鹿島灘に泳ぎに行く


 海に泳ぎに行きたいなあ、と思って土曜日に鹿島灘方面に旅立った。


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 あんまり混んでいるとこはいやだなあ、と思って、わざと交通が不便そうなところに向かったというわけだ。
 朝8時、ショルダーバッグに適当に着替えなどを詰め込み、水着は服の下に着込んで電車に乗る。
 東京駅→成田→鹿島神宮とJRで移動し、臨海大洗鹿島線に乗り換えて→長者ヶ浜潮騒はまなす公園前で降りた。家を出てからおよそ3時間である。
 すごくいい天気。駅から海までは結構遠くて、ときどき行き止まりにぶち当たりながらも、なんとか海に出た。
 車がたくさん停まっていて、ああ、海水浴場だなあと思って進むと、皆、サーファーだった。そして、「ここで泳ぐな」という立て札が立っており、地元の、漁師っぽい風貌のおっさんが見張り席のような、木でできたイスに座って、不届き者を監視していたのだ。
 事前に、鹿島灘にはいくつか海水浴場があって、けっこう空いてるからオススメだ、という情報は得ていたので軽い気持ちで来た私だったが、「灘」と名前がつくだけあって、どこでも泳げるというものではないらしい。そして、よくわからないがサーフィンはいいけど、泳ぐのはダメみたいな暗黙の空気が流れていた。
 ちゃぷ。
 せっかくなので、足だけ海につかってみる。ああ、冷たくていい気持ち。と、同時にビリッとした痛みが走る。
 ジーンズメイトで買った安物のファッションサンダルで結構な距離を歩いた私は、足の小指の外側、足のうら、親指と人差し指の間に靴ずれができていた。そいつに海水がしみ込み、痛みとなって私を襲ったのである。
 「鹿島灘は、海水浴場以外では泳げない」という、割と当り前のことを学び、痛い足を引きずって駅へと引き上げる。
 電車は1時間に一本で、タイミングが悪いと1時間近く待つことになるのだが、めでたく50分ほど待って電車に乗った。下りた駅は潮来だ。
 潮来の伊太郎の、あの潮来だろうか。
 予約していた宿は、潮来ステーションホテルというビジネスホテルである。畳の部屋で寝てみたくて、和室を選んだ。ビジネスホテルで和室というのは珍しい気がする。\8,000だった。
 二部屋あって、片方には布団が二つ敷いてあった。ふつうは二人で泊まる部屋なんだろう。風呂とトイレは独立していて、トイレにはウォシュレットがついている。
 とりあえず、風呂に入ろうと湯を入れると、がぼごぼがぼがぼと、蛇口が激しく上下に動きながら湯が出てきた。
 風呂に入るとやっぱり、湯が足にしみた。小指の外側なんかは、もう完全に皮がすりむけて真っ赤になっている。しかし、人体というのは大したもんでしばらくすると痛みはなくなり、私はちょいと広めの風呂を楽しんだ。
 晩飯を食おうと、近くの焼き肉屋(焼肉居酒屋牛太)に行く。近くには、寿司屋、コンビニ、とんかつ屋などのほか、ふらりと入りにくい雰囲気を醸し出している小さい食堂があった。そういう食堂に抵抗なく入れたらいいのだが、小心者の私は、小さくて外から中が見えないようなところは警戒してしまうのだ。
 焼肉屋では、レバ刺しやハラミ、カルビなど、腹いっぱい食いまくる。日中歩いて消費したカロリーを軽く上回るくらいに飲んで食って、宿に戻った。
 テレビでは、ホームレス中学生がドラマ化されて放映されていた。主役の子役が麒麟の田村にそっくりな上、自然な演技だったのでついつい最後までのめりこんで見てしまった。そんでもって、番組の最後に小池徹平が主演で映画化されるという宣伝を見て、ああ、アイドル映画になっちゃうのか、と思いながら寝ることにした。
 二部屋の和室に、布団が2つ敷いてある空間をもてあましながら、せっかく2つあるんだから、ときどき隣の布団に移動しながら寝ようかと思ったが、気がついたらもう朝だった。
 ふすまを開けて外を見ると、めちゃめちゃ曇っていて、私のテンションもそれほど高くなかったので、もうこのまま帰ることにした。
 電車で潮来→千葉→中野と乗りつぎ、約3時間かけて帰って来た。
 ふと、ここ2,3カ月連絡がつかなかった知り合いにダメモトで電話したら、つながったので近況などを話す。
 最後に少しだけいいことがあって良かったなあ、と思いつつ、今週の週末は終わった。