれといったこともなかった。
 いい天気である。そして暖かい。本当に今は12月の半ばなんだろうか、得したなあ、などと思う。
 両親の体力が少し回復したようなので再出発。坂を何回か上り下りして、15分くらいで首里城に到着した。


▲首里城の門の一つ
 首里城周辺は、修学旅行らしき学生でいっぱいだった。
 人のいっぱいいるところが苦手な私は、すでに帰りたくなっていた。両親も帰りたそうだった。さすが私の親だ。
 けどまあ、せっかくだから首里城をパッと見るぐらいのことはしよう。人ごみを我慢して、じわじわと先に進む。


▲さらに少し進んだところにある首里城の門
 首里城は、本丸みたいなとこにたどりつくまでに、いくつかの門で区切られている。当時、攻め込まれたりしたときに都合が良かったんだろう。けど今は、そんな門に大量の人がなだれ込んで、ちょっとした渋滞が起こっていた。

 いくつか門を抜けると、小さい小屋があり、鐘がぶらさがっている。おお、鐘だなあ、と思いながら特にこれといった感想もなく、鐘小屋を去った。
 そして、広場っぽいとこに出た。

 おお、あの赤い建物が首里城本体なのかな、でもちょっと事前に調べたものと違うな。
 実は、目の前の赤い建物は最終の門で、あの中に首里城本丸があるのだった。そして、本丸に入るには600円かかります、という仕掛けだった。
 なるほど。
 ちょっと首里城を見ようとチンタラ坂を登って来たら、目前でお金がかかりますと言われるシステム。そりゃあ、じゃあ見なくていいですと言って引き返すのはもったいないと思ってしまう。やられたなあ。
 広場には、伝統舞踊ショーみたいなのが無料で見られるコーナーがあり、せっかくだから本丸に入る前に見ることにする。
 運動会で使うテントにパイプ椅子という安っぽい作りだった。まあ、無料だからしょうがない。舞台は何故か舞台中央に邪魔な柱がズドンと立っていて、その舞台どうなのと言いたくなる。もともと売店か何かだったのを改造したんだろうか。


▲指が映っていたり、舞台より客の背中が大きく映ってたりとやる気のない写真
 変な化粧をした男二人が、ゆーっくりした曲に合わせて舞台をうろつい、いや、舞っていた。もうちょっとこう、ノリノリで見ている方も楽しくなるようなのはないのかな、と思って2、3曲我慢して見ていたが、どうやらずっとそんな感じらしい。
 席を立ち、入場券を買って本丸に入場。

 あー、そうそう、こんな感じだった。事前に見た首里城のイメージをリアルに見た私は、もうそれで満足だったが、城内見学もできるらしいので、することにした。
 予想通り、修学旅行の学生が大量に居て落ち着かない。私があまり人がいない展示会などを自分のペースでだらだら見るのが好きなのだが、観光名所だったらふつうはこんな感じなのかも知れない。


▲皇帝が座るようなキンキラキンのイス
 内部は写真OKスポットと、写真NGスポットに分かれていた。うーむ、いまいち内部の記憶がない。特にこれといって面白いものがなかったからかか。
 城を脱出してトイレに行き、手を洗おうとしたら面白いものを見つけた。

 手洗い場の蛇口がシーサーだったのだ。


▲違う角度から見たシーサー蛇口
 そうか、まあ、最後におもしろいもんが見られて良かった。
 我々は首里城を去り、元来た道を引き返した。

 来たときは気がつかなかったが、公園のトイレの屋根にシーサーが座っていた。何かとトイレにまつわる場所におかれるシーサー。そんな扱いでいいのか。
 時刻は昼を回り、腹も減ったので首里駅前で昼飯を食った。


▲三枚肉そば
 すいそばという店で、メニューはソーキそばと三枚肉そばの二つのみ。サイズが選べるようだ。
 うむ、おいしい。両親はソーキそばを注文していたが、とりあえずおおむね満足のようであった。何より、歩いて腹が減ったのでよけいにうまく感じる。
 ごちそうさま。
 店のすぐ近くにさーたーあんだぎー屋があり、父は何故かそこでコーヒーに入れるとおいしいですよと言われて黒蜜を買わされていた。
 帰りは、牧志駅というところで下車し、国際通りをざーっと歩いて県庁前まで戻ることにした。土産物を物色するのだ。


大きな地図で見る
 国際通りの中ほどには、第一牧志公設市場というのがあって、面白半分で行ったら豚の顔の皮をはいだ頭が店先にどん、と乗せられていて、心の中で悲鳴をあげてすぐ外に出た。肉屋が多いせいか、においもものすごかった。
 土産物屋は、なんというかどこをのぞいてもだいたい品揃えが同じで、「沖縄で一番安い店」というのが何軒もあった。安いことをウリにするなんて安直だなあ。あとは、なぜか文字が書かれたTシャツがそこらじゅうの店で売られていた。「めんそーれ」とか「うみんちゅ」とか書かれたやつだ。現地では着るかも知れないけど、持って帰ったらまず着ないだろうなあ。
 歩きはじめて20分。両親がへとへとになっていたので、とりあえず宿に戻ることにした。

<つづく>